お彼岸なので、こんなことを回顧するのも
ご先祖様への供養じゃないかな?
私は76歳ですから、もう50~60年前のことですが
お年寄りは、みんな家で息を引き取っていました。
それは当たり前のことでしたね。
父方の祖父母も、母方の祖父母も…
それはそれなりに、家族は大変でした。
おむつ一つにしても、今のように紙おむつは無く
古布をおむつにして、洗濯して使っていました。
水を吸う柔らかい生地とは限らないので、
死に行く人も辛かったろうと思います。
長い間、寝ていたので亡くなってみると、
畳が腐っていたという話も多かったものです。
今なら、ベッドとか、布団も日光消毒とかで取り替えることを
考えますが、昔は何をいっても貧しかったし、情報も無かった。
死に行く人も、総てを甘受して流されていた…
物を食べなくなり、ウトウトとした時間が長くなると
周りも死期を覚り、親戚縁者が当番を決め、
「夜とぎ」を始めます。ほとんど女性の仕事でしたが
夜通し逝きかけた人を見守り、朝を迎え家に帰ります。
繰り返され、なかなかお迎えが来ないと、「夜とぎ番」も疲れてきます。
逝きかけた人も、申し訳ないと思うのか、当たりやすいヨメに
荒げた声を出すこともありました。
「あぎゃん声の出るならまだまだばい」とひそひそと語られたりします。
皆が疲れ果てたころ、亡くなるとさっぱりとした感情で
お墓へと送られる…
私が見た四人ともそんな感じでした。
核家族になって、手当ても届かない…が言い訳になって
病院で亡くなることが当たり前になってしまいました。
年寄りは家で死にたいという希望は多いのですが…
見聞きする話では、管でがんじがらめになって、
とうに本人は死に体になっているのに、
まだ点滴をされる部屋でひとりぼっち。
いやですねぇ
点滴とかの手当ては無くてもいい、最後まで清潔なおむつだけでいい
家族と、他愛ないシッパイ話を聞き、笑いながら息を引き取りたい
ま、今は元気なばーちゃんの願いでござりまする。