白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

青空教室

2006-10-02 10:21:44 | その他
今日の午後、エネルギーの有り余るマー君を連れて公園に行ってきた。

このサンフランシスコ周辺は、いろんな国の人が住んでいる。
特にバークレーは大学があるからなのか、他の町より多種多様な人々がいるように感じる。
この公園、日本人も多いのだけど、耳をすますと、いやぁまぁいっろ~んな言葉が聞こえてくる。

今日は公園の片隅で子供達を集めて青空教室をしている人々がいた。

移民一世は、どうしても我が子に自分の言葉や文化を教えたいもの。
私もご多分に洩れず、息子に必死で日本語を教えようとしているものの、なかなかうまくいかない。

近所に住む同じ国の出身者同士で集まって、青空教室をするのはなかなかいい案かもしれない。

先生に続いて、子供達が文字を読む練習をしている。
日本語で言うと、「あいうえお、かきくけこ」を繰り返しているといったところだろうか?
私には全部「ちゃ~、ちゃ~、しゃ~、ぱ~」としか聞こえない。

しっかし、何所のお国だろう?
文字はインドの文字によく似ているのだけど、集まっている人たちはインド人ではない。
中国人をもっと浅黒くしたような。
でも、明らかにタイの文字ではない。
どこ?

思い切って訊いてみた。
「あのどちらのお国ですか?」
「チベットです。」

え~~、チベット。
あまりにも予期せぬ答えでびっくり。
まず、チベットが独自の文字を持っているということすら知らなかった。
お恥ずかしい。

ダライラマによって、チベットが独自の言葉や文化を持つ、誇り高い民族だということは知っていた。
平和に暮らしていたのに、中国が突然占領して無理やり中国の一部にしてしまった。

アメリカに来ても、子供達にチベット語を教える親の熱心さ。
中国からの迫害くらいで、この人たちの言葉や文化は変わらない、そう思った。

バークレーには日本人もたぁ~くさん住んでいるけれど、「みんなで日本語の青空教室を開きましょう。」という話は絶対に出ないだろうなぁ。
少数民族だからこそ、迫害を受けているからこそ、特に自国の言葉や文化を守りたいと思うかもしれない。

一人で感慨にふけって見ていた。


こちらがチベット文字。インドの文字に似てるでしょ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿