金魚cafe

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紙をつなげ!彼らが本の紙を作っている再生日本製紙石巻工場

2015-11-22 23:44:26 | 読んだ本
佐々淳子著 早川書房

これはABCのアナウンサーで蔵之介さんのトークショーで司会をしてくださっている三代澤康司アナがご自身のラジオの番組「ドッキリハッキリ三代澤康司です」で熱く語っていらっしゃいました。

そのときはまだ書店でも目立つところには置いてなかったような感じがいたしました。

でもそのあと平台にドンと積まれていてPOPもついてあるところから書店員さんもオススメなのだなあと。

買えばよいのですが、本を買いだすとどんどん積んでいっちゃって置くところがなくなってしまうのです。

図書館で半年待ちでやっと借りれました。

読みだすとノンフィクションで硬派な内容なのに結構字が大きくかなもふられていてオトナから子供まで読めるわかりやすさでした。

わかりやすいからといっても内容は濃いです。

まず「8号(出版用紙を製造する巨大マシン)が止まるときはこの国の出版が倒れるときです」と。

あのとき東北にはいろんな日本の生命線を握るような大きな工場がたくさんあったとはその時まで知りませんでした。

紙が無くなるので週刊誌(少年誌など)が出版できなくなるなど言われていたのを覚えています。

それでも本は出版され続けていました。

その陰に石巻でこんなことがあったとはあまり知らされていませんでした。

まず2011年3月11日に日本製紙石巻工場でなにがあったのか?そしてどうやって復興したのかが描かれております。

日本製紙石巻工場は地震発生と同時に社員全員避難したため出社していた人たちは普段から避難訓練を行っていて訓練通りに行動をしたのとリーダ―たちの的確な判断で全員無事でした。

それでも工場は津波に飲みこまれ工場内に瓦礫、近辺の住宅がい紙の原料のパルプがあちこちに流れていきでどうすればいいのかという状態でした。

住むところもない、自分たちの大事な人たちがお亡くなりになった人もいて仕事どころではなかったのです。

それでも半年以内に生産ラインを復興させるという無茶だ~~というのをやり切ったのです。

きれいごとだけではない人の裏表まで書かれていて秩序を持って行動していたというのも表面だけであったのかと、人のいろんな面を見ましたと人生変わっちゃうようなこともいっぱい書いてありました。

仕事をしつつも寝ずの番をする大変さ、現場と営業といつもは相いれないところもあるけれどこのときだけは皆一つになって復興へと進んでいったのです。

頑張って復興しても本の売れ行きは電子書籍に押されて下降しています。

それでも本を読む人のために紙を作り続けていくのです。

この本を手に取っていただけたらわかると思うのですが紙が柔らかくつるんとした光沢があってページがめくりやすいのです。

この本は石巻工場で作られた紙でできています。