もう30年以上前でしょうか・・・・。半村良著「軍靴の響き」を読んだのは。
海外に進出した日本の企業を守るため、自衛隊を強化し海外に派兵。そして徴兵制・・・。そんなストーリーの近未来SF小説でした。
まさに今、その小説の時代になってきたかのような気がします。
でも、だいぶ前に読んだ本なので、よく覚えていないので、さっそくネットで調べて本を注文しました。小説だけでなくコミックにもなっているみたいですね。両方とも注文しましたので、届くのが楽しみです。
でもでも、こういう世の中は楽しくありません。愚かな戦争への道を阻止する国民の意識を拡げなければなりませんね。
ネットで調べたところ、この小説の中に、次のようなセリフがあるそうです。大切な言葉ではないでしょうか。
「自衛隊の最初の海外派兵の時、父さんたちは反対もしなかった。防衛庁の国防省昇格の時、デモもかけなかった。反戦グループの活動を過激ときめつけ、彼らがまき起こす騒動の市民生活に対する迷惑だけを数えあげて、結局彼らを潰してしまった。何が起こっても知らん顔だ。戦争の悲惨さと戦後の貧乏を知っている世代のくせに、長いものにまかれ、流されるにまかせて何ひとつ、してくれなかった。なるほど父さんたちは日本を経済大国に仕立てあげたよ。働き者さ。でもそれは何だったい。アメリカが辿った道と同じ道を歩いただけじゃないか。専守防衛と言ったって、国が富めばいずれは外に出ていくんだ。そのときの歯止めを作ろうとしたかい。富めば守るものも増えるんだ。そこで自衛力増強以外の知恵を働かせてくれたかい。僕らが一人前になったとたんにクーデターだ、高度国防国家だ……徴兵制復活だ。いまさら親の気持ちを察しろだの、戦争のこわさを知ってるかだの、そんなこと言ったって手おくれさ。幸いまだ戦争は起こってない。だが昌夫たちの世代は判らんぜ。僕の子供たちの世代は……ずるいよ。明治以来いちばん長く続いた平和と、歴史はじまって以来のゆたかな社会にどっぷりつかって、あとは野となれ山となれだ。あとの世代に何も残しちゃくれないんだ。公害と銃・・・・・渡してくれたのはそれだけじゃないか」