白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

監査人はだませません!

2007-03-20 11:32:31 | その他
最近仕事が少しわかるようになってきて、面白みも出てきた。
っとは言っても、会社や業界によって会計には特徴があり、勉強は尽きない。

しかし頭を悩ませるのはそれだけじゃない。
会社によっては、監査人をだまして財務諸表を良く見せようと手を加えるものもある。

「そういう粉飾決算を見つけた場合はどうするの?警察に通報するの?」っとよく聞かれる。
いいえ、私たちの仕事は違法行為を見つけて告訴することではありません。
間違いを見つけたら、ガンガン容赦なく書き換えて、正しい報告をすること。
だから、クライアント側は、見つからなかったらラッキー、見つかったら書き換えられても仕方ない、っといろんな方法で手を加えてくるわけです。

みんながみんなじゃないよ、そんなことをするのはほんの少数だとは思うけれど、全くないわけではない。
株価が下がってもらっては困る、会社の業績が悪いとお金を借りられない、株主がうるさい、業績が上がらないと首になる等など、色々な理由で財務諸表を良く見せようと励むわけです。

しかし会計のシステムとはうまくできていて、貸方と借方とふたつあるのね。
よっぽどうまく隠さないと、どこかでぼろが出る。

先週上司に言われて、○○商事の監査を手伝うことになった。
もともとは2人が担当としてあてられていたものの、3週間経っても終わらない。
聞くと、かなり悪質な手で、帳簿に手を加えているという。
この会社は新しいクライアントではない、もう数年やっているのだけど、去年はそんな問題はなかったはず。
よくよく聞いてみると、新しいCFOが入ってきて、どうやらそいつの仕業ならしい。

おいおい、私は私で忙しいのに、他のやつを手伝う暇なんてないよ。
っとぶーぶー文句をいいながらも行くことになった。

私が手伝うことになったのは、買掛金と前払い金。
帳簿上では、12月中旬に払ったことになっている。
ふ~ん、じゃぁ請求書と小切手のコピーを見せてください。

アメリカは日本と違って、支払いは小切手でやる。
小切手の日付は12月、ちゃんと払ってるねぇ。
問題ないじゃん。

っと思っていると、ふとしたことで1月の請求書を見つけた。
おや?12月に払っているはずなのに、1月の請求書に残高として載っている。
おかしいぞ。
これは払ってないぞ。

12月に切った小切手を全部あつめて銀行の報告書に照らし合わせてみた。
・・・ない。
1月の報告書を見ると、そこに載っている。
すなわち、12月に小切手を切ったものの、請求者に送ったのは1月に入ってから。
でも小切手を切った時点で帳簿上で払い終わったことになっている。
現金残高を下げずに、買掛金(負債)を下げて前払金(資産)を上げている。
きったないなぁ。
ここで問題発生、現金をさげてないんだったら、相手方勘定に何を入れたか?

こりゃやっとられんわ~。

ちょうどいいときに、大ボスからお声がかかった、私のクライアントの方を先に終わらせたいから、オフィスに戻ってきてほしいと言う。
ラッキー!!
残っている仲間に見つけたことを伝えて「後はお願いね!」っと逃げ帰ってきた。

良かったよ,あんなんが私のクライアントじゃなくて~。
今ごろCFOと押し問答していることでしょう。







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