阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

世界遺産登録で北方四島返還を近づけよう!

2013年08月15日 23時13分40秒 | 政治

 今日8月15日は終戦記念日。先の大戦で尊い命を失われた国内外の全ての方々に、心から哀悼の誠を捧げます。

 さて、戦争を本当に終わらせるためには北方領土問題を解決し、ロシアとの間で平和条約を締結しなくてはなりません。私にとっての長年の思いが実現し、今、国後島への交流訪問事業に参加するため根室に来ています。今回の私の目的は、北方4島の返還を求める上で必要な現状を知ること、そして、そのための戦略を考えることです。

 今日は、北方四島交流センターでの研修会と結団式がありました。参加者全員の紹介と、今回のプログラム内容の説明、北方四島を巡る過去の歴史と状況、北方領土が日本に帰属する国際法的根拠、そして簡単なロシア語講座、さらに友好を深めるゲームの方法などを受講しました。明日の朝出港し、19日まで国後島で各地で視察を行い、島民の方々と交流・意見交換をします。今回は多くの大学生が参加するなど、若返りが一気に進んだ構成になっているようです。国会議員枠は毎回2名。厳しい倍率ですが、今回は鈴木貴子衆議院議員とともに貴重な機会を頂きました。

 さて、ロシア側は北方4島において急速なインフラ整備を進め、韓国企業などの進出もあって、北方4島における日本のプレゼンスは低下。4島返還の機運は萎んでいるように思えます。私もこの局面を打開したいと思っている一人ですが、世界自然遺産である知床を、生態系の共通する国後島、択捉島、さらにロシア側のウルップ島にまで広げ、環境保護をテーマに日本とロシアで普遍的な価値を守ることで、返還の可能性を高めたいと思っています。

 これは、鈴木宗男元外務委員長が提唱している考えですが、私は全面的に賛同します。私は今、超党派の「世界遺産議連」で事務局長を務めており、世界遺産を活かした地域の活性化を議連のテーマとして活動を続けていますが、このテーマについても役割を果たしたいと考えています。世界遺産の範囲を広げることができれば、世界的に貴重な自然を保護することを目的とした新しい日本の技術提供の可能性が生まれるはずです。また、日露両国の市民参加を通した自然保護活動や、この地域の先住民族であるアイヌ民族の文化や歴史について学ぶエコ・ツーリズムなども世界遺産登録が後押しするはずです。

 国後島、択捉島は手つかずの素晴らしい自然が広がる一方、水産品を加工する過程で環境破壊が進んでいるとも言われています。環境分野の技術、経験は日本が優位にあります。世界遺産に登録することでこの問題解決に貢献できれば、信頼醸成にもつながり、四島の方々にとって日本に帰属する意味も新たに生まれ得るのではないでしょうか。

 今回頂いた貴重な機会を活かすため、こんなテーマを持って島側の方々と意見交換をしていきたいと思っています。現地の様子、できる限り多く写真も撮って報告します。


写真上:鈴木貴子衆議院議員と