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【要望書25号】日本赤十字社に対する暖房器具設置に関する要望書

2011年10月21日 11時45分06秒 | とすねっとの要望書

10月17日に日本赤十字社に対する暖房器具設置に関する要望書を執行しました。

 

東日本大震災の被災者の救助に関する要望書

 

平成23年10月17日

とすねっと要望書第25号

日本赤十字社 御中

東京災害支援ネット(とすねっと)

代表 弁護士 森 川  清

(事務局) 〒170-0003東京都豊島区駒込1-43-14

SK90ビル302森川清法律事務所

TEL0120-077-311  FAX03-6913-4651

 

要 望 の 趣 旨

応急仮設住宅(仮設扱いの公営住宅及び民間賃貸住宅を含む)に入居している被災者で、エアコン以外の暖房器具が設置されてない被災者全世帯に対し、早急に暖房器具を設置するよう求めます。

 

要 望 の 理 由

1 当団体は,主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループであり,インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」などを通じて,被災者に必要な情報を提供したり,避難所や電話での相談活動を行っているものです。

2 さて東日本大震災及び福島原発の事故により避難されている方の避難生活も長期化し、まもなく冬を迎えようとしております。そこで、東日本大震災で被災された方々の生活を支援するため、災害救助法適用地域の被災者のために、「生活家電セット」(①洗濯機②冷蔵庫③テレビ④炊飯器⑤電子レンジ⑥電気ポットの6点)の寄贈事業を行っております貴社に、これらに加えて暖房器具を設置していただきたく要望するものです。

3 なお、この暖房器具の設置にあたっては、被災者が暖房器具の種類(例えば、ストーブ・ファンヒーター・コタツ・ホットカーペット等)を選択できるような方式にて設置できるよう要望いたします。

4 また、この「生活家電セット」は、被災者個人が直接貴社に申し込むことはできず、自治体の要請に基づいて配付されるものであると聞いております。しかしながら、自治体を介すると、設置まで相当な期間を要してしまいます。被災者に対しては迅速な対応を要するため、暖房器具につきましては、自治体からの要請を待たずに、貴社から生活家電セットの申込世帯に対し、暖房器具を設置するよう要望いたします。

以上


【要望22/再要望】「電気料金の免除に関する要望書」に対する回答についての意見

2011年10月11日 08時27分33秒 | とすねっとの要望書

とすねっと要望書第22号に対する東京電力(株)からの回答書に対し、以下の意見書を送付しました。

 

「電気料金の免除に関する要望書」に対する回答についての意見

 

平成23年10月11日

東京電力株式会社 御中

東京災害支援ネット(とすねっと)

代表 弁護士 森 川  清

(事務局)〒170-0003 東京都豊島区駒込1-43-14

SK90 ビル302 森川清法律事務所

TEL03-6913-4650 FAX03-6913-4651


意見の趣旨


1 貴社の回答は、電気料金免除の要望を無視するものであり、到底受け入れられません。

2 福島第1原子力発電所の事故または東日本大震災のため災害救助法の適用地域から東京電力管内に避難している被災者に対し、避難先の住宅等の電気料金を免除するよう重ねて要望致します。


意見の理由


1 わたしたちは、主に都内において東日本大震災及び福島第1・第2原子力発電所事故の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」を通じて被災者に必要な情報を提供するとともに、中央共同募金会その他の民間諸団体の協力を得て、無料の電話相談や、避難所や被災者に提供された公営住宅や旅館・ホテルでの訪問相談、避難者等に対する物資支援・子育て支援等の活動を行っております。


2 さて、平成23年9月29日に要望させていただいた件について、貴社からの平成23年10月7日付けでご回答をいただきました。しかし、その回答には電気料金の免除は盛り込まれず、被害者・被災者の方々にとって受け入れられるものではありません。そこで、下記の点について再度ご検討いただき、改めて福島第1原子力発電所の事故または東日本大震災によって避難している避難者全世帯に対し、避難先の住宅等の電気料金の免除を要望致します。


3 まず、貴社の避難者に対する電気料金に関する支援ですが、貴社の回答では避難指示等がなされた区域内から避難している方を対象としています。しかし、原発事故被害者の救済及び被災者支援という観点から、避難指示区域等内外を問わず、福島第1原子力発電所の事故または東日本大震災から避難されている全世帯を対象とすべきです。

  また、貴社は加害企業であり、大変な生活苦を背負わされている被害者に対する電気料金の免除の要望を公平性と欠くことを理由に退けることができる立場にありません。被害者の中には、福島県と首都圏とに家族が分かれ、二重生活を送っている方も多いのです。賠償請求を待たずに、避難費用の軽減措置を講じるのが、公共性を有する電気事業者の責務ではないでしょうか。

  次に、貴社は9月30日の申請により電気料金の支払いを猶予することとしたとしています。しかし、原発事故の被害者を救済する責任が貴社にあること及び避難者の避難生活の経済的負担を考慮すれば、電気料金の支払いを免除するのが当然です。

  なお、貴社の支払い猶予を今年の3~11月分までしか認めていません。今になって3月分の電気料金の支払いを猶予するといっても、多くの被害者・被災者は支払いを済ませてしまっており、貴社の猶予措置は意味を成しません。多くの被害者にとって実質的に猶予の意味があるのは、おそらく、わずかに9~11月分だけでしょう。しかも、苦しい避難生活は来年も続くことが必至であるのにもかかわらず、年が明ければ一挙に支払いが求められるのですから、そもそも被害者の支援策として実効性を持ちえません。

  そして、貴社は、避難者からの申出に応じて、猶予の措置を講じるとしています。しかし、このやり方では、避難者が申出をしない限り支払猶予を受けられないこととなり、申出をすべきことに気付かずに電気料金を支払った方との関係で、公平性を欠くおそれがあります。申出を求めることはやめるべきです。

以上


【要望22/回答】東京電力(株)から回答がありました

2011年10月11日 01時24分45秒 | とすねっとの要望書

 

東京電力からの、とすねっと要望書第22号に対する回答は、以下のとおりです。この回答に対しては、意見書を送付しております。

平成23年10月7日

東京災害支援ネット(とすねっと)

代表 弁護士 森川 清 様

東京電力株式会社

営   業   部

ご 回 答

 このたびは、弊社の原子力発電所の事故により、発電所の周辺地域の皆さまをはじめ、福島県民の皆さま、さらには広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしていることを、心より深くお詫び申し上げます。

 さて、平成23年9月29目付の「電気料金の免除に関する要議書」につきまして以下のとおりご回答いたします。

 弊社は、同事故にともない避難指示等がなされた地域から避難されたお客さまの、本賠償を行うまでの聞の電気料金のご負担を可能な限り軽減させていただくため、電気事業法第21条第1項ただし書きにもとづく供給約款等以外の供給条件(原子力災害対策特別措援法にもとづき避難指示等がなされた地域から避難された本賠償の対象となるお客さまに対する電気料金の特別措置)の設定を、平成23 年9月30日、経済産業大臣に申請し認可を受けております。お客さまにおかれましては、本特別措置をご活用いただきたく、ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

【ご参考】本特別措置の内容

◯ご移転先における支払期日の延長

<対象>

 平成23年3月11日以降避難指示等※がなされた地域から避難された本賠償の対象となるお客さまが、弊社供給区域内で需給契約を新たに締結される場合に、お客さまからのお申し出に応じて適用いたします。

※原子力災害対策特別措置法にもとづく、避難指示、屋内待避指示もしくは警戒区域、計画的避難区域または緊急時避難準備区域の設定

<措置内容>

 電気料金の支払期日(検針日の翌日から30日目)を、平成23年3月分は9ヶ月間、4月分は8ヶ月間、 5月分は7ヶ月間、6月分は6ヶ月間、7月分は5ヶ月間、8月分は4ヶ月間、9月分は3ヶ月間、10月分は2ヶ月間、11月分は1ヶ月間、それぞれ延長いたします。

 なお、このたびご要望いただきました電気料金の免除につきましては、弊社供給区域内の他のお客さまや弊社供給区域外に避難された方々との取扱いの公平性などを考慮すると、難しいものと考えております。

 弊社といたしましては、先ずもって、原子力発電所の事故について出来る限り早期に事態を収束すべく、最大限の努カを続けてまいるとともに、被害を受けられた方々への賠償につきましては、原子力損害賠償制度にもとづき、弊社として誠意をもって公正かつ迅速に対応してまいる所存でございますので、何卒ご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

以上

 


【要望24】原子力損害賠償紛争審査会の委員と電力業界との経済的関係(利益相反問題)に関する意見書

2011年10月07日 16時52分25秒 | とすねっとの要望書

 

原子力損害賠償紛争審査会の委員と電力業界との経済的関係(利益相反問題)に関する意見書

平成23年10月7日

とすねっと要望書第24号

原子力損害賠償紛争審査会 会長 能見善久 殿

東京災害支援ネット(とすねっと)    

代表 弁護士 森 川  清     

(事務局) 〒170-0003東京都豊島区駒込1-43-14

SK90ビル302森川清法律事務所    

TEL0120-077-311  FAX03-6913-4651

 

第1 意見の趣旨

1 原子力損害賠償紛争審査会の野村豊弘委員,大塚直委員について,委員の役職を解くべきである。

2 原子力損害賠償紛争審査会の委員全員の電力業界との経済的関係について直ちに公表し,経済的関係にある委員の役職を解くべきである。

 

第2 意見の理由

1 はじめに

 当団体は,主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループであり,インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」などを通じて被災者に必要な情報を提供したり,都内や被災地の避難所や電話での相談活動を行っている。

 

2 原子力損害賠償紛争審査会の委員の「日本エネルギー法研究所」からの報酬等の受領についての報道

 本年9月23日,原子力損害賠償紛争審査会の野村豊弘委員,大塚直委員が,「日本エネルギー法研究所」から毎月20万円程度の報酬を得ていたことが報道された。

 具体的には,野村豊弘委員は,本年4月から同研究所の理事・所長に就き,月額20万円程度の報酬を得ていた。大塚直委員も同研究所の研究部長として同額程度の報酬を得ていた(但し,6月末に辞任し,4~6月分の報酬を返納したとのことである。)。また,他に委員1人が同研究所の役職に就いていたが,委員就任に当たって役職を辞任したとのことである。

 同研究所は,昭和56年,原子力を中心にエネルギーを巡る法律問題について調査や研究を進める目的で設立されたもので,運営費のほとんどを電力会社9社でつくる「電力中央研究所」からの研究委託に頼っている。

 

3 原子力損害賠償紛争審査会における電力業界からの独立性確保の必要性

 現在,原子力損害賠償紛争審査会は,福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所にける事故(以下,「本件事故」という。)に関する被害者への損害賠償の指針を策定している。ここで策定される指針の内容は,本件事故に関して賠償金の支払義務を負う東京電力をはじめとする電力業界に大きく影響を及ぼすことになる。

 一般に,審議会や科学研究等において対象企業との経済的関係にある者は,その審議や研究において,対象企業にとって有利な評価等をする傾向にあり,審議や研究を歪めかねないことが指摘されており,それを明らかにした報告もある。「裁く者」が,「裁かれる者」から「金員」を受け取るのであるから,いわば当然のことである。

 したがって,仮に,東京電力をはじめ電力業界と経済的関係のある者が審議会の委員として審議,議決に加わることになれば,東京電力をはじめとする電力業界に有利な評価をし,審議を歪める危険がある。

 また,たとえ不正な目的を有していなくとも,対象企業との経済的関係が,公正・中立な判断を損う可能性があること,また少なくとも外部からみて公正さ中立性が損なわれているように見えることは適切でないということは,言うまでもない。

 そのため,最近では,審議や研究に際して,こうした経済的関係を開示すること,内容,金額等に応じて審議や議決の参加に規制を加えることなどは世界的に広く行われているところである。

 よって,原子力損害賠償紛争審査会の審議においては,被害救済の見地から,電力会社を含む電力業界から独立性を担保されなければならない。

 特に,原子力損害賠償紛争審査会は,現在,本件事故に伴うに関する被害者への損害賠償の指針のみを議論をしているのであるから,経済的関係のある委員は委員として議論,議論に参加すべきではない。

 なお,国家公務員倫理法及び同規程においては,国家公務員が利害関係者から金銭,物品又は不動産の贈与を受けることをはじめ未公開株式を譲り受けること等を禁止している[国家公務員倫理規程第3条]など公務員と事業者との経済的関係につき禁止等の規制を加えている。審査会の委員は,公務員ではないとはいえ,その公益性の高さ故に,こうした法規制と同様の高い倫理性が求められているのである。

 

4 電力業界との経済的関係が明白であること

 ところが,今般,2で述べたように,原子力損害賠償紛争審査会の野村豊弘委員,大塚直委員が,「日本エネルギー法研究所」から毎月20万円程度の報酬を得ていたことなどが明らかとなった。

 「日本エネルギー法研究所」が電力会社9社から作られる組織である「電力中央研究所」からの研究委託費で運営されているということは,電力中央研究所というクッションを置きながらも,実質的には,電力会社からの研究委託費を受領していたことになる。この事実からして,野村豊弘委員,大塚直委員と電力業界との経済的関係が存在することは明らかである。

 しかも,問題であるのは,平成23年8月5日に「東京電力株式会社福島第一,第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」(以下,「中間指針」という。)が策定された後に,この経済的関係の問題が明らかになったということである。

 電力業界と経済的関係にある者が委員にいることが明らかにされないままに中間指針が策定されてしまったのである。これでは,本件事故により甚大な被害を被り,過酷な避難生活を余儀なくされている多くの被害者の信頼を損ねることになる。

 この点,報道によると所管する文部科学省原子力損害賠償対策室は「会議は公開で行われており,東電寄りの立場を取るとは考えられず,中立性は確保されている。」と説明しているとのことである。

 しかし,会議が公開であることと経済的関係の問題は,全く関係ないことであり,筋違い甚だしいものと言うべきである。しかも,現に,中間指針については,現状回復,完全賠償の見地から,きわめて不十分であることは,当団体の平成23年9月27日付「東京電力株式会社福島第一,第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」に対する意見書をはじめ,様々な団体が指摘するところである。

 

5 委員全員の電力業界との経済的関係について直ちに公表すべきこと

 また,報道によれば,氏名は公表されていないが他に委員1人が同研究所の役職に就いていたことが報じられているが,その委員が具体的に誰か明らかにされていない。

 また,他の委員についても,電力業界との経済的関係について,その有無,内容等について,何ら明らかにされていない。

 このような事態は,本件事故の被害者のみならず,国民全体に対する裏切りであり,原子力損害賠償紛争審査会への信頼を大きく損ねることになる。

 したがって,原子力損害賠償紛争審査会におかれては,委員全員と電力業界との経済的関係を明らかにすべきである。なお,この経済的関係の問題については,いかなる形であれ研究,審議を歪めることになりかねないのであるから,報酬,講師料,寄付金講座などどのような体裁も問題となるのである。

 そして,電力業界と経済的関係にある者については,委員の役職を解くべきである。

 

6 結語

 よって,意見の趣旨記載のとおりの対応を求める次第である。

以上

 


【要望書23】「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」の改善・運用に関する要望書

2011年10月01日 10時56分24秒 | とすねっとの要望書

本日郵送にて執行しました。

「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」の改善・運用に関する要望書

平成23年10月1日

とすねっと要望書第23号

 

一般社団法人個人版私的整理ガイドライン運営委員会

理事長 高 木 新二郎 様

 

東京災害支援ネット(とすねっと)

代表 弁護士 森 川  清

(事務局)             

170-0003東京都豊島区駒込1-43-14

SK90ビル302森川清法律事務所

TEL0120-077-311

 

要望の趣旨

1 被災地である沿岸部の市町村において、登録専門家の常駐ないしは常駐に準ずる措置をとるなどして、できる限り地元において相談・私的整理を受けられるような態勢をとってください。

2 弁済計画案の策定にあたっては、債務者がこれまでと同等の再度の住宅ローンを組んだり家賃を支払ったりしながら従前の生活水準を確保できるだけの余力を残して、弁済計画を策定できるように運用してください。

3 本ガイドラインの対象とならない債務者およびガイドラインによる債務整理が不成立に終わった債務者への対応として、自己破産、個人再生などの法的手続を相当とする事案については、以下の措置をとってください。

   自己破産、個人再生などの法的手続および相談窓口を助言してください。

   各地の弁護士会に受皿としての明示された相談窓口を設置するよう求めてください。

   ①についてガイドラインに明記してください。

 

要望の理由

 わたしたちは、主に都内において東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」を通じて被災者に必要な情報を提供するとともに、中央共同募金会その他の民間諸団体の協力を得て、無料の電話相談や、避難所や被災者に提供された公営住宅や旅館・ホテルでの訪問相談、避難者等に対する物資支援・子育て支援等の活動を行っております。

わたしたちは、貴団体の公的活動には敬意を評するとともに、貴団体の活動を通じて多くの債務者が救済されることを期待しております。

東日本大震災で被災して債務負担に困っているすべての被災者が救済されなければなりません。標記ガイドラインに基づく私的整理はその一部を担う重要なものとなります。そこで、上記私的整理によって多くの被災者が救済され、かつ、救済対象とならなかった被災者も何らかの救済が受けられるよう、以下のとおりの措置がなされるよう強く要望いたします。

 

1 救済における門戸の拡大

 東日本大震災は東北地方太平洋沿岸部に大きな被害をもたらしており、本ガイドラインは、被災した「債務者の債務整理を円滑に進め、もって、債務者の自助努力による生活や事業の債権を支援し、ひいては被災地の復興・再活性化に資することを目的」としています。そうであれば、被災地である沿岸部の市町村において単に説明会・相談会を実施するだけでなく、登録専門家の常駐ないしは常駐に準ずる措置をとるなどして、できる限り地元において相談・私的整理を受けられるような態勢をとるべきです。

 

2 弁済計画案の内容について

 弁済計画案の策定にあたっては、標記ガイドライン第7項(2)①ロにおいて、「…弁済の総額は、債務者の収入、資産等を考慮した生活実態等を踏まえた弁済能力により定められるものとし、また、破産手続による回収の見込みよりも多くの回収を得られる見込みがあるなど、対象債権者にとって経済的な合理性が期待できる内容としなければならない」と定めております。また、標記ガイドライン第3項(4)では、「破産手続や民事再生手続と同等額以上の回収を得られる見込みがあるなど、対象債権者にとっても経済的な合理性が期待できること」と記載されております。

 必ずしも基準が明確ではありませんが、私的整理の目的および上記記載からすれば、債務者がこれまでと同等の再度の住宅ローンを組んだり家賃を支払ったりしながら従前の生活水準を確保できるだけの余力を残して、弁済計画を策定する必要があると考えられます。運用上の処理となりますが、この点を強く要望いたします。

 

3 対象とならない債務者およびガイドラインによる債務整理が不成立に終わった債務者への対応について

 本ガイドラインに基づく相談者が、ガイドラインによる私的整理の対象となる債務者であるとは限りません。また、本ガイドラインによる債務整理が債権者の積極的同意を必要としていることから、不成立で終了する可能性も否定できません。

そのような場面で救済を求めた債務者についても救済がなされるべきですから、申立ての段階においても、さらに上記私的整理手続に入った後においても、自己破産、個人再生などの法的手続を相当とする事案については、単に申立てを拒絶したり手続を中途で終了したりしないように、①自己破産、個人再生などの法的手続および相談窓口を助言すること、②各地の弁護士会に受皿としての明示された相談窓口を設置させること、③その旨をガイドラインに明記すること、を要望いたします。

以上


【要望書22/東電】電気料金の免除に関する要望書

2011年09月29日 11時48分20秒 | とすねっとの要望書

平成23年9月29日午前10時に東京電力(株)に被害者5名とともに出向き、下記要望書を執行しました。

付番がありませんが、とすねっと要望書第22号です。

電気料金の免除に関する要望書 

 

平成23年9月29日

東京電力株式会社 御中

 

東京災害支援ネット(とすねっと)

代表 弁護士 森 川  清

(事務局) 〒170-0003東京都豊島区駒込1-43-14

SK90ビル302森川清法律事務所

TEL03-6913-4650  FAX03-6913-4651

要 望 の 趣 旨

 福島第1原子力発電所の事故または東日本大震災のため災害救助法の適用地域から東京電力管内に避難している被災者に対し、避難先の住宅等の電気料金を免除するよう要望致します。

 

要 望 の 理 由

1 わたしたちは、主に都内において東日本大震災及び福島第1・第2原子力発電所事故の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」を通じて被災者に必要な情報を提供するとともに、中央共同募金会その他の民間諸団体の協力を得て、無料の電話相談や、避難所や被災者に提供された公営住宅や旅館・ホテルでの訪問相談、避難者等に対する物資支援・子育て支援等の活動を行っております。

2 東北電力管内である福島県の住民は、県内に東京電力の原子力発電所がありながら、そこで作られた電気は一切使用することはできませんでした。そして、自分たちが使用しない電力を作る東京電力の原子力発電所の事故により、環境が放射能で汚染された結果、原子力発電所の周辺の方たちはこれまでのような日常生活を送ることが困難となってしまいました。福島県を離れ、東京電力管内での避難生活を送っている方々は、東京電力の事故で故郷を追われたにもかかわらず、東京電力に電気料金を支払わなければならない状況です。ただでさえ負担のかかる被災者の避難生活に、さらに負担をかけてしまいます。

3 また、東日本大震災の被災者も、長期の避難生活により苦しい生活を送っており、東京電力は、ライフラインを供給する事業体の責務として、被災者に対し、経済的な支援を行う必要があります。

4 よって、福島第1原子力発電所の事故または東日本大震災によって避難している広域避難者に対し、避難先の住宅等の電気料金の免除を要望致します。

以上

 


【要望書21】中間指針に対する意見書(対原賠審、東京電力)

2011年09月27日 17時17分06秒 | とすねっとの要望書

とすねっとが作成した中間指針に対する要望書を執行いたしました。

 

「東京電力株式会社福島第一,第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」に対する意見書

 

とすねっと要望書第21号

平成23年9月27日

原子力損害賠償紛争審査会 会長 能見善久 殿

東京電力株式会社 社長 西澤俊夫 殿

東京災害支援ネット(とすねっと)

代表 弁護士 森 川  清

(事務局) 〒170-0003東京都豊島区駒込1-43-14

SK90ビル302森川清法律事務所

TEL0120-077-311  FAX03-6913-4651


第1 意見の趣旨

1 原状回復,完全賠償の見地から,「東京電力株式会社福島第一,第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」について,主に以下の点を改めるべきである。

① 「必要かつ合理的範囲」については,通常の日常生活の場面よりも柔軟に解釈すべきであり,損害拡大防止義務も安易に要求すべきではない。

② 避難区域等内外を問わず,賠償の対象とすべきである。

③ 精神的損害に対する慰謝料は,低額に過ぎるので,改めなければならない。

④ 生活費増加分は,すべて精神的損害に対する慰謝料とは別の賠償の対象とすべきである。

⑤ 財物の客観的価値の範囲内であるか否かにかかわらず,除染費用は支払われるべきである。

2 東京電力は,1を踏まえ,中間指針の範囲にとどまらず,加害責任に基づき原状回復,完全賠償を行うべきである。


第2 意見の理由

1 はじめに

 当団体は,主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループであり,インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」などを通じて被災者に必要な情報を提供したり,都内や被災地の避難所や電話での相談活動を行っている。


2 福島原発事故による被害回復の原則[原状回復と完全賠償]

 平成23年3月11日に発生した福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所にける事故(以下,「本件事故」という。)は,広範囲にわたる放射性物質の放出をもたらし,現在もなお終息の目処はたっていない。

 そして,多くの人々が,避難生活を余儀なくされ,あるいは,事業活動の断念を強いられてしまい,日常生活,地域コミュニティー,環境までもが破壊され,いまだに回復の見通しすら立たないどころか,被害が拡大している状況にある。

 本件事故は,決して想定外の災害による事故ではない。過去に多くの専門家,市民から脆弱な防災対策(特に地震・津波)について再三にわたり指摘されていたにもかかわらず,これを無視し続けた結果引き起こされたものであり,事業者である東京電力及び事業を許可し続けた国の加害責任は重大である。

 加害責任を負うものが被害者に対して行なうべきは,被害回復である。第一義的には,原状回復である。被害者の多くは元の生活し,事業を行い,地域社会を復活させることを望んでいる。そして,原状回復し得ない損害に対しては,金銭賠償をしなければならない。そして,本件事故の責任は,東京電力,国にあるのであり,被害者は何ら落ち度のないままに,このような過酷な生活に追い込まれたのであるから,完全賠償がなされなければならない。

 したがって,東京電力及び国は,加害責任を負うものとして,本件事故によって発生した被害の原状回復,回復し得ない被害に対する完全賠償を行なわなければならない。


3 原子力損害賠償紛争審査会による中間指針及び問題点

(1) 中間指針について

 原子力損害賠償紛争審査会は,平成23年8月5日,「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」(以下,「中間指針」という。)を策定した。

 中間指針は,賠償すべき損害と認められる一定の範囲の損害類型を一定程度具体的に明らかにしている。

 しかし,その内容は,完全賠償,原状回復にはほど遠いものである。

 そして,東京電力は,これを踏まえて,本賠償の方針を示したが,その内容は,中間指針以下の内容となっている。

 中間指針の問題点については多岐にわたるが,以下,主立った点について,論ずる。


(2) 「必要かつ合理的範囲」,損害拡大防止義務について

 中間指針は,あらゆる項目において,「必要かつ合理的範囲」が賠償の対象であるとする。また,中間指針の「第2各損害項目に共通する考え方」「1」では,「・・・被害者の側においても、本件事故による損害を可能な限り回避し又は減少させる措置を執ることが期待されている。したがって、これが可能であったにもかかわらず、合理的な理由なく当該措置を怠った場合には、損害賠償が制限される場合があり得る点にも留意する必要がある。」とし, 被害者に対しても損害拡大防止義務を要求している。

 しかし,本件事故の被害者は,何ら落ち度のないままに,突然の甚大な放射能汚染により,生活の基盤を失った者である。しかも,放射能汚染の程度,将来的影響について,

まだ解明がなされていない状況にあるし,東京電力や国からも充分なデータが公表されてきていない。そのため,多くの被害者が不安な状況に追い込まれている。

 したがって,「必要かつ合理的範囲」の判断基準や何を以て損害拡大防止につながるかすら明らかでない。また,こうした不安定な生活状況では,日常生活の場面とは異なり,必ずしも合理的行動をとれないこともあり得る。そして,このような事態は,被害者に帰因するのではなく,本件事故がもたらしたものである。したがって,「必要かつ合理的範囲」,損害拡大防止義務を根拠に被害者に対する賠償を狭めることは完全賠償の見地からも許されない。

 よって,「必要かつ合理的範囲」については,通常の日常生活の場面よりも柔軟に解釈すべきであり,損害拡大防止義務も安易に要求すべきではない。


(3) 避難区域等内外を問わずに賠償をすべき

 中間指針は,「第3 政府等による避難等の指示等にかかる損害について」[対象区域]において,対象区域について,避難区域,屋内退避区域,計画的避難区域,緊急時避難準備区域,特定避難勧奨地点,地方公共団体が住民に一時避難を要請した区域(以下まとめて,「避難区域等」という。)としている。そして,同[避難等対象者]において避難等対象者として,本件事故後に避難区域等から避難区域等外へ避難等を余儀なくされた者(但し,平成23年6月20日以降に緊急時避難準備区域(特定避難勧奨地点を除く。)から同区域外に避難を開始した者のうち,子供,妊婦,要介護者,入院患者等以外の者を除く。)や屋内退避区域内で屋内退避を余儀なくされた者などとしている。

 すなわち,本件事故時に避難区域等外に生活の本拠があった者については,一律に対象外としている。

 しかし,本件事故による放射能汚染は,避難区域等に止まらず,広範囲に及んでいるのであり,放射能による住民の生命,身体に対する影響は否定し得ない。子どもや妊婦などについては尚更である。

 避難区域等外を生活の本拠としていた者が,自身や家族の生命・身体に対する影響を懸念して避難することは,低線量の放射能についての身体的影響について諸説あるとしても,予防原則にたてば極めて合理的な行動である。

 また,避難していない者にとっても,放射能汚染の影響により,人の流出や事業の悪化などが生じて,日常生活や地域社会に悪影響を及ぼされていることも少なくないし,放射能汚染に対する精神的苦痛も甚大である。

 したがって,避難区域等内外にかかわらず,本件事故による放射能汚染による被害は現実に発生しているのであり,避難区域等外に生活の本拠があった者を一律に対象外とすることは,完全賠償の理念に反するものである。

 よって,避難区域等内外を問わず,本件事故による被害者は賠償の対象とすべきである。


(4) 精神的損害に対する慰謝料が低額である

 中間指針は,「第3 政府等による避難等の指示等にかかる損害について」[損害項目]「6 精神的損害」において,避難等による精神的損害に対する慰謝料について,本件事故から6ヶ月間は一人月額10万円(避難所等においては12万円),6か月から1年までは一人月額5万円を目安としている。

 しかし,この10万円とする根拠が自動車賠償責任保険における慰謝料を参考にした上とするが,交通事故の実務でさえ自動車賠償責任保険の慰謝料は低額に過ぎるとされることに加え,その月額換算分(12万6000円)をも下回っている。また,避難生活の長期化は,被害者の苦痛を強めることはあっても,これを緩和させる事情はないのであり,6ヶ月以降を半額とすることには合理性がない。

 しかも,中間指針は,「第3 政府等による避難等の指示等にかかる損害について」[損害項目]「2 避難費用」において,生活費の増加費用について,原則として,精神的損害と一括して一定額を算定するとし,別個の請求ができないとする。つまり,上記慰謝料に生活費増加分が含まれることになる。

 しかし,避難者の中には家族が分断させられて,生活費,交通費,通信費等が著しく増加しているのが実情である。これを上記慰謝料と一括するということは,上記慰謝料のうち実質的な慰謝料相当部分はより低くなることになる。それどころか,場合によっては,生活費増加分が上記慰謝料を上回るにもかかわらず,賠償がなされないという結果が生じかねない。このような基準は,完全賠償の理念に反する。

 よって,精神的損害に対する慰謝料は改めなければならない。また,生活費増加分についても,別途賠償の対象としなければならない。

 

(5) 客観的価値にかかわらず除染費用を支払うべきである

 中間指針は,「第3 政府等による避難等の指示等にかかる損害について」[損害項目]「10 財物価値の喪失又は減少等」において,財物(動産,不動産等)に関する除染等の費用はについて,原則として当該財物の客観的価値の範囲内のものとする(文化財,農地等代替性がない財物を除く)。

 しかし,文化財や農地等以外にも,例えば築後相当期間が経過した建物などのように除染費用よりも当該財物の取引価格が低額なものはいくらでも存在するし,経済的価値にその所有者にとってはかかわらずかけがえのないものも存在する。

 こうした除染費用を認めないことは,被害回復の基本的理念である原状回復に反するものというべきである。

 よって,除染費用は,当該財物の客観的価値の範囲内であるか否かにかかわらず,支払われなければならない。


4 まとめ

 よって,原子力損害賠償紛争審査会は,今後策定するであろう最終的な提言において,意見の趣旨1に掲げた中間指針の問題などを改善し,東京電力,国の加害責任に基づいた原状回復,完全賠償を実現させる内容にすべきである。

 また,東京電力は,中間指針の範囲にとどまらず,加害責任に基づいた原状回復,完全賠償を行うべきである。

以上

 


【対東京都】東日本大震災の被災者の支援に関する要望書

2011年08月23日 01時31分27秒 | とすねっとの要望書

8月22日に都市整備局を訪れ、要請しました。

東日本大震災の被災者の支援に関する要望書

 

                             

東京都知事 石原慎太郎 殿

 

とすねっと要望書第20

平成23822

 

                  東京災害支援ネット(とすねっと)

                                                代表    森   川   

                                   (事務局)                

                                   170-0003 東京都豊島区駒込1-43-14

                                              SK90ビル302森川清法律事務所内

                                                電話:080-4322-2018

 

第1 要望の趣旨

1 東京都は、日本赤十字社が東日本大震災の被災者に配付している「生活家電セット」(洗濯機、冷蔵庫、テレビ、炊飯器、電子レンジ、電気ポット)について、被災者が応急仮設住宅と同様に活用する公営住宅、民間賃貸住宅等に入居した際には、ただちに上記生活家電セットの配付を受けられるよう対処されたい。

2 東京都は、被災者向けの公営住宅や、東京都が借り上げる民間賃貸住宅に入居する被災者のみならず、これらの被災者向け住宅の提供を受けずに独自に都内に住宅を確保した被災者に対しても、上記生活家電セットが配付されるよう、対処されたい。 

 

第2 要望の理由

1 わたしたちは、主に都内において東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」を通じて被災者に必要な情報を提供するとともに、中央共同募金会その他の民間諸団体の協力を得て、無料の電話相談や、避難所や被災者に提供された公営住宅や旅館・ホテルでの訪問相談、避難者等に対する物資支援・子育て支援等の活動を行っております。

2 ご承知のとおり、日本赤十字社は、海外赤十字社・赤新月社を通して集められた海外救援金を財源として、各自治体を通じて、応急仮設住宅及び同様に活用する公営住宅、民間賃貸住宅などに入居される被災者に対して、生活家電セットの寄贈事業を行っております。この寄贈事業は洗濯機・冷蔵庫などの生活に必要な家電製品を提供するものであって、自治体を通じて行っていることから、被災者に対する生活支援の一翼を担うものとなっております。

  ところが、東京都内においては、配付当初より、公営住宅等の入居時に生活家電セットが届かないという問題が顕在化し、現在に至るまで改善しません。8日現在では、都内対象者の4分の1の世帯にしか支給されていません。入居から配付まで2か月程度も待たされた被災者の方もおります。

  特に、洗濯機や炊飯器は、東京都が被災者向け住宅に配備する生活必需品に入っていない上、生活に欠かせない家電製品であることから、被災者の皆さんは日本赤十字社の生活家電セットの配付を頼りにしています。しかし、汗だくになるような酷暑が続いたにもかかわらず、上記のとおり、いまだに生活家電セットの配付を受けられない家庭がたくさんあります。これらの被災者は、コインランドリーで費用のかさむ不便な洗濯を強いられており、避難生活困窮化の一因となっています。あまりに配付が遅いので、しびれを切らせて洗濯機等を買ってしまった被災者もいます。

  こうした遅れの原因は、東京都が被災者の入居後に生活家電セットの要望の調査を行っていることと、日本赤十字社における作業の遅れにあると考えられます。

  そこで、東京都においては、被災者が公営住宅や民間借り上げ住宅に入居する前に被災者の要望を聞き取り、少しでも早く生活家電セットは配付されるよう対処していただきたい。そして、生活家電セットの配付状況を早急に調査し、洗濯機等が早急に配布されるよう日本赤十字社に強く要請することを強く求めます。

3 また、東京都内には、公営住宅や民間賃貸住宅の借上げ以外のルートで住宅を確保した被災者もいます。その中には借上げ住宅への切替えが容易でない方も多数いるものと考えられます。これらの方々も、被災地から避難している方であることには変わりがありません。

  東京都においては、公営住宅や借上げ住宅に入居してない方々であっても、上記生活家電セットの対象者に加えるべきです。そして、これらの方々にも平等に上記生活家電セットがゆきわたるよう、日本赤十字社に配付を要請するべきです。

  そのため、東京都は、公営住宅や借上げ住宅以外の住宅に避難している被災者に対し、生活家電セットの必要性ならびに配付の希望を早急に調査すべきです。そして、東京都は、これらの方々から生活家電セットの配付の希望があった場合には、早急に配付がなされるよう適切に対処すべきであると考えます。

4 よって、東京都に対し、要望の趣旨記載のとおり、要望致します。

以上


【対いわき市】仮設住宅(借上げ住宅含む)に関する要望書

2011年08月23日 01時29分25秒 | とすねっとの要望書

アップが遅くなりましたが、とすねっと要望書第19号です。

 

仮設住宅(借上げ住宅含む)に関する要望書

とすねっと要望書第19

平成23年 7月 19日

福島県知事 佐藤雄平 殿

いわき市長 渡辺敬夫 殿

東京災害支援ネット(とすねっと)

代表 弁護士 森 川  清

(事務局) 〒170-0003東京都豊島区駒込1-43-14

SK90ビル302森川清法律事務所

TEL03-6913-4650  FAX03-6913-4651

 

要 望 の 趣 旨

応急仮設住宅(借上げ住宅含む)に入居する被災者に対して,災害救助法で定める建物附帯設備雇(ガス台,電球・電灯等)及び生活必需品(寝具,鍋・炊飯器・食器等)の給付・貸与の徹底を求めます。

 

要 望 の 理 由

1 当団体は,主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループであり,インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」などを通じて,被災者に必要な情報を提供したり,避難所や電話での相談活動を行ったりしています。

  ところで,当団体に寄せられる相談の中に,「借上げ住宅に入居することになったが,ガス台,鍋・釜・食器等,カーテンがなく,所持金も乏しく購入できずなかなか転居できない」という趣旨の相談が少なからずあります。しかし,これら生活必需品は災害救助法における給付又は貸与の対象であるので,速やかに給付してください。

 災害救助法は,単に第23条により「応急仮設住宅」の供与を定めるだけですが,同条3項は,救助の程度,方法及び期間に関しては政令に委任していることから,「災害救助法による救助の程度,方法及び期間並びに実費弁償の基準(平成12331日厚生省告示第144号)」(以下「平成12年省令」という。)等,政省令により具体的な救助の内容を決することになります。

併せて,運用にあたっては,政省令の解釈を示した,「災害救助の運用と実務-平成18年度版-(第一法規)」(以下「運用と実務」という。)を参考にすべきところです。

3 さて,まず,応急仮設住宅は,住宅の全壊等により「居住する住家がない者であって,自らの資力では住宅を確保することができない者」に対して供与されることになるので,「その性格から,何も準備もない者が,直ぐに入居して使用できるように,最低限度の整備はなされているのが通常」であるので,応急仮設住宅設置のために支出できる費用の算定として,風呂および給湯器,電気設備及びガス設備(ガス台含む),等と建物附帯設備として設置が認められています(運用と実務279頁)。

4 次に生活必需品は,応急仮設住宅供与の有無にかかわらず認められています(平成12年省令4条)が,避難所においては,生活必需品の内,炊き出しその他食品の給付により,食事の需要を満たしていたことから,鍋・釜(炊飯器)等は,避難所で直ちに給付・貸与されていなかったものと思われます。したがって,仮設住宅に入居する際に,他施策(日赤6点セット)で給付された物品を除き給付されるべきです。

  同様に,カーテンについても明記がないとしても,遮光は熱中症の予防にもなり,仮設住宅で生活するうえで不可欠であるので,同様に給付・貸与することに何の問題もありません。

  この点について,附帯設備を解説した,運用と実務279頁に「電球,電灯の傘,ガス台等については,被服,寝具その他生活必需品で対応することも勿論差し支えないが,この場合,同費用で応急仮設住宅にあらかじめ整備して入居させるか,入居後も直ちに給付または貸与するように留意すること。」とあり,未給付であれば直ちに給付すべきとしています。

5 この建物附帯設備及び生活必需品に関する通知や解説は,当然に借上げ住宅にも及ぶので,直ちに「要望の趣旨」記載の物品の給付を求めます。

 

以上


【要望書】東日本大震災の被災者の救助に関する要望書(いわき市あて)

2011年07月01日 20時48分45秒 | とすねっとの要望書

東日本大震災の被災者の救助に関する要望書

 

とすねっと要望書等第18号

平成23年7月1日

福島県知事 佐藤雄平 殿 

いわき市長 渡辺敬夫 殿 

独立行政法人雇用・能力開発機構 御中 

東京災害支援ネット(とすねっと)

代表 弁護士 森 川  清

(事務局) 〒170-0003東京都豊島区駒込1-43-14

SK90ビル302森川清法律事務所

TEL03-6913-4650  FAX03-6913-4651

 

要 望 の 趣 旨

雇用促進住宅に入居又は入居予定の被災者のために、未だエアコンが設置されてない雇用促進住宅に対し、早急にエアコンを設置するよう求めます。

 

要 望 の 理 由

1 当団体は,主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループであり,インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」などを通じて,被災者に必要な情報を提供したり,避難所や電話での相談活動を行っているものである。

 

 厚生労働省は、夏季に向かい気温の高い日が続くこれからの時期に備え、熱中症予防の普及啓発・注意喚起の取組を推進しています。特に高齢者など熱中症にかかりやすい方々を中心に、地方自治体と連携して、こまめな水分補給、エアコン等の使用などの熱中症の予防法について広く呼びかけています。

 

3 さらに、災害救助法の弾力運用として、民間賃貸住宅、空き家、公営住宅等を借上げて応急仮設住宅として提供した場合のエアコン等の附帯設備については、通常は、家賃等の中で当該費用相当を上乗せし国庫負担とすること、また、エアコン等が設置されていない住宅について、その住宅の所有者・管理者が新たにエアコン等を設置した場合には、通常、家賃等の中で設置に相当な費用を国庫負担の対象とし、これにより対応が困難な場合で、都道府県が住宅の所有者・管理者に対して相当の設置費用を支出した場合には、国庫負担の対象とすることとして差し支えない旨を、各都道府県にあて通知しております。

 

4 高久公民館の被災者で雇用促進住宅への入居が決定している方の話によりますと、雇用促進住宅にはエアコンが設置されておらず、また、今後設置する予定もないと伺いました。先日よりの猛暑で、既に多くの方が熱中症で救急搬送されております。また、今後猛暑日が続くことも予想されておりますため、このまま何らの対策を講じなければ被災者の命に関わります。被災者が熱中症にならず、安心して生活が出来る環境を早急に整えるよう要請致します。

以上

 


【要望書】東日本大震災の被災者の救助に関する意見書(東京都あて)

2011年07月01日 20時42分29秒 | とすねっとの要望書

東日本大震災の被災者の救助に関する意見書

とすねっと要望書第17 

平成23629 

東京都知事石原慎太郎 殿

東京都都市整備局住宅政策推進部 御中

東京都総務局総合防災部 御中

東京災害支援ネット(とすねっと)

代表 弁護士 森 川  清

(事務局) 〒170-0003東京都豊島区駒込1-43-14

SK90ビル302森川清法律事務所

TEL080−4322−2018

意 見 の 趣 旨

都営住宅に入居している被災者で、未だエアコンが設置されてない被災者の全世帯に対し、早急にエアコンを設置するよう求めます。

意 見 の 理 由

1 当団体は,主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループであり,インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」などを通じて,被災者に必要な情報を提供したり,避難所や電話での相談活動を行っております。

 

 厚生労働省は、夏季に向かい気温の高い日が続くこれからの時期に備え、熱中症予防の普及啓発・注意喚起の取組を推進しています。特に高齢者など熱中症にかかりやすい方々を中心に、地方自治体と連携して、こまめな水分補給、エアコン等の使用などの熱中症の予防法について広く呼びかけています。

 

3 この度、都営住宅などの応急仮設住宅についてもエアコンを設置することとされましたが、都営住宅に避難されている被災者全世帯にエアコン設置が完了するまで、まだ相当時間を要すると聞きました。しかし、総務省消防庁によれば、東京都においても、平成23620日から26日までの1週間に熱中症のために160人が救急搬送されております。都営住宅には熱中症にかかりやすい乳幼児や高齢者の被災者が数多く入居しています。被災者が熱中症にならず安心して生活が出来る環境を早急に整えるよう要請致します。

以上

 


【要望書】訓練・生活支援給付に関する要望書

2011年06月28日 20時13分43秒 | とすねっとの要望書

厚生労働相に対して執行するとともに、労働政策審議会職業能力開発分科会委員に参考送付しました。

 

訓練・生活支援給付に関する要望書

厚生労働大臣 細川律夫 殿

労働政策審議会職業能力開発分科会 御中

とすねっと要望書第16

平成23627

 

              東京災害支援ネット(とすねっと)

                              代表    森   川    清     

                              (事務局)                               

                              170-0003 東京都豊島区駒込1-43-14

                                         SK90ビル302森川清法律事務所内

                              電話:080-4322-2018

第1 要望の趣旨

   東日本大震災における求職者支援制度での震災対応の追加的措置として、訓練・生活支援給付の支給の対象者を世帯の主たる生計者以外にも拡充し、申請時点での世帯全体の年収要件を緩和してください。 

第2 要望の理由

1 わたしたちは、主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」を通じて被災者に必要な情報を提供し、避難所や電話での相談活動を行っております。

2 私たちが支援活動に当たっている避難者には、乳幼児を始めとする子どもの放射線被ばくを恐れて都内に避難している母親が多数いらっしゃいます。そのうち、特に生計を維持するために父親が福島県に残って仕事をするという二重生活を強いられているケースも多数あります。

  また、夫婦で都内に避難している人で、世帯主である夫が就職できたものの妻が就職できずに苦労しているケースもあります。

3 上記の母親たちが就労するにも、避難して見知らぬ土地で不安定な生活をせざるを得ない負担の大きさ、保育サービスの利用も必ずしもスムーズにいかないこと、家族やコミュニティと離れることで生活や子育てにも不安が強くなること、求職する側も偏見を持って対応し求職する避難者の意欲をそいでいくこと(例えば「福島にすぐ帰るんですよね」などと心ない言葉が投げかけられて不採用となった人もおります)など、雇用状況がよくない現状において、求職する被災者の負担、求職・就労における不利は極めて大きくなっています。

  就職に向けての導入として、都内に避難してきた被災者について職業訓練を実施する意義は大きいものです。

4 しかし、二重生活をすることで生計が厳しい状態にあったり、夫婦で避難して世帯主が就職しても低収入だったりしており、避難者が生活費の保障なしに職業訓練を受ける余裕はありません。

  このままの状態では最も職業訓練をすることが望ましい人たちに職業訓練の機会を与えないに均しいと言っても過言ではありません。

5 現在、労働政策審議会職業能力開発分科会において、求職者支援制度での震災対応として被災者の訓練受講機会の拡充について検討がなされていることからすれば、二重生活を強いられるなどしている被災者が求職者支援制度を利用できるよう改善がなされるべきです。

6 このことは、国連の「国内強制移動に関する指導原則」23−4からも要求されるものと言えます。

  同原則の主体である国内避難民には避難を「余儀なくされた者」も含まれており、予防原則の観点からすれば、30キロ圏外からの避難者も、その多く(特に子ども及びその養育者や妊婦)が国内避難民といえます。

  そうであれば、同原則23−4「教育および訓練の施設については、条件が許す限り速やかに、キャンプに居住しているか否かにかかわらず国内避難民(特に未成年者および女性)にとって利用可能なものとする」ことからすれば、父親と離れて暮らしている女性である母親が職業訓練を受ける条件を整備すべきこととなります。

7 よって、避難者が二重生活を強いられ家計が圧迫されたり世帯主が低収入であったりすることなどから避難者の生活の負担が増大していますので、東日本大震災の被災者については、特例として①世帯主以外の者を支給の対象者とすることと、②世帯全体の年収が300万円以下という要件を緩和する措置をとることを要請いたします。

以上


都内に避難している東日本大震災の被災者の処遇に関する要望書

2011年06月24日 23時47分43秒 | とすねっとの要望書

 

東京都が現在、赤プリに避難している被災者に対する処遇について、要望書を執行しました。

 

都内に避難している東日本大震災の被災者の処遇に関する要望書 

 

東京都知事 石原慎太郎 殿 

東京都都市整備局住宅政策推進部 御中 

東京都総務局総合防災部 御中 

とすねっと要望書等第15

平成23624

 

              東京災害支援ネット(とすねっと)

                              代表    森   川    清

                              (事務局)                                 

                              170-0003 東京都豊島区駒込1-43-14

                                         SK90ビル302森川清法律事務所内

                              電話:080-4322-2018

 

第1 要望の趣旨

 1 東京都が設置した避難所である旧グランドプリンスホテル赤坂に避難している方が近親者・友人・ボランティア等(以下「面会者」という。)に要請して面会する場合、避難者と面会者が自由に面会することを保障し、面会者が避難者に物資を供給したり、情報を提供する印刷物を手渡したり、避難者の子どもを一時的に預かったりすることを妨げないでください。また、面会コーナーで避難者と面会者とが交流することを妨げないでください。

2 東京都は、旧グランドプリンスホテル赤坂に避難している方に面会しようとする者に対し、面会約束時間の10分前に面会待合室に入ることを許可し、その前は同建物の敷地内に入れない趣旨の掲示をしていますが、このような硬直的な掲示を撤回してください。

3 上記1ないし2のような要求を東京都職員が避難者や面会者に対して行った場合、正当な理由により従わない自由があることを確認し、その面会者に立入禁止等の措置を取らないようにしてください。

4 東京都は、旧グランドプリンスホテル赤坂の避難者に対し、居室で面会者と面会することは許さない旨のルールを定めていますが、このような硬直的なルールを廃止してください。

5 東京都は、都内に避難している東日本大震災の被災者の方々に対し、一方的なルールを押し付けたり、都職員による一方的な命令に従わせたりしないでください。

 

第2 要望の理由

1 わたしたちは、主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」を通じて被災者に必要な情報を提供し、避難所や電話での相談活動を行っております。

2 東京都は、本年4月9日から旧グランドプリンスホテル赤坂(以下「赤プリ」という。)に東日本大震災の被災者を受け入れています。しかし、そこで、避難者は外部と面会するのに大変な障壁に阻まれています。その障壁は、東京都が作った面会のルールです。

  赤プリでは、たとえ近親者であっても、避難者の居室での面会が許されず、面会コーナーでの面会が求められています。さらに、6月中旬からは、この面会場所の制限に加え、「面会者の皆様へ」と題する面会ルールが定められ、面会の方法に細かな制限が加えられるようになりました。

  面会ルールによれば、(1)面会には事前の約束が必要であるとし、本人に事前の連絡が取れなかった場合には伝言コーナーへの掲示などの方法により約束を取り付けた上で再度来所して面会を申請しなければならない(すなわち、東京都は呼び出し・取次ぎをしない。)、(2)面会約束時間の10分前から面会待合室に入れるが、その前は赤プリの敷地内に滞在することが禁止される、(3)面会場所は面会コーナーに限定する(すなわち、たとえ近親者であっても居室には入れない。)、(4)面会コーナーでは、面会申請の際に申し出た面会の相手方以外の避難者に声をかけることを禁止する(すなわち、面会相手とは別の知人を見かけたとしても、声をかけることすら許されない。)、(5)避難者の依頼を受けて訪れた知人・ボランティア等が、支援物資を届けること、避難者にお知らせしたい事柄を面会相手の知人にも伝わるよう印刷物を何部か渡すこと、一時的に子どもの面倒を見てほしいと頼まれて預かること等は、「ボランティア行為」として東京都が許可したもの(個人の申請の場合、東京都の許可はほとんど出ないのが実情です。)のみを認め、それ以外を一律に禁止しています。

  しかも、この窮屈な面会ルールは、避難者の意向を聞くことなく、東京都が一方的に定めました。

3 「大規模災害における応急救助の指針について」(平成9年6月30日社援保第122号厚生省社会・援護局保護課長通知課長通知)の平成14年改正版の121ページには、避難所の運営について「(12)住民による自主的運営」という項目が掲げられ、「避難所を設置した場合には、被災前の地域社会の組織やボランティアの協力を得て、自治組織を育成するなどにより避難者による自主的な運営が行われるよう努めること。また、被災者による自発的な避難所での生活のルールづくりを支援すること。」と定められています。

  上記面会ルールは、避難者をかんじがらめに管理しようとするものであって、避難者の自発的な合意に基づいて定められたものでありません(もとより、赤プリでは、東京都が避難者の自治組織を育成しようとしなかった結果、避難者の自治組織はありません)。避難者の自主性は無視されています。

  したがって、東京都の面会ルールは、上記厚生省課長通知に定める「住民の自主的運営」に反するもので、そもそもルールの制定過程に問題があります。

4 さらに、面会ルールの内容をみても、10分前ルールは、いわき市などの遠方から来た面会者がたまたま早く赤プリに到着しても、敷地内に入ることすら許されないという不便なもので、さらに知人を見かけても声をかけられないというのですから、被災者の現実を無視したルールとしか言いようがありません。

  面会者が避難者に対して「物資やチラシの頒布、子供の預かり等」の援助をすることを「ボランティア行為」として禁止しており、避難者が生活の不自由を改善しようとして面会者に面会を要請しても、結局、お話をするだけで、物資の受渡しをはじめとする具体的な支援をすることは禁止されるという不合理極まりない状況になっています。

  しかも、このルールに違反すると「立入り禁止措置等を行うこともあります。」とされています。東京都は、制裁をもって、被災者の要請に基づく支援を阻止しようとしていると言っても過言ではありません。

5 また、面会者が近親者であっても、避難者の居室に入ることを禁止しています。これは、避難者が家族間・親しい者同士で水入らずの時を過ごすというささやかな楽しみをも阻むものです。また、6月30日の閉鎖を控えて、引っ越しに人手が必要な現状を考えると、避難者に加重な負担を強いるものといえます。

6 この問題を来日中の国連人権高等弁務官事務所の担当官とのミーティング(24日、衆議院第1議員会館)で取り上げたところ、国連側からは、東京都は「自然災害による被災者の保護に関するIASC運用ガイドライン」などの国際基準を知らないのではないか、との指摘がありました。

  IASCの上記ガイドラインでは、人道物資及びサービスについて、「全ての被災者は、自らの基本的なニーズに応える物資やサービスを、安全に、また制限や差別なしに利用できるべきです。」(B1.1)とされています。上記ガイドラインの趣旨は、被災者のニーズが第一ということであり、そのために避難者を受け入れる側はニーズ調査を用意することなどが求められています。

  東京都は、赤プリの避難者に対する十分なニーズ調査を行っていません。このため、5月には離乳食が不足してボランティアの支援によって供給されるなどの事態も起きました。東京都は、被災者のニーズを十分に汲み取っていないと言わざるをえません。面会ルールは、このような状況の中で、避難者の意向を無視し、避難者からの要請に基づく個別的な支援を阻害しようとするものであり、IASCの上記ガイドラインに反することは明らかです。

  このように、赤プリにおける東京都の対応は、避難者の保護に対する国際的な基準をも充たさないものとなっています。

7 以上のとおりですから、東京都は、要請の趣旨に従い、避難者の自主性を無視した不合理な面会ルールを撤回し、避難者のニーズに基づいた保護に当たるよう適切に対処してください。

以上

 

 


【要望書】避難所閉鎖に関する要望書(その2)(いわき市宛)

2011年06月23日 14時06分42秒 | とすねっとの要望書

 避難所閉鎖に関する要望書(その2)

 

いわき市長 渡 辺 敬 夫 殿

いわき市災害対策本部 御中

0246227890

とすねっと要望書第14号-2

平成23623

 

                  東京災害支援ネット(とすねっと)

                                                代表    森   川   

                                   (事務局)

                                   170-0003 東京都豊島区駒込1-43-14

                                              SK90ビル302森川清法律事務所内

                                                電話:080-4322-2018

 

 

第1 要望の趣旨

1 避難所の6月末閉鎖方針を撤回し、すべての避難者が応急仮設住宅など、安心できる住まいに落ち着けるまで、避難所における救助・支援を継続すること

2 大震災と原発被害で住まいを奪われた避難者に対して、次の住まいの確保もなく退去を迫ることは法に反する行為です。貴職の6月末閉鎖方針だけが伝えられ、動揺がひろがっていることを重大に受けとめ、すべての避難所で全員対象の説明会を開催し、謝罪すること

3 被災者の生活実態に配慮して,地域ごと(特にいわき市南部)に仮設住宅を建設すること

以上要望します。

 

第2 要望の理由

1 わたしたちは、主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」を通じて被災者に必要な情報を提供したり、避難所や電話での相談活動を行っております。

2 さて,貴庁は,勿来市民会館の2階和室に避難される方に対して,平成23621日突如として,夕食の弁当と共に,617日付の「避難されている皆様へ」と題した通知を配布し,併せて,職員をして,「6月末までに出て行ってもらう。」と言わしめたとのことです。

3 貴庁の行為は,被災された方の特別の事情を無視した暴挙だと言わざるを得ません。避難所の閉鎖は,仮設住宅等の適切な住居の提供と十分な説明があってはじめて許されるのであって,代替住居の提供もなく,具体的な説明もない本件強制排除は,憲法第25条生存権を積極的に脅かすものであり,被災者の保護を目的とする災害救助法の趣旨に反するので厳重に抗議します。併せて,これらは強制立ち退きを禁じた国連社会権規約にも違反するので,来日中の高等弁務官に報告を予定しています。

4 ところで,市民会館に避難する方が,貴庁,特に勿来支所に対して,不審を抱くのは,本件強制排除の通告だけではありません。例えば,①災害救助法によれば,避難所に洗濯場が設置できるにもかかわらず,貴庁はこれを設置せず,仕方なくボランティアから提供を受けた洗濯機の設置を要求しても断られた。②やっと洗濯機の設置が許されたが,今度は洗濯物の干場がなく,中庭を利用しようとしたところ,「見栄えが悪い」との理由でこれを断られた。③弁当を温めるための電子レンジや情報収集のためのテレビがなく何度も要求したがなかなか入れてもらえなかった。④支援物資があるにも関わらず配ってもらえなかった。など積み重ねによるところが大きく,職員の被災者への配慮の欠如があげられることを重く捉えるべきです。また,避難所入所際して,前支所長が「「期限がないから」と説明を受けていることを付言します。

5 最後に,ここでいう代替住居は単に住居であればいいのではなく,被災前の生活にできるだけ近づける配慮が求められるのが当然であり,勿来地区においては,民間住宅すら不足していることを鑑み,早期に仮設住宅の建設に着工すべきです。

 

以上


【要望書】いわき市内の避難所に関する緊急要望書

2011年06月23日 13時48分10秒 | とすねっとの要望書

いわき市内の避難所に関する緊急要望書 

 

いわき市長 渡 辺 敬 夫 殿 

FAX:0246-22-3662

とすねっと要望書第14号

2011年6月23日

 

東京災害支援ネット(とすねっと)      

代表    森   川    清    

(事務局)                 

170-0003 東京都豊島区駒込1-43-14

SK90ビル302森川清法律事務所内

電話:080-4322-2018

 

 

 私たち東京災害支援ネット(とすねっと)は、暮らしや雇用、法律などの無料相談に日常的にとりくんでいる弁護士や司法書士などが集まり、今回の大震災と原発事故の被災者の方々の相談活動をおこなっている団体です。主に東京等に避難されてきた広域避難者の相談を扱ってきましたが、最近はいわき市内の相談も非常に増えています。

 貴職が最近、避難所の6月末閉鎖を打ち出されたようですが、行き場のない避難者が大量にうまれかねない由々しき事態です。

 よって、緊急に以下のとおり要望し、貴職の善処を求めます。

 

 

1.避難所の6月末閉鎖方針を撤回し、すべての避難者が応急仮設住宅など、安心できる住まいに落ち着けるまで、避難所における救助・支援を継続すること 

  大震災と原発被害で住まいを奪われた避難者に対して、次の住まいの確保もなく退去を迫ることは法に反する行為です。貴職の6月末閉鎖方針だけが伝えられ、動揺がひろがっていることを重大に受けとめ、すべての避難所で全員対象の説明会を開催し、謝罪と事態の説明をおこなうべきです。

  避難者の状況と希望を十分に踏まえたうえで、応急仮設住宅の整備促進などによって安心できる次の住まい確保をすすめるよう求めます。

  そして、すべての避難者が納得できる落ち着き先に入居するまで、避難所の閉鎖を強行しないよう求めます。

 

2.避難所生活の長期化という困難にかんがみ、プライバシーの確保や温かい普通の食事の提供、入浴や洗濯等の機会確保、子どもの修学への支援強化、支援物資の細やかな支給など、人権に配慮した避難所生活の改善をはかること 

  避難生活が3か月半にもおよび長期化しているにも関わらず、避難所内の環境改善はすすんでいません。集団生活によるストレスも大きいなかで、できるだけ普通の生活に近づける工夫が必要です。

  ところが、最近は支援物資の支給も滞り、物資をめぐるよからぬ噂も流れるなど、支援の後退とも取られかねない事態となっています。子どもの弁当づくりのために調理室の使用を希望しても使用が許可されないとか、洗濯機が設置されないなど、冷たい仕打ちが見受けられる避難所もあります。

  説明会などで避難者の希望や生活のニーズを十分把握するとともに、いわき市として責任をもった日常的な見回り体制を整備し、必要な支援が十全に実施されるよう強く求めます。

 

以上 

 

 

 


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