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世界の覚書

道州制、易姓革命、外国人参政権には反対です。伝王仁墓に百済門を作るのは場違いであり、反対です。

長江断流の日

2006年08月28日 | 地政学
日本の江戸時代の人口は約3千万人だ。これが自然環境に依存した持続可能な人口水準だったと考えられる。今は食料自給率40%だとすると、1億2千万×4割で約5千万人だから、農地整備や品種改良を考えると、そんなもんだろう。では中国はどうかというと、今の人口は12億だか13億だが、元来は6千万人が持続可能な人口水準だという(岡田英弘氏など)。人口の均衡が崩れたのは清の時代だ。明の時代の6千万人→1700年頃1億人→1762年2億人→1790年3億人→1834年4億人という具合だ。これが何を意味するか分からないが、同じ時期に日本の人口はおおむね定常状態を維持した。

詳しい分析:中国の人口の歴史(加藤徹さん)

#加藤徹さんは、あの『貝と羊の中国人』の著者だ。
#清の人口の均衡を崩したのは、エネルギー革命だろうか。いまだに中国史の謎らしい。
#ひとつ考えられるのは気候変動の関係だが、16~18世紀はヨーロッパは小氷期だったし、日本だって江戸時代はあまり具合がよくない。
#Wikipediaによれば「トウモロコシ・サツマイモ・落花生」などの導入が原因とある。サツマイモは日本でも導入された救荒作物だが、有効な飢饉対策の印象が強い。
#単純にパックス・シニカで、経済というか交易が発達した恩恵だろうか。

干ばつの中国・重慶でダム決壊の危機 長江水位は激減 (朝日新聞) - goo ニュース
重慶市で、干上がったダムの堤防に亀裂が入り、決壊する恐れが高まっている。長江下流域の水深が大幅に下がるなど、干ばつの影響も拡大している。
 同市水利局のホームページや27日付の香港紙によると、同局の調査では少なくとも大小約300のダムで亀裂が確認された。深さが1メートルを超す亀裂もある。気象予報は来月、同地域で豪雨があるとしており、同局は決壊への警戒を強めている。(中略)この干ばつの影響で、江西省九江で長江の水深が昨年より6メートルも下がるなど、長江下流域の水深も夏季としては過去100年で最低水準まで下がっている。
黄河の定期的断流は知っていたが、長江の断流の日が近づいているとは知らなかった。

中国高成長持続における深刻な資源・環境制約
 黄河は既に渇水期に断流し、泥水の中に生物がほとんど生息せず、もはや川でなくなりつつある。
 世界3番目に長い河、長江の流域は中国GDPの4割を生み出し、オリンピックに向け水確保に走る北京への長江からの水供給ルートも建設中だ。しかし、長江も今までにない大きな危機に直面している。2004年10月、全国政治協商会議と中国発展研究院が連合主催した「長江保護万里行」視察団は、上流の四川省宜賓から出発し、上海までの21都市で汚染を実態調査した。その結果、「長江の生態は極めて危険な状況にあり、解決しないと10年以内に崩壊する恐れがある」との見解を公表した。
 流域森林の比率が急速に下がり、泥砂の含有量が増えて生態環境は急速に悪化している。渇水期も早くなり、長江でも断流が近づいている。水質も極めて悪化し、沿岸の多くの都市の飲料水に影響している。牛や羊の死体や家具を含めた固体廃棄物の汚染はひどく、貯水が始まった三峡ダムではこうした廃棄物が最高4メートルの厚さとなり、発電に大きな悪影響を与えている。
#泥とか廃棄物というのは、ヘドロの事だろうか。川の水量が減り、汚染が悪化すれば、水道供給すら困難になるだろう。

環境問題は、かなりの程度までが人口問題だといわれる。持続可能な社会の基本が適正人口水準だとしたら、過酷な話だ。中国の適正人口水準は、6千万人よりは多いだろうが、多く見積もっても1億人程度だろうか(これは日本の水準からの類推だが)。

#ていうか、黄河は既に「川」ではないのか。

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