白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

子供を守る法律

2008-09-20 07:54:03 | その他
前回の続きっというか、本題に入ります。

以前ここに書いたけど、カリフォルニアでは子供を常に大人の監視下におかなくてはいけない。
だから、学校から帰ってきて、ランドセルを置いて「お友達とあそんでくるねぇ~。」なぁんて子供だけで家をでるなんてことはありえない。
もちろん、「ちょっとそこまでお使い」というのも違法行為なわけです。

子供を誘拐から守るためだとかなんとか、それにしてもこの法律は行き過ぎている!っと私はかなり憤慨しておりました。

子供を守るためだかなんだか知らないけど、自由を与えないことも人権侵害のひとつではないのか?とさえ思う。

この話を日本人にすると、ほとんどみんな例外なく「とんでもないねぇ、それ」っと言う。

でも、Kayoちゃんにこの話をしたとき、彼女は目を輝かせて「それって、すごくいい法律ね! 日本にもそんな法律ができたらいいのに」っと言ったのにはびっくり。
「これのどこがいい法律なのよ!」っと声を荒げてしまったほど。

しかしKayoちゃんの話を聞くにつれ、この法律ができた本当の意味がわかった気がした。

「世の中にはひどい親がたくさんいるのよ。」
Kayoちゃんは、自分の経験談を語ってくれた。
あの炭鉱の町には、あらゆる家庭問題が凝縮されている。

母子家庭なのに、外に男がいて子供を家に置きっぱなしにして夜遅くまで帰ってこない母親の話。
お母さんが帰ってくるまで、家で一緒に待っていてあげたこと。
育児放棄としかいいようのない親の話。

ひどい、本当にひどい。
子供たちがかわいそう。
その子たちを救ってあげたい、助けてあげたい。
馬鹿な親をどうにかしてほしい、罰してほしい。
話を聞いていると、そんな気持ちになる。

それで気づいた、このカリフォルニアの法律の本当の意図を。


二層社会と言われるアメリカは、貧富の差が激しく、私たちの想像を絶するようなもうひとつの世界が広がっている。
そして、アメリカは離婚率が高い。
特に、この層の人たちの間では、たくさんの女性が十代で妊娠出産し、未婚の母も多い。
麻薬もはびこっている。

男と遊んだから子供ができた。
中絶するお金がないから、子供を産んだ。
という、親になる資格のない親がごろごろいるのは想像がつく。
子供の父親は誰かわからない、又は父親が認知しないなんてのはよくある話。

完全に育児を放棄した親のもとで、完全に置き去りにされていた幼い子供たちがたくさんいたに違いない。
だからと言って、行使する法律がなければどうしようもない。

親が子供に食事を与えてないとか、虐待をしているとか、そういうことがない限り、子供を放って親が遊びまわっているからといって、親を罰することも子供を無理やり親から離し保護することもできなかったんだ。

そんな、家にほったらかしにされた子供を救いたいと、関係者は手を拱いていたにちがいない。

きっと、たくさんいたんだ。
そんな子供たちがたくさん、たくさん。

そんな子供を守るためには、「子供だけにしてはいけない。」という法律が必要だったんだ。

そう考えるとこの法律、なんだか許せるような気がしてきた。

う~ん、でも。。。
夜8時以降は子供だけの状態にしてはいけないとか、時間制限をつけてくれたらありがたかったのになぁ。

あ?そんなの邪道ですか?



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