避難所閉鎖に関する要望書(その2)
いわき市長 渡 辺 敬 夫 殿
いわき市災害対策本部 御中
0246-22-7890
とすねっと要望書第14号-2
平成23年6月23日
東京災害支援ネット(とすねっと)
代表 森 川 清
(事務局)
〒170-0003 東京都豊島区駒込1-43-14
SK90ビル302森川清法律事務所内
電話:080-4322-2018
第1 要望の趣旨
1 貴避難所の6月末閉鎖方針を撤回し、すべての避難者が応急仮設住宅など、安心できる住まいに落ち着けるまで、避難所における救助・支援を継続すること
2 大震災と原発被害で住まいを奪われた避難者に対して、次の住まいの確保もなく退去を迫ることは法に反する行為です。貴職の6月末閉鎖方針だけが伝えられ、動揺がひろがっていることを重大に受けとめ、すべての避難所で全員対象の説明会を開催し、謝罪すること
3 被災者の生活実態に配慮して,地域ごと(特にいわき市南部)に仮設住宅を建設すること
以上要望します。
第2 要望の理由
1 わたしたちは、主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」を通じて被災者に必要な情報を提供したり、避難所や電話での相談活動を行っております。
2 さて,貴庁は,勿来市民会館の2階和室に避難される方に対して,平成23年6月21日突如として,夕食の弁当と共に,6月17日付の「避難されている皆様へ」と題した通知を配布し,併せて,職員をして,「6月末までに出て行ってもらう。」と言わしめたとのことです。
3 貴庁の行為は,被災された方の特別の事情を無視した暴挙だと言わざるを得ません。避難所の閉鎖は,仮設住宅等の適切な住居の提供と十分な説明があってはじめて許されるのであって,代替住居の提供もなく,具体的な説明もない本件強制排除は,憲法第25条生存権を積極的に脅かすものであり,被災者の保護を目的とする災害救助法の趣旨に反するので厳重に抗議します。併せて,これらは強制立ち退きを禁じた国連社会権規約にも違反するので,来日中の高等弁務官に報告を予定しています。
4 ところで,市民会館に避難する方が,貴庁,特に勿来支所に対して,不審を抱くのは,本件強制排除の通告だけではありません。例えば,①災害救助法によれば,避難所に洗濯場が設置できるにもかかわらず,貴庁はこれを設置せず,仕方なくボランティアから提供を受けた洗濯機の設置を要求しても断られた。②やっと洗濯機の設置が許されたが,今度は洗濯物の干場がなく,中庭を利用しようとしたところ,「見栄えが悪い」との理由でこれを断られた。③弁当を温めるための電子レンジや情報収集のためのテレビがなく何度も要求したがなかなか入れてもらえなかった。④支援物資があるにも関わらず配ってもらえなかった。など積み重ねによるところが大きく,職員の被災者への配慮の欠如があげられることを重く捉えるべきです。また,避難所入所際して,前支所長が「「期限がないから」と説明を受けていることを付言します。
5 最後に,ここでいう代替住居は単に住居であればいいのではなく,被災前の生活にできるだけ近づける配慮が求められるのが当然であり,勿来地区においては,民間住宅すら不足していることを鑑み,早期に仮設住宅の建設に着工すべきです。
以上