9月には登場してた段ボール階段。
ニンゲンの中では、
もっと後のような気がしていたのだが、
こんなに早い段階で、ベッドに上がれなくなってたのか。
こーゆーのを置けば、何も教えなくとも、
これを足掛かりに、ベッドに上がれると思っていたのだが、
この頃の鈴は、理解することが出来なかった。
段ボールをポンポンと軽く叩いて、おいで と言う、
を何回か繰り返して、ようやく段ボールに上がる。
次はベッドをポンポンと軽く叩いて、おいで と言う、
を何回か繰り返して、ようやくベッドに上がる。
を2回やったのだ。
そうして再び、
自分の足でベッドに上がれるようになったわけで、
1ヵ月後には、それも出来なくなったのが、
後の写真で分かる。
この頃はまだ、
いずれまた元気になれると思っていたと思う。
居なくなっちゃうとはなぁ・・・。
この冬は、
ここのマンションに引っ越して来て、
初めての猫の居ない冬なんである。
冬の夜の猫は、ニンゲンの寝る布団の出入りで忙しい。
夜中に何度も入っては出て、入っては出て、そしてまた入る。
出る時は、いつの間にか勝手に出て行くが、
入る時は、ニンゲンを起こさなくてはならない。
・・・何故？ 勝手に入ってくれば良いのに。
色んな防寒布製品で、カオスだったベッド。
鈴がフミフミしている茶色ガウン。
鈴の好きだったモコモコ茶色ガウン。（鈴、ムッチムッチだな～）
結構デカ目のガウンで、
これを上掛けにして、鈴とお昼寝するのが好きだったなぁ。
まだ鈴の居る時に出したのだけど、
鈴は一度も使わないままで、洗って仕舞った。
・・・・・・・・・・。
これは9月10日の写真。
ベランダの、網戸の向こうの鈴。
鈴はベランダでの日向ぼっこが好きだったから、
10月の終わり頃、お天気の良いポカポカの日に、
抱っこしてベランダに出したのだけれど、
とても落ち着かないような、
ビクビクと怖がってるように思えた。
そういえば、写真の9月10日以降も、
ベランダに出ることは何度かあったが、
すぐにお部屋に戻って来てたんだった。
何かが不安で怖かった、のだろうか。
だから、
この日が最後の、ゆったりベランダ日向ぼっこだ。
居間には、先代の時から使ってた、
フードを置くプレートがある。
今はフードを置くことはないけれど、まだそのままだ。
傍には、爪とぎとじゃらしとボールも、置いたまま。
居間に座っていると、そのプレートの端っこが見える。
鈴がここで食べてる時は、下半身だけ見えていたっけ。
鈴はちょい食いのだら食いで、
ちょっと食べては、どこかへ行き、
また来て、ちょっと食べては、離れて行き、
それを何度も何度も。
しかも食べた後に再び来るまで、たいして時間はおかないのだ。
効率の悪い、不思議なヤツだなぁ、
と思っていたものだ。
カラのプレート。鈴はもう来ない。
視界の端に見えてたお尻としっぽ。
また見たいな。
・・・・・・・・・。
これは、9月5日の写真。
段ボール階段のお出ましだ。
9月にはもう、ベッドに一度に飛び乗ることが、
出来なくなっていたのか。
いつの間にかスマホに、
「1年前の今日の写真を見てみよう」
などという、写真付きメッセージが届くようになった。
ずっと無視してたのだけれど、一度くらいは見てみるか、
と思ったのは去年の12月30日の事。
添付写真を開いたら、
ありゃ・・・。
室内での写真はデジカメなので、
スマホで鈴を撮ることは殆ど無かったのに、
今まで無視してた案内を何故か開いたら、突然の鈴だ。
忘れないでと言われてるようだ。・・・が、
忘れないよぉ～。
この写真は友人から、猫の写真を送ってと言われたので、
スマホで撮ってすぐ送ったのだ。
12月30日のことだったのか。
うん、確かに冬だ。
寝袋の中にスマホを突っ込んで撮ったんだ。懐かしい。
・・・・・・・・・。
こちらはまだ夏。
シリンジ食事の場所は、
玄関から、徐々に室内に移行していった。
それがここ。
ＴＶ台とキャットタワーに挟まれた、狭い場所なのだ。
タワーの1段目の台に阻まれ、
身をかがめて、ご飯をあげてたんだ。
そしてこれが、9月3日の写真。
亡くなる２ヵ月前だ。
ベッドで過ごせてて、まだオムツもしていない。
でも、
表情がどれも硬く見えるのは、
この後の運命をニンゲンが知っているからなのか、
それとも、体の調子が変だと自分でも思っているからなのだろうか。
今、見返してみると、どれもリラックスした顔に見えないのだよ。
