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サッカーアジア杯2011 日本代表VSカタール代表【3:2】途中でロスタイムの表示が増えたのは何故?

2011年01月22日 10時26分35秒 | サッカーあれこれ
怪我でサウジアラビア戦を回避した本田と出場停止明けの川島が戻り,反対に出場停止となった内田に代わって,前の試合で「試用」された伊野波が入るという,ほぼ最初の2試合に近い布陣で臨んだ日本は,サウジアラビア戦で3得点した岡崎の裏を取る鋭い動きを活かせるかどうかが,ポイントのひとつだった。
もう一つの課題は,誰の目にもブンデスリーガでの輝きが戻らない香川が,果たしてこのチームでフィットしきれるだろうかというものだった。
終わってみて,この二つのポイントについて見れば,どちらも予想以上と言って良い結果となった。吉田の集中力を欠いたプレーと,文字通りの「中東の笛」によって,前々回の戴冠時に比肩し得る劣勢となったアウェー状況を乗り切る原動力は,正にこの二人だったと言って良いだろう。

日本相手にべったり引いて守ることは潔しとしないが,かといって組織的な攻撃も組み立てられないという,かつて見たことのない弱々しいサウジアラビアとは違い,W杯開催を決めた国の勢いそのままに,試合開始早々から速く的確なプレスを仕掛けてきたカタールの戦術は見事だった。ボール支配率よりも縦パスを入れさせないという意思が統一されたディフェンスはなかなかしぶとく,縦一発オンリーではありながらも,ツートップの速さとずるさでは日本を凌ぐ攻撃で先制点を奪われた辺りまでは,かつて日韓大会でセネガル旋風を巻き起こしたブルーノ・メツ監督の術中に,まんまとはまる怖れも十分に考えられる展開だった。

それを押し戻した岡崎の鋭い動きは,チーム全体を覆っていたどんよりとした空気を吹き払うに十分な勢いがあった。点が入ったことでチームにリズムが生まれ,その直後に見せたダイレクトのパス交換は,間違いなく相手に「やはり日本は違う」と思わせる働きがあったと思う。

更に先制点を押し込み,結果的には得点者として記録されたことが,香川を縛っていた呪縛をも解き放つこととなったのかもしれない。
この試合も長い時間,周囲との呼吸が合わず,自らが仕掛ける位置にも迷いが見られたが,2点目のシュートと3点目に繋がるドリブル(とその前の美しいトラップ)は,疑いもなくアジアの水準を超えるものだった。

それでもこの試合のMVPは誰かと問われれば,私はためらいなく今野の名前を挙げたい。
吉田がセバスティアンに翻弄され,前掛かりになってからはボランチの連携もなかなか上手くいかない中,危険察知能力をフルに稼働させ,前に出て縦パスをことごとくかっさらっていった姿には,中澤や闘莉王以上の読みと知性を感じた。
セミファイナルでも昨日のようなプレーを再現して,ザックのせわしないガッツポーズを何度も引き出して欲しい。


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