阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

予算委員会で原発政策などについて安倍総理に質問

2014年02月03日 17時51分34秒 | 政治
 今日は衆議院予算委員会で安倍総理に質問しました。NHKの国会中継は途中で終わってしまったようですが、下記のURLからインターネット中継を観て頂けます。

  
 衆議院予算委員会で原発政策などについて安倍総理に質問 計20分 


 原発政策の在り方を、核廃棄物の最終処分の問題も含めて都知事選挙における小泉元首相の言葉を引用しながら問題点を指摘し、脱原発経済システム構築に大きく舵を切るべきと主張しました。また、未来の原発の在り方については諮問型国民投票を実施して決めるべきと提案しました。

 最終処分の在り方は大きな問題です。小泉元総理の考えを「原発ゼロ」に大きく舵を切るきっかけになったフィンランドの最終処分所「オンカロ」では原発は無害化するまで10万年管理することを想定しています。使用済み核燃料を保管する最終処分所は400メートルの岩盤の下、2キロ四方の地下要塞のような場所にあります。それでもわずか2基分の使用済み核燃料しか入りません。10万年前と言えば、ネアンデルタール人の時代。そもそも、情報が正確に伝わるのかどうかわかりません。日本は地震大国であり、10万年後に存在する建築物が存在するとも思えません。数年、数十年のエネルギーのために、未来の世代に何万年にもわたって犠牲を強いてもいいのでしょうか?

 「やれば、できる」これは、安倍総理の施政方針演説で繰り化された言葉です。「不可能だとあきらめる心を打ち捨て、わずかでも可能性を信じて行動を起こすことが、世の中を変えると」マンデラ元大統領の言葉を引用して力説していましたが、どうして原発に関しては及び腰なのでしょうか?

 安倍総理は原発停止が3.6兆円の化石燃料購入費になって、日本人ひとりあたり3万円が国外に流失しているとの説明を繰り返しています。確かに購入費が上がっていることは確かですが、世界的な化石燃料高騰と円安がその要因の8割以上で、量が増えた影響は実は2割未満です。また、貿易赤字の最大の要因は製造業の生産拠点が海外に移転していて円安の恩恵が限定的だからです。ここ数十年の幅で考えると、日本はずっと貿易黒字が多すぎることが問題でした。貿易赤字を生み出している本質に目を背け、化石燃料購入費を理由に原発に回帰することは詭弁です。

 未来への責任を優先し、再生可能エネルギー経済システムを構築することで新しい産業を起こせる可能性があります。ドイツでは2022年原発ゼロを政治が決定し、再生可能エネルギーの割合を20%に増やして新しい産業を起こし、38万人も雇用が増えたとされています。未来の世代への責任、そして贈り物として、日本が世界の先頭に立ち、再生可能エネルギー社会・経済システムを作る方向に舵を切りましょう。

 原発の是非を問う国民投票についても問題提起しました。国民的議論を経て、より多くの国民が望む方向への政策の転換を図ろうではありませんかと安倍総理に提案しました。このブログでも再三問題提起してきたように、ひとつの政策について徹底的な議論を行い、国民自ら決定することは日本の民主主義を鍛える意味でも意義があると思います。諮問型国民投票であれば憲法改正がなくても実施は可能です。ところが安倍総理の答弁は、国民から選ばれた国会議員が議論して方向性を決めるべきであり、国民に委ねるのは国会議員としての責任放棄だとの驚くべきものでした。多くの自民党議員が電力会社から多額の政治献金を受け取るなど、国会議員と電力会社の利権構造があることが政策の方向性を歪めているのが現実なのに、国民に委ねるのは責任放棄との考えは到底受け入れられません。
 
 この他、国境離島や自衛隊の基地の周辺で進む外国人の土地所有が、現行の法律では把握、規制できないことを指摘し、安全保障上問題と思われる場所については規制をすべきとの問題提起をしました。20分という時間は十分とは言えず、準備した質問の3分の1ぐらいしかできませんでしたが、今後の質問の中にも反映させていきたいと思います。



写真下:私の質問に対する安倍総理の答弁の一部(東京新聞に掲載。私の名前は出ていませんが…)



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