Ghostの国「日本」

上海領事館の傷：日本人が嫌われる本当の理由

（上海の日本料理店で日本人社長の会話）
「中国は近いうちに内部崩壊するに違いない。政治が全くなっていない」
「中国人は下品で、全くルールを知らなさ過ぎる」
（中略）
どうして日本人は私達のことを、同じ人間として見てくれないのでしょうか。私達の考えや文化を真っ向から否定するばかりで、理解しようとか受け入れようとかしてくれないんです。ねぇ、真真だけは忘れないでいてね、私たちは同じ人間だっていうこと。

これは中国人の発言の引用のようだ（真真さんは日本人）。「同じ人間」という言葉が引っ掛かる。

この日本人社長は何も周囲の中国人に聞こえるようにしゃべる必要はないと思うが、日本語だから気が緩んだのか。内容はありきたりのカルチャーショックに類するもので、内部崩壊もよくある予測のひとつに過ぎない。

行儀が悪いという話ならこのキャンペーンの方がリアリティがある。
＞吐くな捨てるな叫ぶな！五輪へ「礼儀・中国」作戦

「中国公民旅遊文明素質行動」と題された通知（中略）...礼儀を知らず、秩序や法を守らず、環境保護を守らない非文明的な一部の（中国人）観光客が海外から批判されている（中略）撲滅の対象となっているのは、こんなこと。
▽レストランなど公共の場で大声で騒ぐ
▽たんを吐く
▽どこでもごみを捨てる
▽電車、バスで降りる人を押しのけて乗り込む
▽列に並ばない
▽テーマパークや公園で子供に小便をさせるなどの行動

#さすがに程度問題はあるけれど、日本人もこうした傾向がないではないと思う。

私は、中国人が変われないとは限らないと思うが、それが定着するかどうかは疑問だ。中国人は変わるべきだというのは、日清戦争の後に日本に留学した多くの中国人若者が痛感したところだろう。それが困難であるのは、何も人口が多いだけではない。

中華思想はエスノセントリズムの一種と言われるが、外国人は「鬼子」に分類される。洋鬼子とか日本鬼子というわけである。鬼子とはGhostということだ。禽獣に等しいとか人間以下の存在とかいう以上に、その所属カテゴリ自体が現実世界から排除されている。中国人にとっては、ガイジンはそれ自体がGhostなのだ。この観念が根底にあるうちは、いくら表面を取り繕ってもだめだろう。

いや、外国での行動ではなく、内国での行動の話だったか。中国人とは（インド人も似たようなものらしいが）、そもそも「同国人」というものが成り立たない。どうせ国内でも中国人同士、言葉は通じないのだ。郷土が異なれば、外国人も同然なのだ。それでも共通項があるのは、よく言われるとおり、漢字の使用だ。日本人も漢字を使うから、中国から見れば「日本省」か「倭省」か「大和省」か、まあそんな所だ。中国では民族を尋ねられることがある。日本人は返答に困って「大和族」というそうである。

日本人が西洋文明を取り入れてから話がおかしくなったが、漢字を使う以上、人間のカテゴリには入れてもらえるだろう（少なくとも戦後は）。逆に言うと、日本に来ても、中国人にとっては中華世界の一部に来ているようにしか思えないだろう。どうせ徐福の子孫の国である（笑）。

関連：
短く斬れ
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以下に転載するのは「日本人が嫌われる本当の理由」の筆者（日本人）のブログのコメント欄への書き込みである。日本長期滞在の中国人の本音が読める。

上海領事館の傷：日本人が嫌われる本当の理由（普通の日本滞在13年の中国人）

真真さん、こんばんは。今日本で客員教授で来ています。この記事を偶然に見つけて読みました。真真さんはやはり普通の人間ですね。僕はどんな国でも関係なく、普通の人間が好きです。その場に居た場合、絶対にあの馬鹿な社長を死ぬまで殴りこみます。僕は反日派でもない親日派でもないが、ただ普通の人間です。過去の戦争中、日本軍が中国で犯した行為は中国人にとって屈辱であり、また中国人にしても日本人にしても、中国が日本に勝っていたとも思わないです。だから今日の一部の日本人はいまだに中国人を軽蔑、軽く見ています。日本人はどういう行動を取るのは勝手ですが、あんな日本人が増えれば増えるほど、今度の原子爆弾はアメリカからじゃなくて中国からだと思います。その後、日米ではなく、日中安全保障条約が結ばれるだろうかと思います。それであんな日本人もオトナシクナルだろう。僕はそういうことを望んでいるわけじゃなく、でもあんな日本人の行動を見る限りに、こんな極端な感情が沸いてきます。個人間にしても民族間にしても、和解は加害者側の真意が前提条件です。これがなければ、総決算の時期を後に伸ばすだけです。今の日本の社会は全体的に右へ滑り出しています。これはアメリカの占領政策により、戦後、軍国主義を徹底的に清算しなかったのせいです。このままでは、いずれも日本人にとって苦果を飲む日がやってくるんだろう？(2006年08月27日 00時35分21秒)

普通の人間は（絶対に）「馬鹿な社長を死ぬまで殴り」こんだりしたいとは思わないだろうと思うが、この客員教授はそうでもないようである。中国人にとっては、日本はやはり「Ghostの国」に分類されるのだろう。

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