映画とライフデザイン

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Netflix映画「夜叉」 ソル・ギョング&パク・ヘス

2022-04-12 20:34:49 | 映画(自分好みベスト100)
Netflix映画「夜叉 容赦ない工作戦」はソルギョング主演の韓国映画


Netflix映画「夜叉 容赦ない工作戦」は、韓国得意のスリリングなクライムアクション映画だ。ソル・ギョング主演で、「イカゲーム」のパクヘスが共演する設定が気になり見てみる。高倉健主演作品に「夜叉」という傑作があり、すぐさま連想するが、まったく関係ない。

財閥の腐敗を捜査しているジフン検事(パクヘス)が、行き過ぎ捜査で左遷されて閑職になってしまう。汚名挽回で中国瀋陽でスパイ活動を行なっている秘密工作員グループの特別監察をする仕事に手をあげる。現地に行くと、夜叉と呼ばれるリーダーのガンイン(ソルギョング)が脱法行為の工作活動をしていて、日本や北朝鮮の工作員も混じった敵味方入り乱れた諜報戦に巻き込まれてしまうという話である。

バカ真面目な検事が札つきのスパイ集団と一緒に行動するなんて発想が独創的だ。

これは抜群におもしろい!
韓国映画であるが、香港と瀋陽を舞台にしている。瀋陽北朝鮮がからんだ諜報戦が繰り広げられていて、スパイが各国から送り込まれている都市だという。満州国時代の奉天だ。高層ビルが立ち並び、夜景がものすごくきれいな大都市なんだけど、繁華街に行くと猥雑なところである。

そんな街に脱法行為の韓国人工作員と若いその仲間を放つ。瀋陽の街がもつ裏表のキャラクターがきっちり描かれているので、登場人物にもリアリティーがでる。とにかく多様な人物のハチャメチャな動きで画面に集中できてしまう。

⒈ソルギョング
映画がはじまり、いきなり道路にはみ出した看板が並ぶ香港の雑踏ソルギョングが大立ち回りをする。そのシーンだけで、ぐいっと身を乗り出してしまう法を逸脱した行動をとるけれども、当局も見て見ぬふりをしてきた必ず成果は出す工作員だ。もちろん腕っ節も強いし、ピンチになっても怯えず度胸がある。しかも不死身だ。強い男というだけで魅力的なヒーローだ。

以前映画「力道山」力道山役をやったことがある。日本語がうまいので、観た後改めて配役の名前を確認した。「ペパーミントキャンディ」のソルギョングと同一人物と気づき驚く。今回も日本語のセリフがいくつかある。ここで日本語のセリフが多いのも以前の「力道山」役の印象が強いからだと思う。日本人が登場する韓国映画では、インチキくさい日本語を耳にすることが多い。その中では別格だ。


⒉パクヘス
サムソンを連想させる巨大財閥の会長を取り調べて告発しようと躍起になっている検事だ。ところが、違法捜査の疑いで、途中で捜査は中断して会長は釈放される。しかも、毎日仕事らしい仕事のない閑職に追いやられるバカ真面目で上昇志向の強い見ようによっては嫌な奴だ。そんな時、スパイの工作員を監察せよという指令が来て、勇んで瀋陽に行く。

取り締まってやろうと意気込んで乗り込んでも、いきなり北朝鮮スパイとの銃撃戦に巻き込まれる。ふと気づくとタトゥだらけの売春婦と寝ていて、側には麻薬が転がっていて、警察が乱入してくる寸前という修羅場だ。まさにはめられた検察官という感じだ。


それでもパクヘスの動きに映画に軽いコメディ的要素を残す。何があっても慌てないソルギョング対照的な存在でおもしろい。

「イカゲーム」での印象が残る。(おもしろかったのに、うまくまとめられずに感想をアップしていない。)ソウル大学出身のエリートだったのが、金融取引で穴をあけて「イカゲーム」に参加する役だった。エリートという意味では変わらない。嫌な奴なのにコミカルな感じが強い分、憎めない存在で映画を面白くする。

⒊韓国の世相
今回の韓国大統領選挙で当選した尹大統領が不正を摘発した検事だったらしい。この映画、本当はもう少し前に作られていたけど、公開が遅れてNetflix映画になったみたい。時流に乗ったかな?ここでは、池内博之が演じる日本人のスパイ兼裏社会の親玉みたいな存在が対抗勢力として出てくる。日本語でのセリフも多い。池内はいわゆるヤクザ言葉のような乱暴な言葉を話さず、丁寧語が多い。これはこれでいいんじゃないかな。最近の本当のワルはこの手のタイプが多いかもしれない。


ただ、検事による財閥グループの告発や日本人を悪者にしてしまうのはいかにも韓国の世論の支持を目論んだ映画のように見えてしまうのも確か。日本が悪者にされて腹立って嫌う人も多いかもしれない。

でも、不思議だなあ!自分はそこまでは感じない。それは、映画としてのキレの良さが嫌な部分を揉み消しているのかもしれない。カネもかかっている映画だとも思う。最近のNetflix映画ではピカイチだし、娯楽作品では飛び抜けて楽しめる

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