夜、
カーテンの隙間からじーーーっと外を眺める。
この位置からだと、
マンション1階の専用庭は見れないだろう。
見れるのは多分、暗闇の中の駐車場と民家。
長時間見るようなものでもないと思うのだが?
先代もよくこうやって夜の外を眺めていた、
その記憶の後ろ姿が鈴と重なる。
時折鈴は、ニンゲンの足元で、
威勢よくゴロンと転がる。
そして
見つめる。
撫でろ、の合図である。
勿論、モフモフと撫でまくる。
威勢よく転がる。
そして、
待つ。
会社に行く時間に、これをやられると、
すみません、少し遅れます。
と連絡を入れたくなる。
それをやらないのは、
勿論、社会人の常識であるのと他に、
猫は突然撫でて欲しいモードに入ると同時に、
もう結構と、突然態度を覆すことが分かっているからだ。
ゴキゲンで撫でられてるかと思いきや、
そろそろいい加減にしたら?
と冷たい目線を浴びせるイキモノってど~よ?
と、常々理不尽に思いつつ、
だからこそ、甘えモードになった時には、
まだ5分やそこらは大丈夫、と自分に言い聞かせ、
会社に行こうとした足を止めて、
懸命に撫でまくるのである。
ああ、なんて悩ましい。