映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

白鯨  グレゴリーペック

2009-02-15 15:23:37 | 映画(洋画 69年以前)
ジョンヒューストン監督といえば男気あふれ喧嘩早かった人と言われている。
クリントイーストウッドが彼が「アフリカの女王」を撮るときのエピソードを映画にしている。それを見るとヒューストンの性格がよくわかる。
そんな彼が男気あふれる文芸大作「白鯨」をとるんだからすごいのはわかる。
しかし、時代は1950年代、「モビーディック」といわれる巨大鯨をどうやって特撮するのかずっと気になってはいたが、初めて見た。

ストーリーは鯨船に乗り込もうとする場面からスタート
何人かのエピソードがあり、そのあと主演のグレゴリーペック船長が出てくるまでは少し時間がかかる。勿体つけるのは「ジョーズ」と同じである。
グレゴリー船長は白鯨との戦いで足を義足としている。自分はこの船では神だとすべてを自分の指示に動かそうとする。100匹もの鯨がいるにもかかわらず、あるところに白鯨がいると聞くと鯨漁を辞めさせ、船の方向を変えさせる。
そして白鯨に再度立ち向かうのだが。。。

割りに暗めの映画の展開、宗教的な色彩が強いせいか、登場人物が比較的労務者が多いにもかかわらず観念的なセリフも多い。
それでも白鯨がでてからの展開は「ジョーズ」をおもわせるところがある。というよりも逆にこの映画を受けて「ジョーズ」ができたのがよくわかる。
特撮もあるが、凝り性のヒューストン監督だから、かなり鯨漁の実態に近いロケでとったのであろう。そんなリアリティは十分感じる。

ペックは男っぽい役はちょっと違うかな?インテリの役のほうが似合う。
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女の中にいる他人  小林桂樹

2009-02-15 06:55:09 | 映画(日本 昭和35年~49年)
成瀬巳喜男の作品
ミステリータッチで描く。昭和40年の東京横浜が舞台である。

出版社の管理職小林桂樹と設計事務所を経営する三橋達也は親友同士。二人で酒を飲んでいるとき、三橋が妻の親友に呼び出される。行くと妻若林映子が殺されていた。犯人探しに警察も動くがつかまらない。そんな時三橋は妻の親友草笛光子の訪問を受け、葬儀の際会った三橋の親友小林が以前若林と一緒にいるのを見たことがあるといわれる。三橋は軽い疑念を抱くが、まさかとそれ以上には捉えない。
小林はノイローゼ気味になっていた。そして妻の新珠三千代に実は若林映子と付き合っていたと告白する。新珠はショックを受けるが、もう死んでいるからと気を取り直す。それでも気になる小林は仕事が手がつかず旅に出る。途中から新珠を呼び出し楽しいひと時を過ごすが。。。。。。

小林桂樹が殺人犯人だというのはすぐわかる。しかし、この映画の肝はその犯人探しではなく、小林とその妻新珠三千代の心の中の葛藤がテーマである。
画像的には驚いたときのアップの表情がポイント。前作「乱れる」での高峰秀子のアップもポイントであるが、ヒッチコックの「サイコ」ばりに撮影の手法で脅威の表情を強調する。新珠三千代も美しく、そのアップに十分耐えられる。「細腕繁盛記」をテレビでやり始める前である。

あとは殺される若林映子が思いっきり小悪魔的表情を見せる。「007は二度死ぬ」でボンドガールを演じる。あの時も殺されてしまうが、美しさの絶頂の時期なのであろう。ゾクゾクするような色っぽさである。それも見ものであった。
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