「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

逆もまた真なり Long Good-bye 2024・08・22

2024-08-22 05:16:00 | Weblog

 

 今日の「 お気に入り 」は 、 村上春樹さん ( 1949 -   )

 の随筆「 村上朝日堂はいかにして鍛えられたか 」

 ( 新潮文庫 )の中の こんな一節 。

  引用はじめ 。

 「 『 人生 、良いことがひとつあれば 、
  次には必ず良くないことがひとつ控え
  ている 』ということだ 。 たとえば仕
  事で何か良いことがあれば 、かわりに
  人間関係がひとつ激しく潰れたりする 。

  愛がひとつ生まれたら 、かわりに憎し

  
みがひとつ生まれたりする 。vice versa 
  
( 逆もまた真なり ) 。」

  引用おわり 。

  村上春樹さんの随筆「村上朝日堂はいかにして

 鍛えられたのか 」( 新潮文庫 ) の「 あとがき 」

 には 、この本が1995年11月から1年1カ

 月のあいだに「 週刊朝日 」に連載されたエッ

 セイをとりまとめたものである旨書かれている 。

  この「 作者 あとがき 」の日付が1997年3月

 とあるので 、その日付から27年後に 、筆者は 、

 この本を 、初めて 、読んだことになる 。

   理由は簡単で 、筆者の人生で 、「 週刊朝日 」

 という週刊誌を毎週購読したことが 、ついに

 一度もなかったということに尽きる 。

  広告宣伝の中で 、「 週刊朝日 」に毎週どん

 な見出しの記事が載っているのかは 、陰なが

 ら承知していたけど 、買って読むことは一度

 もなかった 。だから 、若い頃 一度同誌に対し

 て持った印象 や判断 ( 食わず嫌い ) は 、脳裏

 にき付きつけられ 、50年の長きに亘

 居座り続けたことになる 。

  50年以上「 天声人語 」の読者でい続けた

 筆者も 、週刊誌は 、「 新潮 」、「 文春 」、

 「 現代 」で 、「 週刊朝日 」や「 朝日ジャ

 ーナル 」にはついぞ目を向けたことがなかっ

 た 。

 新聞は 、今では 、「 宅配 」も 「 駅売り 」

 も 購読を止め 、週刊誌については「 床屋 」

 で覗くことすらないが 、痛痒を覚えることも 、

 これといって不便を感じることもない 。

  要するに興味が去ったのである 。

  閑話休題 。

  一般的に言って 、いつの世の読者も 、自身と

 同世代の作家に対する 評価 は 厳しい 。

  団塊世代の特に男性読者にとって 、村上

 作品は 、端から眼中にないようでもある 。

 長らくご縁のなかった村上春樹さんの「 ノ

 ウェイの森 」を筆者が読んだのも 、映画化さ

 れた「 ドライブ・マイ・カー 」を観たあと 、

 連作短篇「 ドライブ・マイ・カー ( 女のいない

 男たち ) 」を読んで 、おもしろい と思ってから

 後のことである 。

 ( ´_ゝ`)

  要するに 、ひととして 、ものごとを受け容れる

 度量 、簡 が狭いだけの話なんですけど 。

 

 

     

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