白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

三男の日本語

2016-12-16 17:52:59 | 子供
三男は来年三月で6歳になる。
すなわち、日本では小学校に入る年齢。

もちろん三男にも日本語教室に通わせるつもりだけど、はたして入れてもらえるだろうか。
入れてもらうためには面接で合格しなければならない。


兄ちゃん達の経験から、面接で何をするかだいたいわかっている。
すごく基本的なことしかきかれない。
でも、その基本的なことが、アメリカで育つ子供にとっては難関なんです。


1, 日本語で名前を書かされる

たぶん、これは大丈夫。何度も練習したから。


2、平仮名の読みテスト

本を読まされる。主語のあとの「は」をはと読んじゃうけど、まーそのくらいならいいでしょう。
平仮名を読むことはそう難しいことではない。


3、簡単な質問に答える

「お名前はなんですか」
「お誕生日はいつですか」
「何人家族ですか」
など。

ここにくると、ちょっと厳しくなってくる。
それでも、思いつく質問を何度も何度練習しているから、まー全く答えられないということはないでしょう。



4、語彙の問題50問

これがかなりやばい。
語彙がなさすぎる。

三男の話し方といえば
「ママー、お兄ちゃんがぼくのフェイスにピロー(枕)をスローした(投げた)。」
と言った感じ。


動物の名前は犬と猫くらい。
牛 、馬、ネズミ、キリン、ぞうなどは聞いてわかるけど言えない。


果物はりんごとバナナくらい。
いちご、なし、スイカ、みかん、メロンなど、どれも言えないだろうなー。


身近なものも聞かれる、お箸、お茶碗とか。
昨日試しに聞いてみると、お箸を「おかし」と言う始末。



う~~~ん、これはやばい。


三番目ともなると、親より兄弟同士での会話の方が多くなる。
好きなテレビも、兄ちゃんたちが見るものを好むようになってきたし。

日本語はあきらめようかと何度も思った。

でも、でも、私が残してあげられる財産なんて日本語くらい。
今ここであきらめて学校に行かなかったら日本語を捨てたも同然。


よし、やるしかない。


サンフランシスコの紀伊国屋書店に行って、ひらがな練習の本を数冊買ってきました。
絵の名前を平仮名で書きましょうという練習がいっぱい載っているやつ。
しかし、書いてる暇なんてない。
本をばらばらにし、片面をカラーコピーして、
本に載っているすべての絵や写真を切ってカードに貼って
約200枚に及ぶ、単語カードを作成。



約一週間、逃げる三男を追いかけては、練習しました。

「はい、これは何?」

「知らないよ。」

「これは山、や・ま・ほら言ってごらん や・ま」

「やぁま」

変な発音だけど、まぁいい。

「じゃ次はこれ、なぁにこれ?」

「ぼごー」

「違う違う、ぼごーじゃなくてぶどう。ぶ・ど・う。ほら言ってごらん。」

「ぼどー」

「ぼじゃなくて、ぶ。ほらもう一回、ぶどう、ぶ・ど・う」

つぎはちょっと難しいなぁ。
「これは何でしょう。(冷蔵庫の絵)」

無言で冷蔵庫を指さす三男。

「そうそう、それ。日本語でなんて言うの?」

そこに長男が口をだす。

「え~っと、何だったっけ?」

は?本気で言ってんの?

あ~(溜息)

そう、そうなんです。
甘くないんです。
日本語教育は忍耐です。

そして、いよいよ明日が面接。さてどうなることか。






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