映画「007スカイフォール」を劇場で見てきました。
ジェームスボンドがダニエルクレイグになって三作目だ。今年はロンドンオリンピックの開会式でエリザベス女王をエスコートしたのが印象的だった。前作が割と短かったのと対照的に2時間半近くの作品となっている。いきなりのアクションに度肝を抜かれた。ボンド作品では珍しい登場人物の深層心理に迫る比較的違った展開だ。

各国のテロ組織に潜入している工作員を記録したMI6のハードディスクが何者かに奪われる。トルコイスタンブールで同僚のエージェントが負傷して、ジェームスボンド(ダニエル・クレイグ)は犯人を市内で懸命に追いつめる。そしてボンドは列車の上で逃げる犯人と格闘する。そこをMI6の長官M(ジュディ・デンチ)の命令で黒人女性から放たれた銃弾に撃たれ、橋の上から谷底の川へと落ちていく。Mはリストが奪われた責任を追及され上官(レイフ・ファインズ)から辞職を迫られるが、これを拒否。しかしその直後、リストを奪った犯人によりMI6のオフィスが爆破され、さらなる犠牲者を出してしまう。死んだと思われたジェームスボンドは生きていた。ひっそりと海辺の街でアルコール漬けの生活をしていた。テレビでこのニュースを見たボンドは再びMのもとへ舞い戻り、現場へ復帰する。そして犯人の手がかりを求めて上海へと渡るが。。。

いきなりのアクションが凄い。末梢神経を刺激される。
同僚が撃たれているのを見て、犯人を追いかけていく。見ている方がひやひやする人ごみの中のカーアクションのあとにバイクに乗って色づいた瓦葺屋根の上を走り回る。ドーム形の建物がイスラム系寺院に見える。しかも、歴史あるバザールを映し出すのでイスタンブールではないか。そう思っている時もアクションが続く。列車の上を格闘する。格闘している2人がトンネルに差し掛かるを見るとひんやりする。そうしている間にMからの指令が届く。あれよという間にボンドが狙撃され鉄橋の下におちていく。連続性があるこの活劇的アクションにビックリする。でもこれがこの映画のアクションのピークであった。

前回は短くまとめるために、次から次へと舞台が変わり、内容がわかりづらかった。今回のテンポは自分向きだ。サムメンデス監督というと「アメリカンビューティ」「ロードトゥパーディション」いずれも好きな作品だ。特にジュードロウの悪役ぶりが冴える「ロードトゥパーディション」はよく人に薦める。最近は精彩を欠く印象だったが、Mや悪役の心理的な動きに注目させるあたりが他と若干違う。
上海やマカオの映像も見ていて楽しいが、度肝を抜かれるような部分はない。

マカオの海上カジノのイメージがちょっと違う。どちらかというと、コンチネンタルスタイルのカジノほど品よくない。タキシード姿は見たことないなあ。大声を出す中国人が目立つ大衆的な感じである。しかし、ここで見せるアジアンテイストのインテリアがなかなか素敵だ。格子が美しい。上海での狙撃場面にモジリアー二の絵画が出てくるのが御愛嬌だ。ライティング設計がエキゾティックだ。マカオのボンドガールもなかなかエロティックだ。

この映画で冴えるのは悪役バビエル・バルデムだ。

彼はなかなか出てこない。「ジョーズ」でサメが約1時間半近く姿の全容を見せないと同様である。そして廃墟の一角で姿を現す。コーエン兄弟のオスカー作品「ノーカントリー」で演じた非情な殺人鬼のイメージもあるが、どちらかというと「バットマン」のジョーカーのような変態的な要素をもつ。登場する時に派手にあらわれるところが似ている。「恋するバルセロナ」で演じた色男もうまいけれど、西洋版「生きる」というべき「ビューティフル」で演じた末期がんの男を含めワルが似合う俳優である。

今回はMが重要な役割を果たす。データ漏えいも含め、MⅠ6の存在意義が問われるという設定である。ジュディ・デンチがピンチである。ましてやレイフ・ファインズ演じる上官が加わる。辞職まで迫られるし、サイバーテロを起こしたのは昔の部下だ。存在感がある。ボンド対テロリストというよりも、M対テロリストの構図とも考えられる。ジュディデンチもいい年だ。死んだ僕の母と同じ年だ。こんな映画に呼ばれることも少なくなるだろう。いつもながらのブリティッシュイングリッシュがなかなかいい。そう言えばボンドがMのことをBITCHと言っていた。戸田奈津子さんはこれを「クソババア」と訳していたのには笑えた。
この映画で一番驚いたのは長崎の軍艦島がロケに使われていたことだ。

この9月に行ったばかりなのでなおのこと驚いた。でも廃墟の島に上がった時に出てくる映像は軍艦島でないと思う。エンディングロールは普通途中帰ってしまうんだけど、確認するために最後まで見ていた。漢字で「軍艦島」と出てきたので、間違いないことを確認して帰った。

早くもボンド誕生50周年だという。初期の「007はニ度死ぬ」「サンダーボール作戦」とかで父親と一緒に映画館に行ったのがつい昨日のことのように感じられる。月日の流れるのは早い。ボンドカーのアストンマーチンが出てくると無性にしびれる。
ジェームスボンドがダニエルクレイグになって三作目だ。今年はロンドンオリンピックの開会式でエリザベス女王をエスコートしたのが印象的だった。前作が割と短かったのと対照的に2時間半近くの作品となっている。いきなりのアクションに度肝を抜かれた。ボンド作品では珍しい登場人物の深層心理に迫る比較的違った展開だ。

各国のテロ組織に潜入している工作員を記録したMI6のハードディスクが何者かに奪われる。トルコイスタンブールで同僚のエージェントが負傷して、ジェームスボンド(ダニエル・クレイグ)は犯人を市内で懸命に追いつめる。そしてボンドは列車の上で逃げる犯人と格闘する。そこをMI6の長官M(ジュディ・デンチ)の命令で黒人女性から放たれた銃弾に撃たれ、橋の上から谷底の川へと落ちていく。Mはリストが奪われた責任を追及され上官(レイフ・ファインズ)から辞職を迫られるが、これを拒否。しかしその直後、リストを奪った犯人によりMI6のオフィスが爆破され、さらなる犠牲者を出してしまう。死んだと思われたジェームスボンドは生きていた。ひっそりと海辺の街でアルコール漬けの生活をしていた。テレビでこのニュースを見たボンドは再びMのもとへ舞い戻り、現場へ復帰する。そして犯人の手がかりを求めて上海へと渡るが。。。

いきなりのアクションが凄い。末梢神経を刺激される。
同僚が撃たれているのを見て、犯人を追いかけていく。見ている方がひやひやする人ごみの中のカーアクションのあとにバイクに乗って色づいた瓦葺屋根の上を走り回る。ドーム形の建物がイスラム系寺院に見える。しかも、歴史あるバザールを映し出すのでイスタンブールではないか。そう思っている時もアクションが続く。列車の上を格闘する。格闘している2人がトンネルに差し掛かるを見るとひんやりする。そうしている間にMからの指令が届く。あれよという間にボンドが狙撃され鉄橋の下におちていく。連続性があるこの活劇的アクションにビックリする。でもこれがこの映画のアクションのピークであった。

前回は短くまとめるために、次から次へと舞台が変わり、内容がわかりづらかった。今回のテンポは自分向きだ。サムメンデス監督というと「アメリカンビューティ」「ロードトゥパーディション」いずれも好きな作品だ。特にジュードロウの悪役ぶりが冴える「ロードトゥパーディション」はよく人に薦める。最近は精彩を欠く印象だったが、Mや悪役の心理的な動きに注目させるあたりが他と若干違う。
上海やマカオの映像も見ていて楽しいが、度肝を抜かれるような部分はない。

マカオの海上カジノのイメージがちょっと違う。どちらかというと、コンチネンタルスタイルのカジノほど品よくない。タキシード姿は見たことないなあ。大声を出す中国人が目立つ大衆的な感じである。しかし、ここで見せるアジアンテイストのインテリアがなかなか素敵だ。格子が美しい。上海での狙撃場面にモジリアー二の絵画が出てくるのが御愛嬌だ。ライティング設計がエキゾティックだ。マカオのボンドガールもなかなかエロティックだ。

この映画で冴えるのは悪役バビエル・バルデムだ。

彼はなかなか出てこない。「ジョーズ」でサメが約1時間半近く姿の全容を見せないと同様である。そして廃墟の一角で姿を現す。コーエン兄弟のオスカー作品「ノーカントリー」で演じた非情な殺人鬼のイメージもあるが、どちらかというと「バットマン」のジョーカーのような変態的な要素をもつ。登場する時に派手にあらわれるところが似ている。「恋するバルセロナ」で演じた色男もうまいけれど、西洋版「生きる」というべき「ビューティフル」で演じた末期がんの男を含めワルが似合う俳優である。

今回はMが重要な役割を果たす。データ漏えいも含め、MⅠ6の存在意義が問われるという設定である。ジュディ・デンチがピンチである。ましてやレイフ・ファインズ演じる上官が加わる。辞職まで迫られるし、サイバーテロを起こしたのは昔の部下だ。存在感がある。ボンド対テロリストというよりも、M対テロリストの構図とも考えられる。ジュディデンチもいい年だ。死んだ僕の母と同じ年だ。こんな映画に呼ばれることも少なくなるだろう。いつもながらのブリティッシュイングリッシュがなかなかいい。そう言えばボンドがMのことをBITCHと言っていた。戸田奈津子さんはこれを「クソババア」と訳していたのには笑えた。
この映画で一番驚いたのは長崎の軍艦島がロケに使われていたことだ。

この9月に行ったばかりなのでなおのこと驚いた。でも廃墟の島に上がった時に出てくる映像は軍艦島でないと思う。エンディングロールは普通途中帰ってしまうんだけど、確認するために最後まで見ていた。漢字で「軍艦島」と出てきたので、間違いないことを確認して帰った。

早くもボンド誕生50周年だという。初期の「007はニ度死ぬ」「サンダーボール作戦」とかで父親と一緒に映画館に行ったのがつい昨日のことのように感じられる。月日の流れるのは早い。ボンドカーのアストンマーチンが出てくると無性にしびれる。