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というわけで今回のユーロ2006はイタリアの優勝で終りました。僕は今朝起きたのが6時。試合は3時からなのでもう終っていると思ったのですが、下の部屋で父親がテレビでサッカーを見ていたので「あれっ?」と思いました。見てみるとPK戦。
PK戦にはドラマはありませんでした。ブッフォンはPKについては読みを当てるのが上手くないのかな?それとも当たらないのが普通なんでしょうか。結局両者合わせてトレセゲがポストに当ててしまっただけで、みんな当たり前のようにきっちり決めました。
でもジダンという名手がPKにいなかったのは残念でしたね。ポルトガル戦のPKは、僅かな助走からサイドネットを揺らす強烈なシュート。ポルトガルのキーパーも完全に読んでいて、ボールの方向にかなり反応良く飛んでいたのですが、それでも取れませんでした。サイドネットを揺らすゴールをきつく蹴れば絶対に止められないと確信しているかのようなジダンのPKでした。
試合は見ていなかったので何ともいえませんが、ジダンの退場は後から聞いてもショックでしたね。ああいうことになっては、ジダンもイタリアの選手も後味が悪いんじゃないでしょうか。マラドーナ以来の最高の選手と言われている人の最後の試合だったのですから。
僕はマラドーナのプレーをほとんど知らないし、ジダンについても普段のリーグ戦は(スカパーとか入っていないので)ほとんど見たことがありません。でもユーロ2000や普段のダイジェストで見ることのできた彼のプレーは、本当にうっとりさせられます。
顔はごつい人ですが、体はとてもバランスの取れた体型をしている人です。足も長く背も高い。その体がドリブルをすると非常に安定した動きをし、ボールが足に吸い付いたようになります。そして誰もが予測のつかないフェイント・ターン・パスを繰り出します。
ジダンがボールをもつと、周りが一生懸命サッカーをしている中で、彼一人がダンスを踊っているようになるのです。他の選手と彼の体の中にはべつの時間軸が流れているようでした。みんなが大慌てでボールを追いかけているのに、ジダンがボールをもつと突然優雅な音楽が流れて時間がゆっくり流れていくようでした。
ロナウジーニョもロナルド(ポルトガル)もテベスもメッシもロッベンも、みんな鋭いドリブルをします。でも彼らはみんなサッカーをしています。ジダンは違うんだな。彼はボールをもつと踊り出すんです。
ジダンのドリブルのフォームはとても美しい。体の重心がブレず、大股のスライドなのにボールが足に吸い付いています。
今回の退場劇に無念を感じた彼が、もう一度思い直して・・・ということにはならないかな、やっぱ。
涼風
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