浦神には堀渡船と言う渡船屋があり、昔釣りの先輩・K寺さんに2度ほど連れて貰って磯に渡った記憶があります。浦神湾を出て荒船海岸の方へ出て行くコースだったと思うのですが、釣れた記憶はあまりありません。
浦神といえば通る度に気になっている場所があります。駅前を超え、堀渡船を過ぎ、ずっと走って民家が無くなった頃に左へほぼ直角に曲がる所があるのですが、その海岸沿いにはいつも車が停まっていて、その車がどうやら釣り人のもののようなのです。道路からは少しだけ奥が見えていて、どうやら船着き場になっているようで、波止釣りをしているな感じを受けていました。ところが今回実際に降りてみると、なだらかな岩場になっています。先端には誰のものなのか分かりませんが、道具を置いておく台まで設えてありました。
この日は車が1台も停めてないので遠慮なしに車を停めさせてもらいました。道路からは右の写真のようにコンクリートの波止場に見えます。確かにあまり大きくない船が停泊していました。岩場に降りてみると先端から案外深そうです。
下は砂地のような感じ、何が釣れるのでしょうか、グレよりはチヌの方が居そうな感じです。ここはおそらく満潮時には水没してしまうのではないかと思われます。岩場にはエサのおこぼれもちょっとした仕掛けも何も残ってないのです。同じような岩場がもう一つ100mほど沖にもありました。
沖の磯では一人だけ釣りをしていました。こちらの磯では少し足場の悪そうなところにアルミの板が差し渡られており、波止場にはゴミ捨て場まで設置されていて、ここで随分の人が釣りを楽しんでいるのが判ります。何を釣っているのかを知るために何か手掛かりになるようなものが落ちてないか探しましたが、ウニダンゴの紙パッケージが残っていました。まさかここでイシダイを釣っているとは思えません。
先の磯で何を釣っているのか気になったので車をそのままにして歩いて行ってみました。仕掛けを見ているとカゴにアミエビを詰め、カゴの上部にサビキを付け、カゴの下に1本針でオキアミを刺していました。アジを釣りながら、あわよくば何か大物が掛かればいいなぁと思っているのでしょう。
この磯の沖側にも同じような地質の磯がありますが、そこには歩いては行けません。でもこんな磯に渡船で渡されたら「怒るでシカシ」です。この私の立っているところを岩屋崎と呼んでいるみたいです。
正面やや左寄りに見える小高い山の手前を粉白と言い、玉の浦海水浴場があります。そのむこうの半島は、おそらくこの角度からは太地の半島は見えてないと思うので、下里の先にあたるのでしょう。右に見えているのは島ではなく、荒船海岸から付き出た半島です。この半島に名前が付いてないのが不思議です。
この磯から道路側を見ると、古座の虫喰岩と同じような浸食のある岩が見えますが、天然記念物には指定されていないようです。
最初の磯と次の磯の間、道路の山側は小さな公園になっていました。別段遊具が有ると言うのではありませんが、エンジ色の建造物が気になります。
近寄って見るとそれは何と地震観測所、そこには太地地震観測所と書かれていました。太地町には近いけど、ここは那智勝浦町です。何故太地の名を騙ったのか、浦神ではあまりにも名が通っていないから、報道する時に「浦神って何処や?」と思われてしまうからなのか、そんなことをすれば、ますます浦神の名前は全国に知られることが出来ません。これを建てた建設省(今は国土交通省ですが、この建物には建設省の名が残っている)もいい加減なものです。