阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

キルギスでの選挙監視活動で得たこと、見えたこと

2010年10月12日 23時58分36秒 | 政治
 今夜は前原誠司外務大臣を含む外務省の政務三役(副大臣、政務官)と民主党外務委員の懇親会がありました。ここでは書けないことも含め、様々な問題提起がされた有意義なひとときでした。

 前原大臣は先日の外務部門会議では「経済外交」の推進を明言しました。人口減少、少子高齢化、膨大な財政赤字という制約がある中、国力以上の外交はできません。従って、より自由な貿易体制の構築や資源の確保、また、アジア諸国をはじめとする外国への官民一体となったインフラ輸出に取り組み、国力を増強することを目標により攻めの外交に取り組む決意を述べました。アジアにはこの先20年で8兆ドルのインフラ需要があると試算されています。水道や道路、新幹線など日本の得意分野の海外輸出は、今の経済状況における大きな光明です。

 また、前原大臣は議員外交の推進を図り、できる限りのバックアップをしていくとのこと。心強い言葉です。そんな背景もあり、10月10日に行われたキルギス議会選挙の監視活動に参加しました。8月にキルギスを訪問した際、オトゥンバエワ大統領に日本の国会議員による選挙監視チーム受け入れをお願いしたところ、衆議院宛てに招待状を頂きました。従って横路衆議院議長からの親書を携え、議員外交として、民主党、そして外務省にも協力を頂く形で訪問することができました。

 今朝、戻ってきたところですが、下記のような意義があったと思います。

 
 1.「大統領制から議院内閣制」に移行するプロセスが世界的注目を集めている。4月の政変、6月の騒乱を経て行われる選挙を監視、報告することで、キルギス共和国の民主化支援の一環とする

 2.キルギスを含む中央アジアはレアアースを含む地下資源が豊富であり、現政権、および新政権関係者にパイプを構築することは日本の国益につながる

 
 従って、国境を接する中国(新疆ウイグル自治区)に多く住むウイグル系住民や、ドゥンガン系(回族)、さらに6月騒乱のターゲットになったウズベク系、さらにクルド系やグルジア系、朝鮮系、ドイツ系などキルギスにおける少数民族が住み、選挙を実施する上での不安定要因が多いとされる地域を中心に監視活動を行いました。これらの地域は土地を巡る争いがあり、また、貧富の差が激しいため、住民の不満が破壊行動などにエスカレートする可能性があったからです。

 実際には、私たちが訪問した投票所は極めて平穏で、過激な行動や混乱はありませんでした。しかし、一部の政党掲示板が燃やされた形跡があるなど、激しい選挙戦の余韻を随所で感じました。

 現地での活動中、中国の民主活動家・劉暁波氏のノーベル平和賞受賞が決まりました。この衝撃的なニュースは、民主化を求めるウイグル系やドゥンガン人の人々を大変勇気づけたようです。多元化する社会の利害や関心を統合し、個の自由や尊厳を守る民主的な政治システムの構築は隣国の中国にも求められていることを強く意識させられた活動になりました。


 写真:市民による「社会コントロール」を行う現地NGOの方々、および首藤信彦衆議院議員と。1ヶ月間、地域で選挙キャンペーンなどの監視を行った社会コントロールボランティアとは連動して活動しました。



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3 コメント

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防衛予算の増額を (夕立)
2010-10-13 09:38:44
防衛予算の増額をお願い致します。

中国の軍拡は脅威です。中国は空母の建造もすすめています。

防衛予算の増額は景気対策にもなります。
防衛産業の裾野は広いです。

日本の危機です。マニフェストに拘っている場合ではありません。

子供手当も高校授業料の無償化も廃止してください。
その分を防衛予算に回してください。
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日本の労働力減少を輸入で補って (佐藤健)
2010-10-13 00:52:39
>阪口直人様

日本はいつまでも黒字ばかり溜め込まないで、外国から輸入したほうが安く済むのものはどんどん利用すべきだと思います。

日本は今後20年以上、労働人口の絶対数・割合ともに減少が確定的なのです。低賃金の国の製品を利用しないのは、労働力の節約上もったいないです。

また、日本に友好的な途上国には日本への輸出でどんどん儲けてもらう機会を与える視点も大事です。
http://政治ブログ.佐藤健.com/
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お疲れ様でした (佐藤 圭)
2010-10-13 00:25:45
キルギスの選挙結果は多くの「専門家予想」と大きく異なるものでしたが、これはある意味で「専門家」と投票者の間にある差とも感じました。そして、ロシアの強い影響も改めて感じられ、議会制民主主義成立の厳しさも垣間見た気がします。

しかし、各党がほぼ横並びに近い状況で議会政治はスタートしました。言い換えれば、公正な選挙により、平等にスタートラインに着いたことを意味しているとも思います。

「経済外交」の考え方はまさしくこれからの中央アジア外交を支えていくものだと共感しました。人道的、基礎インフラ向けのこれまでの支援から、実際に双方の利益へとつながる経済活動を通じて、お互いが成長していける関係へと進む機会になると思います。

これからも微力ではありますが、キルギスと日本の架け橋となれるよう努力していきたいと思います。
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