過去最多

　成田空港の今年の覚せい剤押収件数が、１０月末までに９８件に上り、過去最多だった昨年１年間の９２件を上回ったことが１８日、成田税関支署のまとめで分かった。

　押収量は約１６９キロで、年間で過去最多だった昨年の約２３２キロには及ばないが、税関などは「密輸の手口が悪質、巧妙化している」として警戒を強めている。

　同支署によると、昨年の運び屋は全て単独だったが、今年はカップル５組、１０人を摘発。妊婦に運ばせたケースも３件あり、検査を逃れやすくする狙いがあったとみられる。飲み込みの手口は２７件と、昨年の１４件からほぼ倍増した。

　地域別では、アフリカとアジアからの密輸がそれぞれ２７件と最多で、欧州は昨年の５件から２４件に急増。アフリカで製造された覚せい剤が、いったん欧州に渡るケースが多いためとみられる。

　同支署は「日本では覚せい剤が高く売れる事情が背景にある。手口を分析して摘発を強化したい」としている。