白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

便利な耳

2017-01-04 17:06:24 | 難聴・手話
子供の耳が聞こえていないと知った時のショックは、それはそれは言葉に表せないほどのものだった。

毎日泣いて過ごしたのを覚えている。

でも今は、この難聴なかなか気に入っている。
っというか羨ましい。

そりゃもちろん苦労はあると思います。

いくら聞き返してもどうしても聞き取れないことも、よくあるみたいだし。

でも、便利なことも多い。


我が家はうるさい。
そして狭い。

勉強部屋も机もありません。

みんなダイニングテーブルでお勉強。

長男が宿題をしているすぐ横で、下の2人はチャンバラごっこしてるし 、

笑い声も多いけど、鳴き声怒鳴り声も絶え間ない。

来る人来る人みんな、あまりの騒々しさに唖然とする。

夫も私もイライラして怒鳴っちゃう。

「あー、お願い。ちょっとでいいから静かにしておくれ。」

そんな中、次男と三男が喧嘩を始めたり、三男が駄々をこねて泣き出したりすると、カチッと補聴器のスイッチを切ってしらーん顔をしている長男。

いくら呼んでも返事をしなかったりして、本当に腹が立つ。

くっそー、なんて便利な耳なんだ。

補聴器なんてスイッチを切れば完璧な耳栓。

すぐ横でどんな修羅場が繰り広げられていようとも、自分だけの静かな空間で平和に本を読んでいる長男。

時には昼寝なんかして、どんなに怒鳴っても起きやしない。

これを特権と言わずになんと言いましょう。

私もスイッチを切れる耳が欲しい。




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