ベストセラー『ユダヤ人大富豪の教え』の中で、ユダヤ人の大富豪が日本の青年に世の中の職業の中で「自由人」と「不自由人」の区別を教える箇所があります。
その区別は大まかに言えば、従業員(たとえ大企業でも)や自由業(個人経営)は不自由であり、(働かなくても)自動的にお金を生み出すシステムをもっている人が「自由」だと大富豪ゲラーさんは教えます。
この「不自由」な職業には医者や弁護士という一般的にはエリートと思われている職業も入ります。しかしゲラーさんからみれば、これらの職業も、自分がつねに働いていなくてはお金が入ってこないため、一種の「不自由」な職業だと言います。
彼らの年収はたしかに多いのですが、“すべて自分で稼ぐ”というスタイルでお金を稼いでいるので、つねに働く必要があるそうです。
また“すべて自分でやる”という完璧主義のメンタリティをもっているために、その攻撃性の捌け口として、稼いだお金をプランもなく贅沢品につぎ込んでしまう傾向があるとゲラーさんは言います。
青年はゲラーさんに次のように言います。
「なんか、悲しいですね。医者や弁護士になっても幸せになれないんですか?」
「もちろん、そんなことはない。医者や弁護士にも幸せで素晴らしい人たちはたくさんいる。わたしの友人を見ても、それが天職のように喜んでやっているのがいる。でも、彼らの多くは質素な生活をしている。自分のやっていることを深く愛しているので、自分を飾り立てたり、贅沢品で身の回りを固めたりすることに興味がない」(48頁)。
昨夜のNHKNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』は、「人生も仕事もやり直せる 弁護士・宇都宮健児」でした。闇金融で借金地獄に陥った人を助ける弁護士さんについてのレポートです。
簡単に言えば、闇金融の利息は違法に高いため、法律に訴えれば闇金から借りたお金は返さなくてもよくなるそうです。宇都宮さんはそのことを多くの人に伝えて、被害者を助ける仕事をしています。
(内容はサイトに詳しく書かれています。)
番組では直接に宇都宮さんに年収を聞いていました。彼の年収は1千万。弁護士としては決して高い額ではないとのことです。
印象的だったのは、宇都宮さんが本当に現在の仕事に満足していることが伝わってきたことでした。
もちろん彼にとってもお金は大事でしょうが、不必要に高い年収は必要なく、それよりも仕事・行動自体が彼を充足させているのです。ヘンに謙虚ではなく、本当に淡々と・しかし充足して自分の仕事に取り組んでいます。その顔からはオーラが漂ってきます。
本田健さんは、その人が「天職」(ライフワーク)をしているかどうか見分ける基準は、そこに「静かな情熱」があるかどうかだと言います。
「なにかをやっているとき、ワァーッと興奮していると、一見ライフワークのようにも見えます。しかしそれはワクワク中毒でやっている可能性もあります。人生で直面すべきことから目をそむけ、気をそらすために次々と新規のビジネスを追いかけている人がそうです。
ライフワークを生きている人は、どちらかというと、一見静かで内なる情熱の炎が燃えています。その情熱は消えることなく、ずっと持続しているものです。一時的にワァーッと燃えるような情熱は、しばらくすると消えてしまうものです」(『「ライフワーク」で豊かに生きる 』
この「静かな情熱」が宇都宮さんからは身体から滲み出いてました。
彼は被害者から少額の弁護料をとり、数を多くこなすことでお金を得ています。「効率」という観点から言えばラクではない仕事の仕方ですが、一人一人の被害者を助けていくこと自体が彼の内面を満たして行っている感じでした。
チクセントミハイのいう「フロー」な状態とは、まさにこういう状態なのではないだろうかと思えました。
面白いのは、彼は大学在学中に司法試験に合格したエリートでありながら、営業が下手なため弁護士活動に行き詰まり、31歳のときに事務所を解雇され、一時は税理士専門学校で講師をして食いつなぐという挫折を味わっていたこと。またそのことがきっかけで、誰も手を出さない、つまり儲からない闇金融の被害者の弁護を引き受けるようになったということ。
人生で最悪のときに人生で最高のものに出会っていたという印象的なエピソードでした。
今日の夜1時10分に再放送がありますので、興味のある方にはぜひ見て欲しい宇都宮さんの姿でした。
涼風
その区別は大まかに言えば、従業員(たとえ大企業でも)や自由業(個人経営)は不自由であり、(働かなくても)自動的にお金を生み出すシステムをもっている人が「自由」だと大富豪ゲラーさんは教えます。
この「不自由」な職業には医者や弁護士という一般的にはエリートと思われている職業も入ります。しかしゲラーさんからみれば、これらの職業も、自分がつねに働いていなくてはお金が入ってこないため、一種の「不自由」な職業だと言います。
彼らの年収はたしかに多いのですが、“すべて自分で稼ぐ”というスタイルでお金を稼いでいるので、つねに働く必要があるそうです。
また“すべて自分でやる”という完璧主義のメンタリティをもっているために、その攻撃性の捌け口として、稼いだお金をプランもなく贅沢品につぎ込んでしまう傾向があるとゲラーさんは言います。
青年はゲラーさんに次のように言います。
「なんか、悲しいですね。医者や弁護士になっても幸せになれないんですか?」
「もちろん、そんなことはない。医者や弁護士にも幸せで素晴らしい人たちはたくさんいる。わたしの友人を見ても、それが天職のように喜んでやっているのがいる。でも、彼らの多くは質素な生活をしている。自分のやっていることを深く愛しているので、自分を飾り立てたり、贅沢品で身の回りを固めたりすることに興味がない」(48頁)。
昨夜のNHKNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』は、「人生も仕事もやり直せる 弁護士・宇都宮健児」でした。闇金融で借金地獄に陥った人を助ける弁護士さんについてのレポートです。
簡単に言えば、闇金融の利息は違法に高いため、法律に訴えれば闇金から借りたお金は返さなくてもよくなるそうです。宇都宮さんはそのことを多くの人に伝えて、被害者を助ける仕事をしています。
(内容はサイトに詳しく書かれています。)
番組では直接に宇都宮さんに年収を聞いていました。彼の年収は1千万。弁護士としては決して高い額ではないとのことです。
印象的だったのは、宇都宮さんが本当に現在の仕事に満足していることが伝わってきたことでした。
もちろん彼にとってもお金は大事でしょうが、不必要に高い年収は必要なく、それよりも仕事・行動自体が彼を充足させているのです。ヘンに謙虚ではなく、本当に淡々と・しかし充足して自分の仕事に取り組んでいます。その顔からはオーラが漂ってきます。
本田健さんは、その人が「天職」(ライフワーク)をしているかどうか見分ける基準は、そこに「静かな情熱」があるかどうかだと言います。
「なにかをやっているとき、ワァーッと興奮していると、一見ライフワークのようにも見えます。しかしそれはワクワク中毒でやっている可能性もあります。人生で直面すべきことから目をそむけ、気をそらすために次々と新規のビジネスを追いかけている人がそうです。
ライフワークを生きている人は、どちらかというと、一見静かで内なる情熱の炎が燃えています。その情熱は消えることなく、ずっと持続しているものです。一時的にワァーッと燃えるような情熱は、しばらくすると消えてしまうものです」(『「ライフワーク」で豊かに生きる 』
この「静かな情熱」が宇都宮さんからは身体から滲み出いてました。
彼は被害者から少額の弁護料をとり、数を多くこなすことでお金を得ています。「効率」という観点から言えばラクではない仕事の仕方ですが、一人一人の被害者を助けていくこと自体が彼の内面を満たして行っている感じでした。
チクセントミハイのいう「フロー」な状態とは、まさにこういう状態なのではないだろうかと思えました。
面白いのは、彼は大学在学中に司法試験に合格したエリートでありながら、営業が下手なため弁護士活動に行き詰まり、31歳のときに事務所を解雇され、一時は税理士専門学校で講師をして食いつなぐという挫折を味わっていたこと。またそのことがきっかけで、誰も手を出さない、つまり儲からない闇金融の被害者の弁護を引き受けるようになったということ。
人生で最悪のときに人生で最高のものに出会っていたという印象的なエピソードでした。
今日の夜1時10分に再放送がありますので、興味のある方にはぜひ見て欲しい宇都宮さんの姿でした。
涼風
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