編集に容喙しているのは取材された側のような

東京新聞：慰安婦番組でＮＨＫに賠償責任　議員発言重く受け止め改編

東京高裁は２９日、制作会社１社だけに１００万円の支払いを命じた１審判決を変更、ＮＨＫと制作会社２社に計２００万円の支払いを命じた。ＮＨＫは判決を不服として、直ちに上告した。
南敏文裁判長は判決理由で「ＮＨＫの予算などへの影響を考え、放送総局長や国会担当の局長が国会議員らの発言を必要以上に重く受け止め、その意図を忖度（そんたく）して当たり障りのない内容にした」と認定。「改編の経緯からみれば憲法で保障された編集権限を乱用し、自主、独立を内容とする編集権を自ら放棄したものに等しい」と指摘した。その上で「原告が当初説明を受け、認識した内容とは乖離し、取材対象者の番組に対する期待や信頼を侵害した。また取材対象者への説明義務も怠った」と判断した。

嫌な判決だ。Wikipediaにこうある。

一審では、「番組内容は当初の企画と相当乖離しており取材される側の信頼を侵害した」として、DJの責任を認容し、100万円の支払いを命じたが、「放送事業者には、取材素材を自由に編集して番組製作することが保障される」として、NHK・NEP21への請求は退けた

編集に容喙しているのが、取材された側だというのは、なんとも奇妙である。どうして、そういう権利があると考えるのだろう？　普通に考えて、そこに奇妙な空約束があったか、根拠のない期待があったのだろう。想像を絶するが、想像を絶するのが、そういう人達なのだろうと考えるしかない。
#要するに、意見の違う人は取材に来てくれるな、という事。批判的な報道を拒絶するという、そもそも言論の自由を無視した妙な連中なのだ。傍聴者にもそういう制限があった。

#南敏文判事を検索したら、向井亜紀さんと高田延彦さんの代理出産児の出生届を受理するかどうかで、却下した東京家裁決定を取り消し、出生届受理を命じた決定が出てきた。この時の判決は、ネバダ州の判決を（日本の公序良俗に反しないから）是としたもの。「嫡出子」という法規定の侵害に聞こえる。

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#追記：池田信夫blogさんより

NHKには「チャイナスクール」と呼ばれる中国べったりの一派があり、その代表である池田恵理子氏（私とは関係ない）が問題の番組の企画者だった。彼女は VAWW-NET JAPANの発起人で、「戦犯法廷」の運営委員だった（この事情は、形式的には彼女の部下である長井暁氏が番組のプロデューサーになったことで隠蔽されている）。つまり主催者が実質的なプロデューサーなのだから、もともと中立な報道などできるはずがなかったのだ。

こういう事情なので、そもそもおかしいのだ。池田恵理子さんがキーパーソンだったのだ。「獅子身中の虫」という言葉が相応しいだろう。

この問題には、NHK政治圧力問題とはなにかさんが詳しい。

そこで気づいたが、東京新聞の記事には「国会議員らの発言を必要以上に重く受け止め」とある。中川氏に会ったのは事後だし、安倍氏に会ったのは事前だが、一般論を述べただけであり、そもそも番組の修正は国会議員に会う前から始まっていた。なぜか番組の内容が右派に漏れ、そうした騒動（？）でNHKの幹部が番組の内容に気づき、これはやばいと自主的に判断したのが真相ではないか。

（それにしても）この程度でNHKが「編集権」を乱用したなんて、裁判官の司法権の乱用ではないか。

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