映画とライフデザイン

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映画「アウトレイジ・ビヨンド」 ビートたけし

2013-06-10 05:11:13 | 映画(日本 2011年以降主演男性)
映画「アウトレイジ・ビヨンド」は好評だった北野武監督・主演で悪人同士の壮絶な権力争いを描いたバイオレンス映画「アウトレイジ」の続編だ。

熾烈な下克上抗争から5年。先代亡きあと加藤(三浦友和)が会長となり、関東の頂点を極めた暴力団「山王会」は、ついに政治の世界にまで手を伸ばし始めた。だが巨大ヤクザ組織の壊滅を企てる警察組織は、山王会の過剰な勢力拡大に業を煮やし、関西の雄である「花菱会」に目を付ける。
表向きは友好関係を保っている東西の巨大暴力団の対立を目論み、刑事の片岡(小日向文世)は裏で策略を仕掛けていく。そんな中、獄中で死んだと思われていた元山王会配下大友組の組長・大友(ビートたけし)が出所する。

明らかに何かを企み、彼を出迎える片岡。大友はヤクザに戻る気はなかったが、かつて大友の子分だった山王会若頭・石原(加瀬亮)は大友を消そうとする。さらに、警察が仕掛ける巨大な陰謀と抗争の足音が着々と大友に近づいてくるのだった。。。

計算しつくされた映画という印象だ。
前作の延長でまずは三浦友和と加瀬亮に散々吠えさせる。本来悪役と違うテイストの2人が思いっきり部下を罵倒する。別の映画で善人を演じている人間が、よくもまあここまでやると思わせる凄味だ。
この映画では、イヤというほど「バカ野郎!」の連発だ。出演者の中ではもっとも本物のヤクザらしいビートたけしが関西の組で吠えあうシーンはその迫力に驚く。

関西の雄「花菱組」の幹部を演じる神山繁もベテランの味を出す。少し前までは警察や検察の幹部をやらせると抜群のうまさを見せていて、さすがに80歳過ぎてはそれは無理だろう。「仁義なき戦い」の金子信雄を連想させる親分の風貌だが、さすがに広島の組幹部とはちがう大組織トップの貫禄を見せる。

印象に残るのは
マル暴刑事である片岡(小日向文世)の動きが前作よりも激しいということだ。

そもそも警察がヤクザの中で立ち回るなんてことがおかしい。警察の中では、それぞれの暴力団を争わせてかき回す様な話を上司にしている。出世にも欲がある。しかし、実際には裏で金をもらいながら、強いものに近づいていく。嫌な奴だ。

かつて大友の子分だった山王会若頭・石原(加瀬亮)が出世して、他の山王会の幹部たちを罵倒する。その言い方のいやらしいのなんのって。加瀬亮もうまい。

その昔会社にもいた嫌味な奴と一緒だ。いまや会社幹部は社員からのセクハラ、パワハラのタレこみにびくついてあんまりひどい仕打ちはしないようになったが、ヤクザの世界はちがう。それでもその石原も悪さのツケがまわってくる。ビートたけしが「野球やろうか?」で始めるシーンは驚く。

あと印象残るのは「花菱会」の裏のヒットマンたちの活躍だ。

高橋克典が中心になって、裏の仕事を仕掛けていく。セリフはない。ひたすら無言で「仕事」をこなしていく。本来仕事師たちは無言なんだろう。見ていて気持ちがいいくらいだ。


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