初めて知る高齢という現実

最近、弱ってきたオット82歳。
何とか二人で明るく過ごしたいとあがく毎日を記録します。
だんだんグチに移行?

坂の上の雲(2)

2009年06月01日 16時05分07秒 | 明け暮れ
日露戦争に形として勝ったのですが
薄氷を踏むような幸運が、日本にありました。

帝政ロシアの腐敗しきった官僚達は
信じられないことには、敵国日本と戦うことより、
皇帝ニコライ二世に対して自分の立場と
帰国後の我が身の保身の方が重要であり
そういう階級の人間が戦争の実権を握ったため
もうひと攻めで勝利を握る場面において、
突然退却したり、勝つはずの戦いを、
みすみす外してしまい
相手国の日本が、首を傾げる場面が多かった。

兎にも角にもロシアの帝国主義の傲慢さが
日本に味方して、傷を負いながらも勝った形になったのだった

最後のバルチック艦隊との戦いが
この物語の迫力場面です。
物語といっても、外国の新聞や論説を
裏打ちして事実をドキュメンタリーに
書き上げてありますので、
貧困な私のアタマにも、艦隊の姿や
戦う男の動きが手に取るようでした。

太平洋側にいくのか?
対馬海峡から日本海へ入ってくるのか?
日本艦隊は二つに一つの賭けであった。
が、自信たっぷりのバルチック艦隊は
日本が手ぐすね引いて待つ、対馬海峡を進んだのであった。
どういう訳か日本の艦隊は、海上では
もっとも目立ちにくいとされる、グレイ一色であったのに対し、
バルチック艦隊は軍艦の色は黒
そして、煙突の色は鮮やかな黄色に塗られていた。

敵・見方と見分けやすく、砲弾を撃ち込めたのだった。


日本の政治の動き、
戦争のカギを握る参謀達の動き
結果は分かっていても、はらはらしました。

現代日本の曙期、
この戦争でロシアに負けていたなら
今の日本は無かったはず。



司馬遼太郎さんの膨大な資料を駆使して
書き上げられた努力に敬意を表しつつ読みました。