阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

安全保障上重要な土地を守るために

2013年08月31日 01時40分03秒 | 政治
 8月29~30日は対馬に行き、土地の売買や使用についての実態調査を行ってきました。

 今、日本の土地は大変憂慮すべき状況になっています。

 国境地域、自衛隊の隣接地、水源を含む山林など、安全保障上重要な土地が次々と外国資本に買われている一方、その実態を正確に把握することもできず、規制する法律もありません。一刻も早く手を打たなければ手遅れになってしまいます。

 外国人が所有する土地が有効に活用され、地域の活性化や環境の保全につながっている例もありますし、購入時の名義は日本人でも投機目的で転売されて実態がわからない例もあり、外国資本だから問題と決めつけることはできません。しかし、安全保障上重要な土地に関しては、少なくとも実態を把握でき、我が国に不利益をもたらすような事態を避けるための法整備が早急に必要です。

 このテーマについては専門家を招いての勉強会を続け、日本各地における問題の所在について研究してきました。また、土地の売買や使用について規制する外国の法律を研究しましたが、土地の所有について全く規制がない国は日本だけといっても過言ではありません。従って、自由な経済活動との調和を図りながら、無制限な土地取引を規制することが必要であるとの考えに立ち、私が座長を務め、党としての方向性をまとめることになりました。まずは実態を把握し、「安全保障上重要な土地」を定義した上で、その土地の売買や使用方法について一定のコントロールが可能になるような法案の在り方について議論を重ねてきました。

 この問題は高齢化や過疎が進む地域、とりわけ離島において特に深刻な問題ですが、単に土地規制をするだけなら、経済的に不利な状況は進行するだけであり、地域の活性化策と一体化になっていなくては意味がありません。従って、できる限り多くの現場の声を聞こうと、韓国資本による土地の買収が進む長崎県対馬に行き、様々な立場の方と意見交換をしてきました。

 韓国からの観光客は昨年は15万人、今年は20万人に迫る勢いです。一方、日本人観光客は3万人。釜山まで49.5キロしかなく、福岡や長崎など日本の近隣の都市に比較しても交通費が圧倒的に安いこともその理由です。今や韓国人観光客が町の経済を支えていますが、観光客の数は経済状況に左右されること、韓国資本に買収されたホテルや民宿が増え、経済効果が疑問視されることと同時に安全保障上の問題意識を持っていること、また文化的な違いもあってマナーの問題を多くの方々が指摘していることもあって、地元の再生に寄与する上での確かな希望にはつながっていないことを感じました。


 私たちが目指す方向性については、これから勉強会や議論を重ねた上で、法案が完成した段階で報告します。今回はこの2日間に撮った写真を紹介しながら対馬の現状をレポートします。




写真上:海上自衛隊の基地の隣に作られた韓国資本のリゾートです。明治時代に石を積み上げて作った軍港の跡が右側に見えます。


写真上:軍港があった当時、この集落には2300人の方々が住んでいたそうです。


写真上:韓国資本に買われた海上自衛隊の隣接地


写真上:競売にかけられていた対馬北部の山林。対馬ヤマネコの生息地でもあります。


写真上:日露戦争の日本海海戦で撃沈させた戦艦ナヒーモフ号の乗組員が上陸した茂木浜。この浜に隣接した土地も売りに出されているようです。