阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

瀕死のカンボジア民主主義-日本政府は強硬な態度で臨め

2017年11月17日 12時20分10秒 | 政治

 
 カンボジアの最高裁判所は16日、最大野党のカンボジア救国党(CNRP)を解党するとともに、政治家100人以上に対し今後5年間の政治活動を禁止する判決を下しました。来年7月の総選挙を控え、政権交代に期待する多くのカンボジア人の選択肢を奪ってしまいました。まさにカンボジア民主主義は瀕死の状況と言うしかありません。

 私は1992年以降、国連やNGOの一員としてカンボジアの民主化支援に関わってきました。まさにライフワークとして取り組んできました。日本ができるもっとも有効な貢献は選挙制度改革によって不正が行われる余地を可能な限り小さくすることと確信し、国会議員になってからは選挙人登録の電子化支援を提案し、実際に運用されるところまで進みました。

http://blog.goo.ne.jp/xd…/e/2109a72fcffd53a8f56db6518ae0b831

 2013年の総選挙では救国党が躍進。多くのカンボジア人が、不正がなければ政権交代が起こっていたと感じています。国民IDを電子化し、選挙管理委員会のコンピューターシステムと連動させる新しい選挙制度によって今年行われたコミューン選挙でも救国党が与党・人民党に迫る勢いでした。選挙制度改革によってこれまでのような不正ができる余地がなくなり、不利と見られた来年の総選挙を前に、まさか最大野党を解党させる暴挙に出るとは。唖然とするばかりです。

判事も与党人民党の党員。裁判は最初から出来レースと思われていました。野党議員がこの14年間に15人も殺害されていると併せ、カンボジアの民主主義は重大な危機を迎えています。長年、カンボジアにとって最大の援助国であった日本政府は何をしているのか?現地からは安倍総理はフン・セン首相に非公式に支持を表明しているとでは?との声も聞こえてきます。民主化を支援してきた国として毅然たる態度で臨まなくては、カンボジアの人々のみならず、国際社会の信頼も失います。