設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
不定期便で頑張ります~!

クロとの日々

2004年11月01日 14時47分29秒 | 独り言
CMクーちゃんが もたらしたのか 最近はペットブームが白熱だ。
犬を散歩している人も多くなったが それだけではなく
お洒落なバックに ちょこんと小さなワンワンが顔を覗かしている事もある。

自分が小さい時 一回だけ犬を飼った事がある。
ある日 学校から帰ると 小さなミカン箱に子犬が脅えた目で丸くなっていた。
それが愛犬クロとの最初の出会いだった。クロは捨て犬だった。
クロの母犬は純潔の柴犬 血統書であったらしいが 父犬は全くの雑種。
クロはそんな両親の間に生まれた 柴犬と雑種の混血犬だった。
犬を飼うというより血統書というブランドを飼いたかったのか クロの母犬側の
主人は 混血犬のクロ達を嫌い あっさり捨ててしまったらしい。
なんとも ひどい話だ。クロ達兄弟は 私の伯父の働く工場に現れ 人に媚って
餌をねだりに来ていたらしい。そんな兄弟の中で クロは全く人に媚びたりしなかったらしい。
そんな態度が気に入り 伯父はクロを我が家に連れてきた。

とにかく大の動物嫌いの母を説得し 私と姉は自分達で絶対面倒をみるという
約束で飼い始めたのだ。

せっかく飼うのだから名前は カッコいいものをと姉と考え抜いている間に
鼻ずらが黒いから クロという名前を祖母が勝手に呼び出し どんなにカッコいい
名前で呼んでもクロは振り向きもしなくなった。
捨て犬という習性がそうさせるのか クロには そういう頑固なところがあり
そのくせ臆病で 躾らしい躾をしなかったせいか 大層おバカな犬であった。

最初の頃は物珍しく喜々とクロの世話をやっていた私達姉妹だが そこは子供の常。
自分達の休日には朝の散歩も忘れ 寝坊する事もしばしば・・・・
クロは「早く散歩に連れていってくれ~」とばかりに泣いていた。
さすがに これには親も呆れ
「自分達も朝起きてトイレも行かず食事もせずに過ごしてみろ」と ひどく怒られた。
可哀想な事をしたと 少々後ろめたい気持ちで クロに会いにいくと
クロはバカみたいに 喜びの態度で歓待してくれたものだ。
人間だったら「どうして もっと早く来ないのだ」と怒りの態度で待っている筈が
クロは毎回澄んだ瞳で ありったけの信頼の態度で待っていてくれた。
それは素直を通り越して 悲しい程 純粋な おバカな態度だった。

クロのトレードマークの黒い鼻ずらに 人間同様 うっすらと白髪が目立った頃
蚊が運んでくる伝染病で あっという間にクロは逝ってしまった。
初めて命ある物は死ぬという現実を知ったし 命のあっけない程の
はかなさの前に 無力な自分が腹立たしかった。クロのいなくなった庭には
ほんのりと犬独特の残り香もあったし それから姉と一週間 腑抜けのようだった。
そんな中の驚きは あれほどクロを飼うとき猛反対していた母が 毎日庭を見ては
涙で赤く染まった目を 隠れてこすっている事だった・・・・・・

いつかは 犬を子供達と一緒に飼いたいという気持ちもある。
でも クロが逝ってしまってもう20年以上たつのに いまだにクロと過ごした
日々がありありと蘇ってくる。その中の自分は 純粋なクロと比べれば
いつも狡くて 自己中心な人間の醜さという特徴を一番 背負っている自分。

クロを思い出すたび 自分にはそういう醜さがある 人間という性がある事を
思い出させる。
考えれば そんな事が なんとなく怖くて これから先 何が何でも
「犬と生活したい!」という気持ちにならないのかもしれない。
結局 自分という人間は クロより臆病な生き物なのかもしれないのだ・・・・・・

超欠陥商品の私達

2004年11月01日 10時08分07秒 | 独り言
最近 悲しい事件ばかり続いている。
地震もあったし 人質事件の青年も最悪の結果となってしまった。

人質事件は世間では賛否両論。
行ったのが軽率だとか いい事だとか個人的には何も言えない。
でも この世の中 殺される為に生を受けるのでも無く 人を殺すために
生を受けたのでもない。

無神論者だから 神様が人間を造ったとは 個人的には思ってないが
万が一 神様が造った物ならば 人間は超欠陥商品だったのかもしれない。
それとも製作者であった神様も 人間が こんな大バカな複雑な生き物に
成長していくとは 思ってなかったのかもしれない。

一応 この地球上でトップを走っている人間。卓越した頭脳を持ち
腕力や本能では最下位の生き物のくせに その頭脳のおかげで
どんな生き物の上にも君臨出来ている事実。
それなのに 皆 自分の「欲」という心には簡単に負けてしまうようで・・・

戦争を何度繰り返し 無駄に同じ仲間の命を どの位失ってしまったことか。
どうして こんな卓越した頭脳の持ち主が こんな無駄で どうしようもない事を
やっているのか よくわからない。

子供のケンカすら理由はある。強者と弱者がいる。
それでも 大人の何分の一の脳みそ 駆使して最後にはなんとか
解決策を見いだそうとしている時もある。

人として 発達すればするほど こんな簡単な事も「欲」という心に邪魔され
出来ないのかもしれない。

そして案外 人間「欲」という心 取っ払うと生きていけないものなのかもしれない。
こんな邪魔な気持ちがあるからこそ 地球上のトップを走れるのだろうか。

「外に敵を造ると 中は結束する」
この言葉しか 私たち 人間を救えないのだとしたら 冗談ではなく
宇宙人が来襲してきたら 変われるのだろうか。
地球上が一致団結出来るのだろうか。
そんな団結しか出来ない人間は やっぱり最高の脳を 全く活用していない
大バカ集団なのかもしれない。

どんより雨空眺め 平和にブログ書ける今の自分に ことさら感謝の今日であった。