設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
不定期便で頑張ります~!

勉強する前に

2005年12月12日 17時05分20秒 | 独り言
テレビでは相変わらずマンション偽造問題を見てしまうが・・・
こんな時にも関わらず なんと新築マンションは
売れているそうで・・・・

確かに前は「安い!広い!」これがうたい文句だったけど
今やそれは「どこが構造?どこが施工?」に変わっているという。
構造の計算書を見せてくれという要望も多いらしい。
きっとこれを機会に絶対変なものを買わないように
「勉強しよう!」と意気込んでいる購入者達が増えそうである。

でもきっとわからない。
これが本当のところだ。計算書を見たり研究しても
最後の最後には「信頼」そう「信じ込む」しかないところが
ある。

そこで色々な商売があるものだが 正にマンション購入者の
代理人みたいな商売も成立している。
要はどんなに勉強してもわからない構造計算書などを
見てくれる専門家。しかも色々なアドバイスもする。
一件見れば○万円という感じでの商売。
これは勿論 耐震問題に詳しい構造設計の専門家の人達が
やるらしいが それとて意地悪な見方をしてしまえば
一級建築士という枠内に入っているので 何も知らない人達は
専門が意匠なのか構造なのか設備なのかわからずに
信頼してしまうところがある。

そう医者だって専門的に分かれている。
脳外科専門の医者に新生児特有の病気を何が何でも
診てもらおうとは思わない。
新生児だったら子供だったら 真っ先に思い浮かぶのは
小児科。まあ、医者だから絶対出来ないという事は
ないだろうけど それでも専門外に好んで行くという
患者は少ないだろう。

一級建築士・・・ひと言でそう言われれば我が家のような
意匠の設計も今回の中心となっている構造設計と同じと
思ってしまう。勿論 全くの素人の人達よりは当たり前だが
土地の事にしても法規にしても建物の事にしても
詳しいだろう。でも一級建築士事務所と看板を掲げても
不動産屋もあれば工務店もあったりする。

こんな時だから騙されないようにいい加減にされないようにと
必死に勉強するのもいいかもしれないが 一級建築士の
中身をもっと探った方がいいかもしれない。

ともかく全てがわかりにくい というかわざと
わかりにくくしているような変な世界だなと
つくづく感じる。。。