阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

残業代なし=少子化対策?

2007年01月06日 22時43分47秒 | 政治
「残業をしないことは働きすぎの日本人が家庭で過ごす時間を取り戻し、少子化対策にもつながる」これが、残業代不払い法案(=ホワイトカラーエグゼプション)についての安倍首相の見解だ。

http://www.asahi.com/politics/update/0105/007.html(朝日新聞1月7日朝刊)

 残業をしないことが少子化対策につながるとの見解の根拠、私には全くわからない。残業代が出るか否かに関わらず、仕事がある以上はやらなくてはならない。どんな職場でも、それが実体であろう。かつ、残業代も出ないとは、そんな金銭的余裕のない状況で、子供を産み、育てることができるのか。結婚したとしても、仕事を掛け持ちすることにもなりかねない。そうすればますます家庭で過ごす時間が減ってしまうではないか!

 経団連はこの残業代不払い法案を推進したい意向だ。国際競争力に対する配慮は必要だが、だからと言って法人税を減税しろ、そして残業代も払わないとは何と身勝手な論理だろうか。長い目で見れば消費は冷え込み、結果的に税収も落ち込んで経済・社会への悪影響は必至だ。また、一部の人しか教育にお金をかけられない状況になれば、教育の格差=世代を超えた格差の固定にもつながってしまう。これは日本の未来を危うくする。

 安倍首相は、格差社会の是正を正規雇用の待遇を非正規雇用に近づけていくことで図っていこうとしているとしか思えない。ワーキングプア(働く貧困層)の労働条件を勤労者の基準にするかのような安倍首相の政策、それが少子化につながるとの見解には呆れるばかりだ。

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