ゴールデン・リタイアーズ

S20年生、後期高齢ゾーン、人生最終コーナー「遊行期」の
徒然残日写真録

121010 NHKドラマ「負けて、勝つ」終了。吉田茂の敗戦後の日本のりーダーとしての評価やいかに?

2012年10月10日 | アフターセブンティ

先週の土曜日、NHKドラマ「負けて、勝つ」最終回をみた。NHKはこのドラマで、東日本大震災、原発事故、中韓関係悪化、デフレ20年、沖縄基地問題などまさに難局をかかえる日本人やリーダーたちに、67年前焼け野原と化した敗戦国日本に、堂々と占領国最高司令官マッカーサーと対峙し今の日本の基盤を築いた宰相がいたことを描くことによって勇気づけることを狙いとしたとある。はたしてどうだったか

確かに命をかけて、天皇の戦犯化を防ぎ、アメリカがつくったとはいえ日本国憲法をつくり、戦争放棄、非軍事路線をひき、ソビエトの侵攻を防ぎ共産化せず、日本を独立させ、経済大国への路線をきずいたことは、マッカーサーという司令官の存在や朝鮮戦争(米ソ冷戦)という行幸があったとはいえよくやってくれたと言わざるをえないのか。これはジェット機の爆音やオスプレイの墜落事故を心配しないでよい内地にいて、高度経済成長路線にのってひたすら頑張り、池田首相時代の所得倍増論にのっかかり、マイホーム、マイカー、オール家電の生活にどっぷり浸っている人間はそう思うだろうね。スクリーン、スポーツ、セックスの3Sで日本人を骨抜きにし、マスコミをあやつり、財界をひたすら商売だけに専念させたアメリカの深慮遠謀がバックにあったということだね。

日本が独立を宣言したサンフランシスコ講和条約は中ソはサインせず、講和を結ぶ前提としての日米安全保障条約は吉田茂が単独でサインをした。この安保によってアメリカは日本領土を自由につかえるようにした。ドラマでは吉田茂はこれでよかったのかと苦悩する。日本を防衛すると書いていない安保条約を結ぶことを条件に独立を果たしたことをのちのち非難されるのは自分一人でよいという心中を描いていた。吉田茂の評価は難しい。あえてやる必要もないのだろう。沖縄問題は安保条約を改訂しない限りどうしようもないが継続して基地撤廃を訴え続けねばならないだろうし、TPPや原発問題も経済界(バックにアメリカCIAがいるのか?)の言いなりになるだけでは政治家としての責任は果たしたことにはならないだろう。野田総理が後世でどう評価されるか、それどころか自民党政権にもどるのか、政界は混とんとしている。

このドラマで日本人や政治家、リーダーを勇気づけたか、それはクエスチョンであり勇気づけるには至っていないだろう。NHK自体もチェックされるべき1大マスコミであるからだ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

121007 九州最古のお寺、椿花山武蔵寺の10月初秋。2か月ぶりに写経会にでる。

2012年10月07日 | 趣味と交遊

 武蔵寺は649年に藤原虎麻呂が建立、伝教大師最澄上人が開いたとされる九州最古の仏跡で福岡県の指定史跡となっている。椿花山といわれるのはこの寺のご本尊である薬師瑠璃光如来が椿の大樹で作られているからとされている。この寺で縁があって写経をはじめて丸二年がすぎた。完全リタイアして3年目にはいっているがこの間の生き方、人間関係には般若心経のとらわれない空の教えが少なからず効いているのではないかと思う。

 266文字の般若心経の教えは「空」ということ。ふたつの基本的な考え方があり、一つはものごとは未来永劫不変であることはなく常に移ろいでゆく、変化すということ。いかに暗い夜とて、必ずあける。二つは人間は一人では生きてゆけない、物とて多種多様な部品の集合体、お陰様の気持ち、感謝の気持ちがベースにないと必ず崩れる。この二つが理解できると般若心経は理解できたといえる。じたばたせずあるがままに生きるのが大事なのだが若いうちは大概、「とん、じん、ち」の三毒(諸悪の根源)におかされている。ヤフー知恵袋で調べてみるとこんな回答がでていた。ご参考までに・・・

貪・瞋・癡(とん・じん・ち)の三毒を無くす方法(ヤフー知恵袋)

 とん、じん、ち は愚かの連鎖反応とでもいいましょうか。 三毒と言われていますが、もとは「とん」の場合がおおいのですね。
「とん」すなわち貪りです。 お金がほしい、地位がほしい、ひとに好かれたい、成功したいと自分のうつわ以上のことをしてもなかなか手に入るものではありません。 すると自暴自棄になって怒りがわいてくる。 これが「じん」いかりです。 怒って正常な判断ができなくなって愚かなことをしてしまう。 これが「ち」すなわち愚かです。

ですから、このおろかな連鎖反応を阻止するためには、自分の利益ばかり考えず、他の人のことを考えてあげることがまず出発点になります。 人に優しくして文句を言う人はめったにいないでしょう。 あなたは人から好かれたくさんの良い友達に囲まれるでしょう。 それでも心無い人に心をかき乱されるときもあるかもしれません。 そんなときは極力冷静になることです。 これが祈りなのですね。 頭に血が上っている人と同レベルで対処してもいい結果は得られません。 負けるが勝ちで早くその場から立ち去ったほうがいいですね。 どんなにあなたが正しくても争いになれば後悔するのは目に見えています。 愚かな結末は避けるのが知恵というものです。

つまり、常に喜んで人の役に立つようにし、驕らず質素でも笑顔の耐えない環境に暮らし、感情に流されず、人が良い方向に行くように常に祈り、愚かな結果を招くような言動を慎めばよいのです。 簡単なことです。 心のやさしいよい人とのみ付き合い、悪友とは付き合わなければいいのです・・・・・・

写経道場の入口に刺繍でえがかれた見事な般若心経の掛け軸がかかっていた。寺所蔵の宝物ですと井上住職がおっしゃていた。このお寺は天台宗で総本山は比叡山延暦寺だが写経会に参加した当初、私の家は浄土真宗なのだが宗派の違いはいいのかなと思っていたが各派はいずれも天台宗から枝分かれしたものだから別にかまわないということであった

本堂の横に仏教の体系がかいてあったがそういうことかと納得。

その横に写経力というポスターが貼ってあった。わたしが写経の末尾の為書で書くのはいつも「心身一如」である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

121006 金木犀の香る秋、年長組の孫の運動会、子供は宝を実感!

2012年10月06日 | マイ家族

暑い暑いと言っていたのがもう秋、我が家の金木犀の香りが一段と強くにおう。ベランダにいる亀吉(ペットの亀、7~8歳)もじっと水の中、ぼちぼち冬眠準備か。四季の移ろいはあっという間に訪れる。子供の成長もしかりだ。孫娘が幼稚園年長組、はや来年は小学校、長男は10月10日で満2歳、片言を話す。急速に脳が発達している実感がするね。

 幼稚園の運動会にでかける。1年で子供たちの顔つきがよりたくましくしっかりしてきたのが実感できる。2歳児も10数名でていたりしてなかなかしっかり演技をしていた。先生方の教え方も大したものだ。環境が子供を育てるのだろうね。この子たちが立派に育ってくれれば日本の未来の力になるなと感じる。65歳以上が3000万人を超えた今、子供たちへの期待は大だが少子化の流れは止まりそうにないのは大問題だね。サラリーマンの給与所得がこの10年全く伸びていないのは大問題だ。日本の政治家もくだらなぬ政局闘争などしておらず、デフレ対策、円高対策、経済の成長戦略を徹底してもらいたいものだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

121004 孫崎享の「戦後史の正体」を読み愕然とする。日本の政治家はすべてこの本を読むべし

2012年10月04日 | 辛口ひとりごと

 戦後10年で現在日本の抱える諸問題の根っこができあがっていた(眼からウロコの事実!)北方領土、尖閣諸島、竹島、原発、沖縄基地など政府が頭を痛めている問題の根源は常に周辺諸国と火種を残して一体化しないようにとアメリカが策謀したものでそれを結果的に了承あるいは密約したのが吉田茂と外務省であった。

 米ソの冷戦と朝鮮戦争がなかったらこんな経済大国にはなれなかっただろう。1945年9月2日、日本の無条件降伏以後、米国の占領初期には日本を再びアメリカの脅威とならないよう軍事力、経済力を破壊し生活水準は侵略国以下にとどめておき早期に占領を終わらせるのが基本方針だった。それが48年ごろから米ソ冷戦の兆しが表面化し占領方針が転換、日本を米ソ戦争の防波堤にすべく日本の基地と工業力を利用するということに傾いてゆく。この転換を予測した数少ない人間の一人が当時A級戦犯容疑で巣鴨の拘置所に拘留され、のちに妖怪と言われた元首相の岸信介(阿部総裁の祖父)であり、予測が的中、釈放され政界に復帰。

  NHKドラマは第四回、日米両トップの家庭問題をからめながらリーダーの苦悩を表現。講和条約をどう結ぶか、アメリカ本国の意向をさぐるため池田、宮沢(二人とも元首相)をワシントンに派遣。米軍を日本に常駐させてもよいという吉田首相の意向を伝えさせる。朝鮮戦争が勃発、ソウル陥落の危機でマッカーサーが戦場へ。ソウル奪還に成功する。マッカーサーより国家警察予備軍75000人の創設指令がでる。現在の自衛隊の前身。憲法第9条、戦争放棄したのではないのかとの国民の反発。産業界は朝鮮特需、好景気に沸く。息子の反発で吉田茂苦悩、息子を罵倒。中国義勇軍が北朝鮮支援したとの電話が白洲次郎から入り吉田茂倒れる。理屈抜きの国外の動きの中で日本政府は翻弄される。さあ最終回はどうなるのか、興味津々だ。

 あとがきで著者はこう述べている。

1、米国の対日政策はあくまで米国利益のため。TPPはもちろんそういうこと 

2、対日政策は米国の環境変化で大きく変わる。米ソ冷戦であり、20年前のソビエト崩壊、さらには11年前の同時多発テロ。仮想敵国ソビエトがなくなったあと、日本の経済力が最大の敵とみなされ、CIAを使って一部経済首脳をとりこみ。マスコミをリードし、反米自主路線の政治家を放逐。対米追随派にすげかえるシステムとして検察特捜部と報道をとりこんだ

3、米国は自国利益のためにさらにさまざまな要求をしてくる。今あらためて日本は譲れない国益について主張しつづけないとアメリカに無茶苦茶にされてしまう。小泉内閣は一見国民に支持された首相に見えるが郵政民営化してしまい、国民のえいえいと築いた預貯金をうかうかするとアメリカ経済救済のために使われてしまう。すでにアメリカ国債3000億円を購入してしまっているとか。自衛隊をついにイラク戦争のために海外派遣してしまった。

 素っ頓狂な首相と思っていた鳩山元総理は日米地位協定の改定を求め在日米軍の見直しとアメリカ抜きの東アジア共同体構想を打ち出し踏んではいけないアメリカのトラの尾を踏んでしまった。普天間は最低でも県外移設と表明、外務省も官邸も誰も支援せず、マスコミがたたいて首相を退陣におしやり、米国追随派の管、野田に挿げ替えられた。アメリカは自由に日本の領土を軍事のためにつかっていいよという協定はまだ生き続けているのである。カナダのように国をあげて総力でアメリカにいうべきことを言い続けないとえらいことになるというのが著者の警告である。

我々庶民はそんなことに気ずかず、自らの幸せを求めて戦後67年ひたすら働いてきた。現在もそうである。失われた20年、デフレから脱却できず給料の減少に甘んじている。アメリカの見えざる手で支配されている日本人、ノー天気であってはならない。このブログの読者のみなさん、ぜひこの本を読んでください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする