映画とライフデザイン

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映画「カモン カモン」ホアキン・フェニックス

2022-04-24 16:54:53 | 映画(洋画:2022年以降主演男性)
映画「カモン カモン」を映画館で観てきました。


カモンカモンはジョーカーホアキンフェニックスの新作である。ジョーカーで世界中をアッと言わせたホアキンフェニックスがやさしいおじさんを演じる。「20センチュリーウーマン」マイクミルズ監督の脚本監督作品である。ここしばらく観に行きたい映画がないのと、会社の社内飲み会再開で会合が連続して続き、飲み過ぎで映画もブログもご無沙汰だった。

ジャーナリストのジョニー(ホアキンフェニックス)は、妹ヴィヴから偏執症で心の病を患っている夫の面倒をみなければならないので、9歳の息子ジェシー(ウッディノーマン)をしばらく預かってくれと頼まれる。取材で全米をまわるジョニーは、ロスで引きとった後にニューヨークからニューオリンズとジェシーを帯同する。旅する2人が行き先々で心のつながりを深める話だ。


ジョニーは行く先々で、取材する子どもたちに、自分の未来について語ってもらうように、インタビューする。いきなり映し出されるデトロイトでは街が沈滞する不安を持ちつつ未来を語る子どもが出てくる。結局、最後のエンディングロールまで現代の子供たちが未来を語る言葉が出てくるという映画だ。

米国メジャーレベルでは普通。圧倒的におすすめという映画ではない。
ジョーカーで世界中を震撼させたホアキンフェニックスが次のワイルド路線に向けて中継ぎのようにやさしくまとめた感じである。ただし、全米の各所で撮られた風景を含めた2人を映す映像コンテは完璧といっても良い。ニューヨークのプラザホテルを借景にして雪のセントラルパークで2人がたたずむきれいなショットやおなじみブルックリン橋などでのショットのセンスの良さはピカイチである。


モノクロ映画であるが、高い撮影技術に支えられると映画ってこんなにレベルが高くなるのかという良い見本である。バックを流れる音楽の選曲も抜群だ。

⒈ホアキンフェニックスとウッディノーマン
満を持して登場したホアキンフェニックスが悪いわけがない。伯父とおいの優しい関係を見せつけるこれまでとちがう役柄である。派手な動きは皆無だがこれはこれでいい。9歳のおいであるウッディノーマンは、よくこんなセリフ話せるなあという難しい会話をこなす。

兄と妹は弱っていた母親の介護で、意見を対立させながら面倒をみていた経緯がある。音楽が専門であるインテリで理屈っぽい妹は夫ともども精神が不安定である。ロスアンゼルスでなく、夫はオークランドに住んでいるので、回復するように付きっきりになる必要がある。妹も兄を頼りにするしかなかった。結局、ジョニーにおいの面倒をみる事情があったのだ。

⒉ませた子ども
先日観たベルファストの主人公の少年とおいのジェシーは同じ年代だ。でも、全然違う。「ベルファスト」はアイルランドの地方都市で、暴動事件こそ起きるが本人は「サンダーバード」のTVキャラクターに魅せられた純情な少年である。同年代時の自分と同じ目線で好感がもてる。

このジェシーは親の影響で、オペラまで聴くませた少年周囲に友人はいないし、大人としか話さないという。正直、脚本がやりすぎでは?と思うくらいのませたセリフだ。人混みで姿を消してジョニーを何度も戸惑わせたり、行きたくもないのにタクシーに乗っている最中に排便したいと言って困らせるのは恋の駆け引きをする面倒な女性を連想する。


映画にいまいち乗り切れなかったのは、年齢のわりにジェシーがませすぎなのと、観念的とまでいかないけど、インタビューに答える子どもたちのセリフが難しすぎて肌に合わないからだと思う。自分が9歳の時、すなわち小学校4年の頃は、こんなむずかしい言葉は話せなかった。叔父という身内に対して、こんな駆け引きもできるわけがなかった。ただ、ウッディノーマンが名子役だというのは確かだ。

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