白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

体験入学申し込み

2010-04-17 14:11:01 | 子供
この夏に日本に帰ることにした。
夏は飛行機代が高く、4人だと飛行機代だけでも$4000以上かかってしまう。
それでも帰りたいと思った理由は、マー君を日本の小学校に体験入学させたいから。

当の本人は嫌がっているんだけど、アメリカとは全然違う日本の小学校を体験させてあげたいのよね。
だって、せっかく日本人の母親を持ったのに、日本を知らずに育つのは惜しい。
それに、日本の小学校で日本人の子の中に入ったら、彼の日本語も刺激を受けて伸びるのではないかっと。。。

今年を逃したら、日本語に差がつきすぎて、もっと難しくなるような気がしたから、どうしても今年入れたかった。


それで、日本語教室でお知り合いになったお母さん友達に体験入学について色々と聞いてみた


「学校によってすごく歓迎してくれたり、迷惑がられたり、拒否されたりずいぶんと対応がまちまちだから、まず行きたい小学校に問い合わせてみたら?」
っとのこと。

聞くところによると、田舎の学校のほうが珍しがって歓迎してくれるらしい。
東京は体験入学者が多いから迷惑がられる・・・とか。
特に港区ではあまりにも多すぎて全面廃止になったといううわさもある。

考えてみればそうだよなぁ、言葉もままならなくて、日本の文化もルールも良くわからない子供が数週間だけ来ては出て行かれたら、先生からしてみると迷惑極まりないよなぁ。

とにかく問い合わせてみることにした。

嫌われちゃ困るから、礼儀正しく礼儀正しく。
あまりアメリカかぶれしていると思わせたら、嫌われるかもしれない。
ここは純日本風に話そう。
特に気をつけなきゃいけないのは、カタカナ英語。
英語的な発音になったり、英単語を無理にカタカナ化して使ったりしないように気をつけなきゃ。

「お忙しいところ大変恐れ入ります。この春一年生になる息子がおりまして、この6月に体験入学を希望しているのですが、貴校では体験入学を受け入れていただけるのでしょうか?」

ドキドキ、なんていわれるだろう。

「あ、はい。息子さんは日本語はできますか?」

うわ、なれたもんだなぁ。
あんまりできないんだけど、できないなんていって拒否されたら困るから、ここはちょっと張ったりをかけよう。

「はい、問題ないと思います。」

はっきりと言ってのける私。でもちょっと・・・嘘はよくないよね。

「もちろん日本で育っている日本人の子供に比べると、少々劣りますが。」
これで大丈夫でしょう。

「お国はどちらですか?」
「アメリカです。」
「お子さんは日本に来た経験はありますか?」
「はい、ございます。2歳半のときに一度一ヶ月ほど滞在しました。」

そんな調子で矢継ぎ早に質問をされた。
本当に慣れたご様子。
でも結局滞在先が学区外ということで、教育委員会の電話番号を渡されてしまった。

じゃぁ、教育委員会に電話してみよう。

同じように電話をしてみると、こちらも大変慣れたご様子。
さっきの電話で聞かれたこととほぼ同じことを質問された。
ただ、ちょっと困ったのが・・・

「息子さんの生年月日は?」

「はい、2千・・・」っと言いかけて、や、やばい、西暦じゃだめでしょ。
あ、マー君は平成何年生まれなんだ?
もうアメリカに来て10年、年号を使わないからどうしても覚えられない。
まず、今年何年だっけ?
いやぁ~ん、こんなところでアメリカかぶれしているなんて思われたくないわ。
でも、わからないものはどうしようもない。

「あ~、申し訳ありません、2004年は平成ぃ・・・?」
息子の誕生日すら知らないのかこの母親は!
なんて思われたらどうしよう。。。

でもよかった、いい人だった。
「あ、そうですね。ははは。2004年はえ~っと、平成16年になりますね。」

よかった、嫌われなかった。
あ、もう一つ忘れちゃいけないことがある。

「あの、もう一つ、うちの子は補聴器を着けています。補聴器さえ着けていればとくに会話に支障はないし、こっちでも普通の小学校に通っているのですが、一応前もってお知らせしておいたほうがいいかと思いまして・・・。」
それを理由に断られても困るし、こんなんでどうだろうか。

あっさりと
「はい、わかりました。聞こえに問題がないのであれば、大丈夫だと思いますよ。」
あ、問題ないわけじゃないけど、これ以上色々いうと、拒否されちゃ困るから、黙っていよう。

結局そこの小学校と協議をした上で決めるとのことだった。

3日後協議の結果を聞きに再度電話をかける。
協議の結果は、問題なしとのこと、やった~~~。
よかったぁ~。
だめと言われたら、梅雨の真っ只中の日本で、いったいどうして毎日過ごそうかと思っていたところ。


っで、ためしに聞いてみた。

「体験入学を希望する人は多いのでしょうか?」

「そうですね、この時期は毎年50人ほどの問い合わせがあります。練馬区には約60校の小学校があるので、一校に1人か2人といったところでしょうか、珍しくはないですよ。」

うわ、そんなにいるんだ。
田舎育ちの私としては、体験入学なんて聞いたこともなかった。
やっぱり東京はちがうねぇ。
慣れているのもそれなら納得がいくわ。

っということで、問題なく受け入れてもらえることになった。

でも、どうなるんだろう。
マー君、大丈夫だろうか?




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
子育て (うさぎ)
2010-06-30 21:10:18
これ読んで 決まりきったことだが 母親が子育てに費やす心労の並々ならずのを痛感!1983年年頭永眠の母 男6人女3人を父の事業を手伝いながら育て上げた母 思わず涙が浮かび 無性に懐かしく慕わしい! 
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子育て (Yumeko)
2010-07-01 08:54:02
きっ九人ですか?
いやぁ~昔の人にはあたまが下がります。
そのころは、紙おむつもなければ洗濯機もなかったでしょうに、それを考えると私なんてまだまだ甘いですねぇ。
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むかしと今3225 (うさぎ)
2010-08-30 22:02:24
そうです。九人育てあげたのです。あのころは一般の家庭では 電気釜とか洗濯機は勿論無く 楽な実入りでなかったら 炭焜炉でさえ贅沢で台所の燃料は草か木でした。 ですから子たちも幼いときから家事をよく手伝い弟妹をあやし負ぶったりで放課後は急いでうちに帰り少しでも父母の手助けをするのが常態でした。うさぎの記憶では  小学四年生ごろには男ながら弟妹のおむつを洗ったり 大人たちが忙しいときは飯炊きも(二つ上の姉はときには父母の仕事を手伝う)。思えば 昔に比して現今の家事は本当に楽。何から何まで電製品で自動操作 セットしておけば寝ていても膳の支度ができ スーパマーケットで何日もの需要量を買いアイスボックスに詰め込む。  買出しに要する時間が鋭減  正に天淵の差ですね。うさぎもまあ こんな調子で科学文明が齎す日常生活の享受に与り有難く感じる一面父母の苦労を改めて思い起こしています。   いやどうも 夢子さんのお言葉に引きつられて饒舌しました。 お子さんの画面生き生きして茶目気たっぷり この腕白の年頃 さぞや気遣いも多いでしょうね。お仕事もあるし。  頑張ってね! うさぎ 
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Unknown (夢子)
2010-08-31 09:56:55
私の母もよく昔の話をしていました。

でも人間とは贅沢なもので、他の時代の人や、他の国の人から見て自分がいい暮らしをしていることをわかっていようとも、次から次へと不満の種を見つけては、満たされない気分になる。なんて不幸な生き物なんだろうと思います。

最近ずいぶんごぶさたしてしまってすみません。
またメール書きますね。
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