「脳トレをやるなら先に脂肪とれ」という川柳が今年のサラリーマン川柳の優秀作のなかにあったそうです。
ひと時代前なら何のことだかわからなかったでしょうが、いまなら中高年の人にはすぐにわかる内容です。
昔なら理解できないということは、言葉そのものの意味だけからでは句全体の意味が分からないということで、読む人に共通の知識とか解釈が前提となっているのです。
この句の場合は脳のボケと身体の肥満が中高年の関心事になっていることが前提で、「脳トレ」と「脂肪とれ」で「とれ」という音が同じことからくるダジャレが組合わさっています。
語呂合わせは発音されて意識されるもので、「脂肪取れ」と表記されれば視覚的には語呂合わせが分かりにくなります。
「脳とれ」と「脂肪とれ」のようにかな書きにすれば、語呂合わせはわかりやすくなりますが、意味は分かりにくくなります。
「脳トレ」と「脂肪とれ」となって意味の視覚的把握と語呂合わせの両立が図られているので、日本語の表記法は融通性があって便利なものです。
上の左上の図では二つの球はほとんど下の平面に接しているように見えます。
ところが右上の図では右の球は浮き上がっているように見えます。
背景に対する球そのものの位置は左の図と同じなのですが、影が球から離れているので浮き上がっているように見えるのです。
この図では背景がチェッカー模様になっているのですが、なぜこのような模様になっているかといえば、チェッカー模様が遠近法で描かれているため、画像に奥行き感を出すためです。
画像に奥行き感を持たせ、三次元を意識させているので、影が意識され、影が離れていれば浮き上がって見えるようになります。
左下の図は背景を単調な灰色にしているので、右上の図のような立体化の句湯期間はありません。
そのため背景は壁のようにも見えますし、空間のようにも、あるいは平面のようにも見えます。
そのため影に当たる部分は影と見なすことも出来ますが、楕円形の円盤のようにも、また穴が開いているようにも見えます。
ところが右下の図のように、線を一本加えると左側がテーブルの天板のように見え、画像全体が三次元的に見えるようになります。
そのため右側の球は天板から浮き上がっているように見えます。
絵画的な手がかりが加わると、脳による解釈が限定され、見え方が決まってくるのです。
ちょうどかなの部分を漢字にすると意味が限定されて、分かりやすくなるようなものです。
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