映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

銀嶺の果て  三船敏郎

2009-11-18 21:15:38 | 映画(日本 黒澤明)
三船敏郎のデビュー作である。戦後間もない昭和22年、谷口千吉監督による作品で黒澤明が脚本を書く。黒沢映画常連の三船、志村喬の二人の最初の共演で、雪山に逃げ込んだ銀行強盗の逃亡劇を描く。まだ若い三船敏郎が、このあとの作品での活躍を先取りするような力強い演技を見せる。

東京で銀行強盗した3人組が長野に逃げ込むニュースの話題で持ちきりである。長野の旅館にいる若者二人が、同じ旅館に宿泊する3人組が怪しいとにらむ。3人組の一人志村喬は黒い手袋をいつもしていた。噂では銀行強盗の一人は指がないという。若者は露天の浴場で志村が来るのを待っていた。そして、志村にちょっかいを出したが、自分が怪しまれたのに気づいた志村は仲間の三船敏郎らに声をかけて、宿泊者たちを拳銃で脅して雪山に逃げていった。警察が追うが、銃撃戦の末なだれがおき、3人組の一人が死ぬ。志村と三船の二人はさらに懸命に逃げたところ、山奥に山小屋を見つける。そこには老人と孫娘、そして雪山の登山で来訪している男河野秋武がいたが。。。。。

山小屋はセットだと思うが、あとはロケのウェイトが高い。したがって、時代の古さを感じさせない。雪の中のロケでなだれが起きたり、大胆な登山場面があり、ハラハラさせる場面も多い。撮影はかなりたいへんだったのではないか?

このすぐあと黒澤監督で三船と志村は「酔いどれ天使」を撮る。妙に共通するところがある。デビュー作にして、三船はものすごいパワフルである。逆に志村はのちの叙情的なキャラクターを時おり見せる。いかにもこの二人がらしい演技を見せることでうれしくなってしまう。
あとは「わが青春に悔いなし」で重要な登場人物だった河野秋武もかなりウェイトの高い存在だ。あの映画に引き続き、インテリらしさをかもし出している。

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