子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

映画「2016年のベスト10」:トランプ現象の影響や如何に

2017年01月01日 00時02分39秒 | 映画(新作レヴュー)
2016年の10作。いつものように鑑賞順に。

1 ブリッジ・オブ・スパイ:スティーヴン・スピルバーグ
2 母よ,:ナンニ・モレッティ
3 スポットライト 世紀のスクープ:トム・マッカーシー
4 グランドフィナーレ:パオロ・ソレンティーノ
5 ブルックリン:ジョン・クローリー
6 ヤング・アダルト・ニューヨーク:ノア・バームバック
7 ハドソン川の奇跡:クリント・イーストウッド
8 手紙は憶えている:アトム・エゴヤン
9 ティエリー・トグルドーの憂鬱:ステファノ・ブリゼ
10 エブリバディ・ウォンツ・サム:リチャード・リンクレーター

1は何と言ってもマーク・ライランスという役者のこれ以上ない最高のお披露目。高齢の役者(失礼)の華々しいメジャー・デビューという点では,ジェイ・ローチの「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」のブライアン・クランストンも双璧だった。
2は働く女性,すべてに観て欲しい良心作。
3は「ニュースの真相」と対を為す秀作。マーク・ラファーロの近年の充実振りは目覚ましいものがある。
7は日本の若い監督の作品が,上映時間2時間オーバーが当たり前となっている風潮へのアンチテーゼのような作品。やはり映画は編集なのか。
8は「途中でネタバレ」という声も聞いたが,ロードムービーとしてもお見事。
10は私以外の観客が3人。「6歳のボクが,大人になるまで。」の別ルート作品,という宣伝方法はなかったのだろうか,と売り方が残念。

選外では,思い出すのも辛い「サウルの息子」,ラストのケイト・ブランシェットが凄かった「キャロル」,絶好調ドゥニ・ヴィルヌーヴ「ボーダーライン」,アルデン・エーレンライクが楽しみな「ヘイル,シーザー!」,張り詰めた空気に疲れ切った「或る終焉」,題名も凄かった「人間の値打ち」等々が印象に残った。

日本映画では「この世界の片隅に」,「シン・ゴジラ」,「永い言い訳」,「64前編」にあっぱれを。
来年は多様性よりも(WASPの)米国民ファーストを掲げる新しい大統領を迎えるハリウッドの姿勢に注目したい。
何卒,その余波がこの国まで届きませんように。


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