私の書斎の本棚には「蝉時雨」「三屋清左衛門残日録」などの藤沢周平、「剣客商売」「鬼平犯科帳」などの池波正太郎、「居眠り磐音江戸双紙」など佐伯泰英の時代小説の文庫本、同じく内田康夫の浅見光彦シリーズのミステリー小説の文庫本などがずらっと並んでいる。ブックオフにもっていけばそれなりの値で買ってくれるシリーズ文庫本。私が62歳で定年退職して大阪本社から福岡に帰り、その後、博多から新大阪まで嘱託として週三日新幹線通勤していたころに新大阪の書店で買い求めた本。さすがに一流作家の本は読者をひきこむ筆力があり、夢中にさせる。65歳で完全リタイアしてからも佐伯泰英の本は継続して読んでいる。
現役時代はビジネス書や仕事関係が多かったが若い頃は徳川家康や太閤記、三国志、坂の上の雲なども呼んだ。最近、中国版の三国志などをテレビで見るにつけて人脈など確認しようと、数年前アイフォン6sに変えた時にスマホアドバイザーから教えてもらった無料読書アプリ「青空文庫」をあけてみるとなんと吉川英治の三国志が入っている。作家別で検索するとあ行だけで200人ほどの作家の著作権がきれた著作が入っている。細切れの時間で読みつないでも文章がうまいのでいつのまにやら読破してしまう。
先日、NHKあさイチで原田マハなる女流作家がゲスト出演していて存在を初めて知った。約1時間、引き付けられてしまった。
原田マハさんは1962年東京生まれの60歳、父親が百科事典や美術書の営業マン、家にはそれらがあふれ幼少時から美術に興味をもったとか。父親が破天荒で映画好き、父親につれられ美術館や映画館によく通ったらしい。岡山在住時大原美術館につれていかれアンリルソーの「夢」に感動、のちの「楽園のカンバス」と言うミステリーにつながったとか。
映画ではフーテンの寅さんの1作目に感動、のちの「シネマの神様」という山田洋二監督作品の原作になったとか。ことほどさように父親が娘に与えた影響は甚大であったようだ。私は仕事にかまけていたがどれほど子供たちに影響力があったか反省させられた。
彼女は関西学院大学文学部、OL?をへて30歳で早稲田大学第二文学部で美術史再勉強、美術館建設、アートコンサルタント、美術評論、鑑定など活躍、1年ホッキで40歳で作家デビュー。この行動力には恐れ入る。2005年「カフーを待ちわびて」で日本ラブストーリー大賞、12年には「楽園のカンバス」で第二十五回山本周五郎賞、55歳の時、17年に「リーチ先生」で新田次郎文学賞受賞など受賞、女流作家として確固たる地位を確保したようだ。長野、パリ、東京を拠点に活躍中。まこともってえらい女性だね。30歳で大学再入学や40歳で作家デビューや思い立ったら実行のチャレンジャー人生。とても私にはできない芸当。
と言うことで筑紫野図書館でチェック、2冊しかなったので借りてきた。
「おいしい水」・・・19歳の女子大生のラブストーリー。神戸が舞台だったので借りてみた。関学はどこにあったっけ。西宮。なつかしのあずき色の特急電車がでてくる。元町のしゃれた輸入雑貨の店でアルバイト。ロベルトドアノー。1冊1万円する写真集。近くの喫茶店ビビアンにミステリアスな男べべがいる。この男とのラブストーリー。実はホモのやくざの男に囲われ、ホモの写真を撮っている。おいしい水とは涙のこと。状況でおいしくもしょっぱくもなる。80ページぐらいの写真付き小冊子。それでも1500えん。ひきこまれるストーリー展開ではありますね。ドアノーってどんな写真家か知らないが著者の美術史専門であることがうかがわれる。
もう1冊は「ギフト」2009 イーストプレス社。400字詰め3~4まいの短編随筆が20編、40ページほどの「流れ星」という短編小説。はぎれのよい文章展開で著者の才がうかがえる。普通なら手に取ることのない小説。連鎖反応的読書法というかこんな読書の楽しみ方があることを知った次第。
図書館に返却に行ったら、新田次郎文学賞をとった「リーチ先生」があった。この本もなかなか面白い。現在熱読中!!
一緒に借りてきたクラッシックのCDを聴きながら読んでいる。皆さんもいかがでしょうか・・・