映画とライフデザイン

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映画「やがて海へと届く」岸井ゆきの&浜辺美波

2022-04-11 18:20:14 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「やがて海へと届く」を映画館で観てきました。


映画「やがて海へと届く」は彩瀬まるの小説の映画化である。彩瀬まるという作家自体初めて知った。岸井ゆきのと浜辺美波の女性2人がくっついている映画ポスターにレズビアン系の匂いを感じる。メジャー俳優は出演していないが、岸井ゆきの「空に住む」やいくつかの作品で観ている。美人じゃないけど、親しみやすい雰囲気でここのところ起用が目立つ女優である。

ホテルのバーに勤める真奈(岸井ゆきの)は、旅に出たきり行方不明になった親友のすみれ(浜辺美波)がいなくなった喪失感が心に残っている。すみれの元カレが訪ねてきて、片見分けをするという言葉に嫌悪感をもって接しながら、大学の入学式で初めてすみれと出会ってからの想い出をたどる話>である。

映画自体は普通だった。期待したほどではなかった。
エピソードの数は少ないし、内容が薄い。明らかにネタ不足なのに140分は長すぎる。不自然な長回しも多く、簡潔さがない。映画の途中で、登場人物の1人が死んでしまう。普通だったら、そこで話が広がっていくけれど、何もない。

題名にもある海のショットは多い。ドローンを使いながら、海岸を俯瞰する。ダイナミックに感じても、観光案内ではないから、風景だけが印象的でも困る。いかにも映画の中身のなさを露わにしないようにしているだけだ。東北の震災の体験談が途中で入る。それも監督の自己満足にしか見えない。ただ、監督のレベルは低くても、主演の2人は好演、映画に内容があればもっと活躍できる余地があった。

⒈岸井ゆきの
もう30にもなるのに、大学入学式の真奈から社会人になった現在の姿までを演じる。相手役の浜辺美波とは年齢差がかなりある。「空に住む」では、いかがわしい妊婦を演じてうまかった。「前田建設」でもファンタジー事業部に所属するトリッキーな女子社員だ。会社でちょっと左右を見回すと、いそうな女の子だ。その普通さがいい。

今回初めて知った原作者の彩瀬まるの顔を写真で見たら、岸井ゆきのによく似ている。彩瀬まるのプロフィールを見ていると、東北旅行の途中で震災に遭遇したようだ。なるほど、そういう経験をしたことがあるから、こういう作品が書けたのね。危機一髪の脱出だったかもしれない。


⒉新入生の勧誘
真奈が回想する大学に入学した時にサークルの勧誘を受けるシーンがある。これってコロナ前に撮ったのかな?強烈なワイガヤの中で、あるサークルに真奈が誘われる。1人で歩いていて、男性陣に強引に勧誘されている。おいおい大丈夫かい。その時にさっと横に来る女の子がいた。すみれだ。記名をして、新入生歓迎コンパに参加するのだ。周囲に男しかいなかった自分のことを思い出す。


美形のすみれは男にちやほやされる。真奈はそうでもない。そんな真奈に突如すみれがキスをする。女が女にキスするのだ。この時の浜辺美波に謎めいた巧さを感じる。印象的な回想シーンで始まり、その先を期待させるが、そんなにすごいシーンはなかった。ネタ不足なんだなあ。レズビアンを想像させる映画ポスターは誇大広告という印象を持つ。

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