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東京災害支援ネット(とすねっと)

~おもに東京都内で東日本太平洋沖地震の被災者・東京電力福島第一原発事故による避難者支援をおこなっています~

とすねっとでは被災された方や避難されている方からの相談を受付ています

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【要望書】東日本大震災の被災者の救助に関する要望書

2011年06月18日 11時49分08秒 | とすねっとの要望書

執行時の発番に誤りがあったので訂正します。

東日本大震災の被災者の救助に関する要望書 

東京都知事 石原慎太郎 殿

東京都都市整備局 御中 

東京都総務局総合防災部 御中 

東京都福祉保健局 御中 

各区市保育担当課 御中 

とすねっと要望書第1213号

平成23年6月16日

                  東京災害支援ネット(とすねっと)

 代表  川  

                                           (事務局)

                                   170-0003 東京都豊島区駒込1-43-14

                                              SK90ビル302森川清法律事務所内

                                                電話:080-4322-2018

 

第1 要望の趣旨

1 東京都が設置する避難所である旧グランドプリンスホテル赤坂に避難する東日本大震災の被災者が6月末の前記避難所閉鎖に伴い避難所を移動する際に、東京都は移動先の自治体と調整して、保育園、幼稚園、こども園など受入れ可能な幼児施設を確保し、幼児を抱える被災者が安心して移動できるよう早急に必要措置を講じてください。

2 旧グランドプリンスホテル赤坂から移動する被災者を受け入れる区市は、東京都と調整して、保育園、幼稚園、こども園などの受入れ可能な幼児施設を確保し、幼児を抱える被災者が安心して移動できるよう早急に必要措置を講じてください。

 

第2 要望の理由

1 わたしたちは、主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」を通じて被災者に必要な情報を提供し、避難所や電話での相談活動を行っております。

2 東京都は、本年4月9日から旧グランドプリンスホテル赤坂(以下「赤プリ」)に東日本大震災の被災者を受け入れていますが,赤プリが6月末日をもって閉鎖されることに伴い、被災者は都民住宅又は旅館等の他の避難所へ移動することが決まっております。

  小学生および中学生がいる世帯に対しては、千代田区や隣接区にある宿泊施設を優先的に提供し、隣接区に転居後も越境通学できるよう各区の教育委員会と調整されているとの報道がなされております。これに対して、幼児を抱える世帯については、各世帯が移動後に周辺地域で独自に保育園等の受入れ施設を探さなければならないのが現状であり、受入れ施設の有無を含めて、大きな不安を抱えたまま移動希望先の選択をせざるを得ない状況に置かれています。

  度重なる移動に伴う子供たちのストレスなどに配慮すべき状況は、小学生、中学生と幼児とで何ら異なることはなく、せめて受入れ施設があるか否か、あるとしてどの様な施設であるかといった情報を提供したうえで、幼児を抱える世帯が移動希望先の選択ができるような措置を講じることは、都道府県知事が被災者の救助に万全を期すべきこと(災害救助法22条)とされていることからも必要な措置であります。

  移動先の区市も、被災者の子どもの福祉のため、東京都と協力して、受入れ施設の確保に努めるべきです。

  以上のとおり、避難施設の被災者の移動に伴う子供たちへの配慮の一環として、東京都と移動先の区市との間で保育園、幼稚園、こども園などの受入れ可能な幼児施設を確保し、幼児を抱える被災者が安心して移動できるよう、早急に必要措置を講じるよう強く要請いたします。

 

 


【要望書】警戒区域設定に伴う被災者への支援に関する要望書

2011年05月13日 15時08分42秒 | とすねっとの要望書

警戒区域設定に伴う被災者への支援に関する要望書 

 

とすねっと要望書第12 

平成23512

内閣総理大臣 菅直人 殿

経済産業大臣 海江田万里 殿

南相馬市長 桜井勝延 殿

双葉町長 井戸川克隆 殿

浪江町長 馬場有 殿

大熊町長 渡辺利綱 殿

富岡町長 遠藤勝也 殿

楢葉町長 草野孝 殿

葛尾村長 松本允秀 殿

田村市長 冨塚宥■ 殿

川内村長 遠藤雄幸 殿

東京災害支援ネット(とすねっと)

代 表 森 川   清     

(事務局)           

                                     〒170-0003          

東京都豊島区駒込1-43-14

                                           SK90ビル302森川清法律事務所内

                                            電話:080-4322-2018

第1 要望の趣旨

1 国は、緊急事態応急対策の実施のために、南相馬市、双葉町、浪江町、大熊町、富岡町、楢葉町、葛尾村、田村市及び川内村(以下あわせて「関係市町村」といいます。)を通じて、日本国憲法第29条第3項に基づき、関係市町村による警戒区域設定に伴う被災者に対する損失補償がなされるよう、早急に必要な措置を講じてください。

2 関係市町村は、国の講ずる措置を受けながら、日本国憲法第29条第3項に基づき、警戒区域設定に伴う被災者の損失を補償し、被災者が早急に安定した生活をできるよう支援してください。

3 国は関係市町村に対し、原子力災害対策特別措置法第28条第2項により読替え適用がなされる災害対策基本法95条により「当該地方公共団体に負担させることが困難又は不適当なもの」として速やかに政令を定め、要望第1項の損失補償についてその全部を補助してください。

 

第2 要望の理由

 1 当団体の概要

 わたしたちは、主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」を通じて被災者に必要な情報を提供したり、避難所や電話での相談活動を行ったりしております。

 2 警戒区域の設定

原子力災害対策本部長である内閣総理大臣は、南相馬市長、双葉町長、浪江町長、大熊町長、富岡町長、楢葉町長、葛尾村長、田村市長及び川内村長(以下あわせて「関係市町村長」といいます。)に対し、避難指示区域(福島第一原子力発電所半径20km圏内)を警戒区域に設定することを指示しました。関係市町村長は、当該指示を受けて、平成23422日午前0時、原子力災害特別措置法第28条第2項による読替え適用される災害対策基本法第63条第1項に基づき、上記避難指示区域を警戒区域に設定しました。

警戒区域設定によって、警戒区域内で従来生活していた者は、刑罰(原子力災害特別措置法第28条第2項による読替え適用される災害対策基本法第116条第2号により10万円以下の罰金又は拘留に処せられます。)をもって立入りを禁止され、警戒区域内にある財産を生活のために利用することが全くできなくなりました。

 3 要点~国民全体の利益と特別の犠牲

原子力発電を含む原子力の利用は、原子力基本法に基づき、国のエネルギー政策という国策のもとで実施されているものであって、「人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与する」(原子力基本法第1条)ものとして、電力需要者である国民全体がその受益者です。

よって、原子力発電施設等立地地域の住民は、国民全体の利益のために原子力災害のリスクを負担させられ続けてきたものであって、前項の警戒区域設定による強制的な避難はリスクの現実化、すなわち内在していた特別の犠牲の発現であるといえます。

 4 原子力発電の公益性

原子力の研究、開発及び利用は国策であって、その施策を計画的に遂行し、原子力行政の民主的な運営を図るため、内閣府に原子力委員会及び原子力安全委員会を設置し(原子力基本法第4条)、特に安全については、原子力安全委員会が安全の確保のための規制に係る事項を所管し(原子力委員会および原子力安全委員会設置法13条)、さらに原子炉の設置の許可については厳格に実施するものとされています(原子力基本法第14条、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第23条以下)。

よって、電力会社という私企業が運営していても、原子力発電はその受益者を国民全体とする公益性を有するものです。

5 特別の犠牲

原子力発電施設等立地地域は、内閣総理大臣が指定するものであって(原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法第3条第1)、そして立地の対象地域としては、そもそも電力大量消費をする大都市圏および工業集積地域を除くものとなっています(同法第3条第1項第3号)。

これに対して、例えば、火力発電所は、むしろ大都市圏および工業集積地域に所在するのが通常です。

原子力災害は、その特殊性から原子力災害特別措置法が定められ(同法第1条)、今回の福島第一原子力発電所の事故でも明らかなように長期かつ広範囲な災害を生じるリスクを有するものです。だからこそ、大都市圏や工業集積地域を避けて設置されているといえます。

そして、前項で指摘した原子炉の設置の許可についての厳格な実施に加え、核燃料物質自体が危険なものであるため、きわめて厳重な規制がなされています。

そうであれば、原子力発電施設等立地地域とする内閣総理大臣の指定自体が、長期かつ広範囲な災害が生じる「リスク」に対する損失補償といえるものです。

以上から、原子力発電施設等立地地域の住民は、国民全体の利益のために原子力災害のリスクを負担させられ続けてきたものといえます。

 6 警戒区域設定に伴う犠牲の現実化と損失補償の時的基準

東日本大震災を契機とした福島第一原子力発電所の事故、そして今回の警戒区域の設定による強制的な避難は、前項に記載したリスクが現実化したものです。

そうであれば、警戒区域設定の直前における被災者の生活状況及び財産権の評価に基づいて、損失を補償するか否かを判断すべきではなく、現実に警戒区域内に被災者が生活していた本件事故前の時期との比較において、損失補償の要否を判断すべきです。

 7 一般の警察目的規制との相違

今回の警戒区域設定は、被災者の生命・健康のためだから、補償は要しないという考え方もあるかもしれません。

しかし、今回の警戒区域設定は、異常な自然現象等から被災者の生命・健康を守るものとして被災者が甘受すべきものではなく、よって被災者に受忍しなければならない責務があるものでもありません。

また警戒区域内に被災者が生活のために保持していた一定の財産に由来する危険があるわけでもありません。例えば、消防法第29条第3項が、それ自体危険を有しない消防対象物・土地に対する処分・使用制限について、損失を補償するものとしていることからすれば、警戒区域内にそれ自体危険を有しない生活財産を保有する被災者に対して損失補償をもって救済することも十分可能なはずです。

 8 責任集中との関係

また、原子力損害の賠償に関する法律(以下「原子力損害賠償法」といいます。)に基づき、まずは、原子力事業者である東京電力株式会社に責任を追求すべきであるという考え方もありえます。

原子力損害賠償法は、原子力事業者への責任集中を定めていることから、実質的に責任を分担する損失補償の適用を否定する考え方もありえます。

しかし、損害賠償と損失補償は、その適用場面が異なり、両立するものであり、さらに原子力損害賠償法は国が必要な援助や措置を行うことも予定しています。また仮に給付が重複する可能性があれば、求償によって解決することも可能なはずです。

むしろ原子力賠償法が原子力事業者の無過失責任を認めていることからすれば、それは原子力発電施設等の内在する危険を前提にするものであって、損失補償によって被災者を救済することは積極的になされるべきです。

 9 急を要する損失補償による生活支援

原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法は、立地の振興のために様々な措置をとるものとなっています。しかしひとたび、原子力災害が生じて現実に生活を侵害されている者に対してはなんらの支援も予定していません。

また、原子力基本法第21条において、「政府又は政府の指定する者は、この法律及びこの法律を施行する法律に基き、核原料物質の開発のためその権限を行う場合において、土地に関する権利、鉱業権又は租鉱権その他の権利に関し、権利者及び関係人に損失を与えた場合においては、それぞれ法律で定めるところにより、正当な補償を行わなければならない。」と規定しておりますが、現実の事故が生じたときにはなんらの補償も予定していません。

それに加えて、東京電力株式会社による損害賠償の範囲も時期も見通しがはっきりしないものとなっています。

被災者は、自らが保持する財産を利用して普通の日常生活を営むことができなくなり、避難所などで全く謂れのない生活を強いられています。さらに警戒区域設定でその制限はますます強く明らかになってきました。

国及び関係市町村は、一体となってこの事態を解決すべく、すなわち警戒区域設定に伴い明らかになった被災者の損失を補償して、早急に普通の日常生活を回復できるようにする必要があります。

 10 最終的な費用負担

警戒区域設定に伴う被災者の損失の補償の最終的な費用負担は、原子力損害賠償法に基づき、東京電力株式会社と国が負うべきものです。

また、形式的にも、警戒区域設定は、内閣総理大臣が「指定」した原子力発電施設等立地地域を前提に、原子力災害対策本部長である内閣総理大臣が、関係市町村長に対し、避難指示区域を警戒区域に設定することを「指示」したのですから原子力災害対策特別措置法第28条第2項により読替え適用がなされる災害対策基本法95条により「当該地方公共団体に負担させることが困難又は不適当なもの」として速やかに政令を定め、損失補償の全額についてその全部を補助する必要があります。

 11 結語

以上から、国及び関係市町村においては、日本国憲法第29条第3項に基づき、警戒区域設定に伴う被災者の損失を補償し、被災者が早急に安定した生活をできるよう支援するよう強く求めます。

なお、今回の警戒区域設定において補償を要するか否かについては議論がないとはいいません。ただ、本当に重要なのは、国及び関係市町村が原子力災害によって避難を余儀なくされている人々に対して早急に生活支援をすることを必要だと強く認識しているか、そして、早急に支援したいという強い意思を有しているかの問題です。

国及び関係市町村が早急に被災者に生活支援をすることが必要だと強く認識し、そして、早急に支援をするという強い意思を有するものと信じて、第1記載の事項の実現を強く要望いたします。

以上

 


【要望書/対東京都】避難所での食事の提供、洗濯代の負担、炊飯器の支給について

2011年05月07日 10時07分33秒 | とすねっとの要望書

 東京都に対して、避難所における食事の無償提供(東京セントラルユースホステル)、洗濯代の負担、炊飯器の支給についての要望書を、5月6日に執行しました。 

東日本大震災の被災者の救助に関する要望書

 

東京都知事 石原慎太郎 殿

東京都都市整備局 御中

東京都総務局総合防災部 御中

とすねっと要望書第10号

平成2356

 

                  東京災害支援ネット(とすねっと)    

                                                代表    森   川    清      

                                   (事務局)                

                                   170-0003 東京都豊島区駒込1-43-14

                                              SK90ビル302森川清法律事務所内

                                                電話:080-4322-2018

 

 

第1 要望の趣旨

1.      貴庁が設置する避難所である東京セントラルユースホステルに避難する東日本大震災の被災者に対し、食費の自己負担を求める取扱いをせず、無償で1日3食の食事を提供すること,

2.      貴庁が設置する避難所である東京セントラルユースホステル及び旧グランドプリンスホテル赤坂に避難する東日本大震災の被災者が,洗濯代を負担しなくていい施策を講じること

3.      東日本大震災の応急仮設住宅として活用されている都営住宅等に入居した被災者のために、生活必需品として,「炊飯器」を給与・貸与すること

  を要望します。

 

第2 要望の理由

1 わたしたちは、主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。インターネット(ブログ)やニュースレター「とすねっと通信」を通じて被災者に必要な情報を提供したり、避難所や電話での相談活動を行っております。

2 貴庁は、本年4月3日から東京セントラルユースホステル(以下「東京ユース」)に東日本大震災の被災者を受け入れていますが,東京ユースに避難する被災者に限り、食事の提供を行わないとして、食費の自己負担を求めております。同様に同月9日から被災者を受け入れる旧グランドプリンスホテル赤坂(以下「赤プリ」)では,無償提供されているのであるから,公平性の視点でも問題があります。

  そもそも東京ユースは,避難施設として民間から提供されたもので、社援総発0319第1号平成23年3月19日付厚生労働省社会・援護局総務課長通知「平成23年東北地方太平洋沖地震に係る災害救助法の弾力運用について」(以下、「0319通知」という。)第2項(1)にいう「民間の旅館・ホテル等」として、災害救助法令上の「避難所」に当たることは明らかであり,災害救助法23条には、都道府県知事が被災者に対して行うべき「救助」として、「収容施設」(避難所)の提供に加えて、「食品の給与」が挙げられており、その具体的な実施基準である東京都災害救助法施行細則第2条別表第1(福島県災害救助法施行細則など、被災県の規則も同じ内容です。)によれば、「食品の給与は、避難所に収容された者(中略)に対して行うものとする。」とされております。

  しかも、厚生労働省は、各都道府県に対し、食費について災害救助法の弾力的な運用を求めており、0319通知第2項(1)では、民間の旅館・ホテルを避難所として借り上げる場合、食費込みで一人1日5000円の特別基準が示されています。この通知に従い、東京都以外の他の県では、実際に民間の旅館・ホテルを借り上げて避難所として提供し、1日3食を被災者に無償で提供しています。

  さらに、同通知第2項(2)では、災害救助法に基づいて被災者に避難所の提供や食品の給与等を行う期間について、2ヶ月までとする特別基準が設定されたことも明らかにされています。その費用負担については、社援総発0404第1号平成23年4月4日厚生労働省通知「東日本大震災に掛かる災害救助法の弾力運用について(その5)」第1項でも念を押されているように、少なくとも2ヶ月間は、東京都が被災者に食事を提供しても、被災県に全額求償し、最終的には国庫負担とすることが可能です。

  都道府県知事が被災者の救助に万全を期すべきこと(災害救助法22条)とされていることから,避難施設の被災者の食費を自己負担とする貴庁の対応は、災害救助法の弾力的運用によって被災者を支援しようとする上記の一連の厚生労働省通知を無視するものであって、厚生労働大臣が被災地以外の都道府県に対し災害救助の応援をなすべきことを指示できるという災害救助法31条の趣旨にも反します。

  以上のとおり、避難施設の被災者の食費を自己負担とする貴庁の対応は、東日本大震災における災害救助法の運用として誤っています。

  よって、東京ユースにおいても、被災者に対し1日3食の食事を提供するよう強く要請いたします。

3.借上げ方式による避難所における洗濯費用について,災害救助法基本通知によれば,避難所においては,仮設洗濯場(洗濯機,乾燥機等を含む。)が支出できることになっています(災害救助の運用と実務58頁)。赤プリ,東京ユース等借上げ方式の避難所において構造上の理由から洗濯場が準備できないことを勘案すれば,洗濯費用をまかなう方法により,災害救助法同等の救助が可能となるので,貴庁において,洗濯費用を負担するなどの措置を講じることを要請します。

4.借上げ方式による応急仮設住宅における炊飯器について,災害救助法の実務によれば,応急仮設住宅には,電気設備及びガス設備(ガス台含む。)が明記され設置が義務づけられています(一部公社住宅においては,電灯が設置されていないなどの情報がありますが,付帯設備として,仮に付帯設備として処理しないとしても生活必需品として設置されることを当然としています(災害救助の運用と実務279頁)ので,設置してください。)。併せて,生活必需品について,給与又は貸与することになっています。ここでいう生活必需品のうち炊事用具及び食器には,「炊飯器,鍋,包丁,ガス器具,皿,箸等」が含まれており(災害救助の運用と実務309頁),災害救助法により給付・貸与することが可能です。そこで,炊飯器の給付又は貸与を要請します。

以上

 


【要望書別表】東京武道館の避難者に対するアンケート結果

2011年04月24日 02時00分02秒 | とすねっとの要望書

とすねっとが2011年4月9日に東京都の避難所である東京武道館の避難者に対して実施したアンケート結果です。

アンケート結果

 アンケート総数15通中,暮らしの「見通しが立たない」と回答した人は12名に及びました。また、「今後の収入の見込みがない」と回答した人が9名でした。

 その影響もあって、「今後の収入の見込みがない」と回答した人のうち6名が「給付金・生活保護について知りたい」と回答しています。そのことから、「今後の暮らしの見通しを立てられるように支援してほしい」が9名、「避難が続く間は、食事の提供を続けてほしい」が7名となっており、生活不安からの要望が強いところです。

 また,「避難している人の声をもっと聞いてほしい」と答えた人が5名おり、行政が十分なニーズを汲み取っていないこともうかがえます。

 約半数の7名が、原発の避難区域からの避難です。

 「情報が少ない」「戻って大丈夫なのか、不安」「損害賠償・補償がどうなるのか気になる」「本当の情報を隠しているのではないかと思うことがある」という回答が多く、この問題についての関心が高く、不信感も強い状況がうかがえます。

 要望としても「原発事故の完全な補償をしてほしい」が多くなってきます。

 

【年齢構成】10代1名、20・30代9名、40・50代4名、70代1名

【性別】男性10名、女性5名

【職業】会社員8名、主婦1名、年金生活1名、その他5名

【被災地】福島県15名

 大熊町、浪江町、富岡町、南相馬市 合計9名

 いわき市、郡山市 合計5名

 市町村不明 1名

【家族人数】1人7名、2人2名、3人以上6名

(以下は複数回答可、0名だった項目は省略しています。)

【避難生活】

からだが疲れている     4名

精神的につらい       3名

住宅に移って避難したい   6名

プライバシーがない     2名

食事があわない       1名

家族のことが心配だ     3名

ペットのことが心配だ    3名

家具がほしい        3名

一時的にでも自宅に戻りたい 5名

【暮らし】

見通しが立たない      12名

避難生活中の生活費がかかる 6名

今後生活できない      5名

家はあるのに帰れない    9名

家に帰っても家屋・家具などが壊れていて使えない   2名

その他           1名

【住まい】

家が流された        1名

家が半壊、全壊       4名

家、土地などが原発の避難区域にある         7名

自主避難だが,帰って生活するのは困難である     4名

その他           2名

【しごと】

会社の事務所・工場・店舗や農地・家畜・船が流された等1名

震災後に解雇された     1名

会社や農地が避難区域内にあるので仕事ができない   4名

仕事の再開の見通しが立たない7名

会社は動いているが,避難したので休んでいる     3名

今後の収入の見込みがない  9名

避難先で就職したい     5名

仕事関係の債務・取引などが心配だ          3名

【お金のこと】

家のローンがある      1名

借金/債務がある      2名

医療や介護の費用がかさむ  4名

給付金・生活保護について知りたい          7名

その他           2名

【家族のこと】

子どものことが心配だ    2名

高齢者のことが心配だ    3名

その他           1名

【コミュニティ】

地元の近所の人と会いたい  5名

その他           1名

【教育・保育】

勉強ができない       2名

受験/進学が心配だ     1名

教育費がかさむ       1名

学用品が不足        1名

転校を希望         1名

【病気・怪我の治療で心配なこと】

今の自分の病気       2名

家族・親類の病気      1名

その他           1名

【介護】

家族・親類に介護が必要な人が避難している      2名

【原発事故】

情報が少ない        6名

家族や親戚を残していて心配 3名

戻って大丈夫なのか、不安  6名

農業・漁業の見通しが気になる            2名

損害賠償・補償がどうなるのか気になる        9名

本当の情報を隠しているのではないかと思うことがある 9名

その他           1名

【政府や東京都や地元の行政にどのようなことを求めたいですか】

住まいをすぐに提供してほしい            5名

今後の暮らしの見通しを立てられるように支援してほしい9名

避難が続く間は、食事の提供を続けてほしい      7名

もっと情報がほしい     5名

どんな情報ですか?⇒原発事故4名,行政手続1名,地元情報2名

原発事故の完全な補償をしてほしい          9名

避難している人の声をもっと聞いてほしい       5名

【その他、ご意見】

・都営住宅が決まったのですが、移動したあとの食事など生活が不安です。

・食事の面が不安、栄養がかたよると、母乳に影響が出ないか心配。

・TVや新聞でもう少し海外メディアの反応や政府の少しずつこだしに情報を発信

し、情報のいんぺいをやめてほしい。


【とすねっと/要望書】東京都の避難所としての旅館等における駐車場の無償供与等について

2011年04月24日 01時44分18秒 | とすねっとの要望書
とすねっと要望書第8号
平成23年4月23日
緊 急 要 望 書
東京都知事 石原慎太郎 殿
東京都都市整備局 御中
東京都総務局総合防災部 御中
東京災害支援ネット(とすねっと)
代表 森川  清        
(事務局)                
〒170-0003 東京都豊島区駒込1-43-14
SK90ビル302森川清法律事務所内
電話:080-4322-2018
第1 要望の趣旨
1.  東京都は,避難生活をされている方に対して,避難所として借り上げる旅館等の駐車場を無償供与してください。
2.  東京都は,避難生活をされている方に対して,避難所として借り上げる旅館等でのペットの飼育について特別の配慮をしてください。
第2 要望の理由
1. わたしたちは、主に都内で東日本大震災の被災者を支援する活動に携わっている弁護士・司法書士・市民等のボランティア・グループです(代表・森川清弁護士)。
2. この度,貴庁は,4月18日「避難の長期化に伴い,これらの施設を利用されている方々の精神的・肉体的負担が増していること」を理由として,東京武道館・東京ビッグサイトを4月24日に閉鎖することを決め公表しましたが,この時点で行き先が決まっていない97名の方の行き先について説明がありませんでした。
3. 4月22日になりようやく「都が設置した一時避難施設(東京武道館・味の素スタジアム・東京ビッグサイト)に入所している方で,まだ次の居所が決まっていない方」を対象として,「東日本大震災等による避難者の都内旅館等への受入れについて」を発表しました。しかし,この発表には,具体的な旅館等の詳細がないうえ,受入開始日と書かれているが東京武道館の閉鎖日と同日であり,発表から僅か二日前の発表であるにもかかわらず,突如として「各旅館等は通常営業中であるため,駐車場の利用及びペットの同伴はできません」という不利益条項があり,避難されている方は,これを受け入れるか,さもなくば避難をあきらめ自力で別の場所に移動するかを選択せざるを得ないような決定であると言わざるを得ません。6月末日までとされる避難所の提供が終われば,被災地に帰らざるを得ない状況にあり,自動車の保有は不可欠な方が多いと言えます。また,災害により何もかも失った方々がペットにより癒され,心の拠り所とすることは想像に難くありません。私たちは,これらの事情を考慮した特段の配慮を強く要望します。
4. あくまでも避難されている方は,生活に困窮しています。念のために,私たちが,平成23年4月9日,活動の一環として,東京武道館に避難する方15名の方に対して行ったアンケートの結果をお知らせします。貴庁からこれまでの「ここには自活生活ができるが自主的に避難してきた人しか居ない」,「アセスメントは行っている」などの説明からは導き出せない結果となっています。被災後4週間を経過し,被災された方々は避難所での生活に疲労困憊し,将来の見通しが立たないことに強く不安を感じているにもかかわらず,情報の提供が少なく,声を聞いてもらえない(声が上げづらい),という,もっとも懸念すべき結果となったことを真摯に受け止め,直ちに改善されるよう緊急に要望します。
以上

【とすねっとからの要望書】被災者への災害救助法適用の徹底および生活保護の助言についてお願い

2011年04月03日 00時36分33秒 | とすねっとの要望書
とすねっと要望書等第4号-2
平成23年3月23日(初)
平成23年4月1日(改)

避難所を開設いただいている自治体各位
東京災害支援ネット(仮)
(TOSSNET とすねっと)
代表 森川 清
連絡先 080-4322-2018

お願い

 私たちは,災害により避難せざるを得なくなってしまった被災者に対して,未曾有の大災害の混乱や情報の錯綜もあるのではないかと推察される中において,迅速な受け入れを実施されている貴自治体の対応をたいへん心強く思っていると同時に深く感謝いたします。
 さて,初動においては,迅速さこそがもっとも重要な局面であったことより,迅速な貴自治体の対応に深く感謝するしだいではありますが,同じように被災により苦しむ方々に対しては,内容においてもやはり同等に支援がなされなければなりません。しかし,5000人規模の受け入れをしている施設から,居室1室の提供まで,受け入れの施設も様々であり,内容においても,いわゆる「ざこ寝」する場所だけが提供されているところもあれば,食事が提供されているところもありまちまちです。
 これは,国の災害救助法の弾力的運用に関する国の通知(社援総発0319第1号)が,発せられたのが3月19日であったこともあり,やむを得ない事情であったと認識をしていますが,相当程度に避難生活が長期化することも予想されることから,火急的速やかに災害救助法第23条に定める救助の内,2号「炊出しその他による食品の給与及び飲料水の供給」,3号「被服、寝具その他生活必需品の給与又は貸与」,4号「医療及び助産」,7号「生業に必要な資金、器具又は資料の給与又は貸与」,8号「学用品の給与」の避難所でもできる救助を徹底くださるようお願いします。

追記
社援総発0319第1号通知は,3月19日その2により,「国庫負担について速やかに概算交付すること」,3月25日その3により,「避難地の避難所又は応急仮設住宅の設置も国庫負担の対象となるので積極的に受け入れられたい」と,3月29日その4により,別添「救助の種類と国庫負担」により具体的な救助の内容の詳細に至るまで徹底されています。念のために平成23年2月29日社援総発0329第1号その4を添付します。
 なお,災害救助法の弾力的運用に関する国の通知について,厚生労働省社会・援護局総務課災害救助・救援対策室(電話03-3598-2612)の見解は,弾力的に国の費用で救助することができるために発したものであり,①被災地の自治体からの避難を受け入れている自治体への要請,②原発事故による屋内待避により自主避難をされている方への対応について調整,が必要であるにせよ,事後的で構わないということです。したがって,直ちに災害救助法に基づく救助が可能です。
 また,生活保護の取り扱いについて(社援保発0317号第1号通知「東北地方太平洋沖地震による被害者の生活保護の取り扱いについて」)が発せられています。この件についても厚生労働省社会・援護局保護課(電話03-5253-1111内線2824)の見解は,災害救助法の適用の有無にかかわらず要保護状態にある方に適用されるというものです。したがって,災害救助法による救助を受けてもなお食事の回数や医療の提供が最低生活を満たすことができない要保護者に対しては,避難先を管轄する福祉事務所に対して,生活保護の申請を促すなど適切な対応をされることをお願いします。

追記

社援保発0317号第1号通知は,3月29日その2により「避難所でも保護が開始できること」を明確にしています。念のために平成23年3月29日社援保発0329第1号その2を添付します。

【意見書】埼玉県立高等学校への転編入学及び入学について

2011年03月28日 00時46分54秒 | とすねっとの要望書
2011年3月27日
埼玉県教育委員会 殿
FAX:048-830-4959
東京災害支援ネット(とすねっと)
代 表  森 川   清
(事務局)
東京都豊島区駒込1-43-14 SK90ビル
森川清法律事務所内
(連絡先電話)080-4322-2108


意  見  書


私たちは、東日本太平洋沖地震の被災者支援に関わる法律家と市民によるネットワークです。埼玉県教育委員会が発表した「東北地方太平洋沖地震における被災地域の生徒等の埼玉県立高等学校への転編入学及び入学について」(平成23年3月23日更新)と題する通知(以下「本件通知」といいます)に関し、生徒等の就学機会を確保する観点から、下記のとおり意見を述べます。

1 意見の趣旨
 本件通知は、被災地域からの転居等の事情により、埼玉県立高等学校への転編入学及び入学を希望する方に対して、就学の機会を確保するため、被災地域の高等学校の生徒等(平成23年度の入学許可候補者となっている方を含む)が、埼玉県立高等学校への転編入学及び入学を希望する場合には、「東北地方太平洋沖地震に係る被災地域の生徒の転編入学及び入学者選抜実施要領」(以下「本件実施要領」といいます)により、転編入学試験を行い、被災地域の中学校卒業見込の方(平成23年3月に中学校を卒業見込みの方)及び中学校を卒業の方等が高等学校入学者選抜の受験の機会を失い、埼玉県立高等学校への入学を希望する場合には、上記に準じて対応するとしていますが、本件実施要領では、その出願資格として「全日制の課程にあっては、保護者等とともに埼玉県内に転居したか、転居することが確実な者(保護者等とは、保護者及び身元引受人(親族、知人、被災生徒が居住する施設の長等、被災生徒の監護にあたる者)をいう。)、「定時制・通信制の課程にあっては、本人が埼玉県内に住所又は勤務地を有することが確実な者であること」と規定しています。これが受入れの対象をこれらの生徒等に限定する趣旨であれば、被災した生徒等の就学の機会を著しく狭めるものですから、これに該当しない生徒等に対しても、被災した生徒等が埼玉県立高等学校への転編入学及び入学を希望した場合には、可能な限り弾力的に取り扱い、速やかにこれを受け入れるよう求めます。

2 意見の理由
文部科学省発表の平成23年3月14日付通知「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震における被災地域の児童生徒等の就学機会の確保等について」(以下「文部科学省通知」といいます)は、被災した児童生徒等の就学の機会を確保する等の観点から、当該児童生徒等に係る事務の取扱い等に当たり、被災した児童生徒等が域内の公立学校への受入れを希望してきた場合には、可能な限り弾力的に取り扱い、速やかに受け入れること」としております。これは、未曾有の災害により、多大な困難を抱えた被災地域の児童生徒等の就学の機会を最大限確保するため、受入れ対象を可能な限り広くした上で、できる限り弾力的な受入れを行うよう、各都道府県教育委員会等に求めるものです。

現在、被災地の状況の詳細も、今後の復興の目途も、避難先の受け入れ態勢の今後の推移も分からない状態の中で、被災した生徒等やその家族等の多くは、今後の生活の目途が立たないまま、予測ができない極めて不安定な状況下での避難生活を余儀なくされており、かかる状況は、今後も相当期間続くことが予想されます。当然ながら、今後、どこでどのようにして生活するかは、多くの被災者にとって未だ見通しの立たないことがらです。しかるに、埼玉県立高等学校への受入れの対象を「保護者等とともに埼玉県内に転居したか、転居することが確実な者」、「本人が埼玉県内に住所又は勤務地を有することが確実な者」に限定すれば、ごく限られた一部の者しか受け入れの対象にならず、避難を続けながら、状況に応じて今後の生活の方法を模索しなければならない多くの生徒等が受入れの対象から排除されてしまうという憂うべき事態を招くことになります。就学の機会を確保する必要性は、保護者等とともに埼玉県内に転居することが確実でない生徒等、埼玉県内に住所又は勤務地を有することが確実でない生徒等、避難生活を続けながら復興後の帰郷を目指す生徒等にも同様に存在します。受入れの対象を上記のように限定すれば、就学のために埼玉県内に止まるという選択を事実上強いられるという不当な事態を招く危険すらあります。そもそも、はたして被災地の受け入れ態勢が整うのか、避難所にいつまでいることができるか、いなければならないのか等の情報が不足している中で、埼玉県内に転居することが「確実」、住所又は勤務地を有することが「確実」という縛りをかけるのは、ただでさえ不安な生活を続けている被災者の不安を更に増長する危険があります。なお、避難生活を続けている生徒等の中には、保護者の安否が確認できないまま、埼玉県内で避難生活を続けている生徒等、一定の期間、保護者と離れて埼玉県内で避難生活を続けなければならない生徒等がいる可能性もありますが、本件実施要領によれば、埼玉県内に居住し又は居住することが確実な身元引受人が確保されない場合には、これらの生徒等が受け入れの対象から除外され、その就学の機会を奪ってしまうことにもなりかねません。

以上のように、埼玉県立高等学校への入学について、その出願資格又は受け入れの対象となる生徒等を「保護者等とともに埼玉県内に転居したか、転居することが確実な者」、「本人が埼玉県内に住所又は勤務地を有することが確実な者」に限ることは、文部科学省通知の予定する受入れの対象を不当に狭め、就学の機会を確保する必要がある生徒等の多くを支援の対象から除外する危険が大きいとともに、被災者等が今後の生活再建の方法を慎重に検討することにも支障を生じかねず、不安を増長するおそれすらあります。よって、文部科学省の通知に反することのないように、要件を修正されるか、貴庁の本件通知を、埼玉県立高等学校への入学についての出願資格又は受け入れの対象となる生徒等を、保護者等とともに埼玉県内に転居したか転居することが確実な者、本人が埼玉県内に住所又は勤務地を有することが確実な者に制限する根拠としないよう求めます。その上で、被災した生徒等が本件通知をみて埼玉県立高等学校への転編入学をあきらめないように「可能な限り弾力的に取り扱い、速やかにこれを受け入れる」旨を広報し、本件通知記載の制限を課すことなく、被災した生徒等が埼玉県立高等学校への受入れを希望してきた場合には、可能な限り弾力的に取り扱い、速やかにこれを受け入れるよう、強く求めます。
以上

【要望書】避難所を開設いただいている自治体各位にお願い

2011年03月24日 10時27分51秒 | とすねっとの要望書

とすねっと要望書等第4号 平成23年3月23日

避難所を開設いただいている自治体各位

東京災害支援ネット(仮)(TOSSNET とすねっと) 代表 森川 清
連絡先 080-4322-2018


お願い

 私たちは,災害により避難せざるを得なくなってしまった被災者に対して,未曾有の大災害の混乱や情報の錯綜もあるのではないかと推察される中において,迅速な受け入れを実施されている貴自治体の対応をたいへん心強く思っていると同時に深く感謝いたします。

 さて,初動においては,迅速さこそがもっとも重要な局面であったことより,迅速な貴自治体の対応に深く感謝するしだいではありますが,同じように被災により苦しむ方々に対しては,内容においてもやはり同等に支援がなされなければなりません。しかし,5000人規模の受け入れをしている施設から,居室1室の提供まで,受け入れの施設も様々であり,内容においても,いわゆる「ざこ寝」する場所だけが提供されているところもあれば,食事が提供されているところもありまちまちです。

 これは,国の災害救助法の弾力的運用に関する国の通知(社援総発0319第1号)が,発せられたのが3月19日であったこともあり,やむを得ない事情であったと認識をしていますが,相当程度に避難生活が長期化することも予想されることから,火急的速やかに災害救助法第23条に定める救助の内,2号「炊出しその他による食品の給与及び飲料水の供給」,3号「被服、寝具その他生活必需品の給与又は貸与」,4号「医療及び助産」,7号「生業に必要な資金、器具又は資料の給与又は貸与」,8号「学用品の給与」の避難所でもできる救助を徹底くださるようお願いします。
 
なお,災害救助法の弾力的運用に関する国の通知について,厚生労働省社会・援護局総務課災害救助・救援対策室(電話03-3598-2612)の見解は,弾力的に国の費用で救助することができるために発したものであり,�被災地の自治体からの避難を受け入れている自治体への要請,�原発事故による屋内待避や自主避難をされている方への対応について調整,が必要であるにせよ,事後的で構わないということです。したがって,直ちに災害救助法に基づく救助が可能です。

 また,生活保護の取り扱いについて(社援保発0317号第1号通知「東北地方太平洋沖地震による被害者の生活保護の取り扱いについて」)が発せられています。この件についても厚生労働省社会・援護局保護課(電話03-5253-1111内線2824)の見解は,災害救助法の適用の有無にかかわらず要保護状態にある方に適用されるというものです。したがって,災害救助法による救助を受けてもなお食事の回数や医療の提供が最低生活を満たすことができない要保護者に対しては,避難先を管轄する福祉事務所に対して,生活保護の申請を促すなど適切な対応をされることをお願いします。


【意見書】被災した児童の就学や転校などについて

2011年03月22日 20時58分14秒 | とすねっとの要望書

被災した児童に関して、就学や転校などについて意見書を東京都教育委員会に出しました。


2011年3月22日

東京都教育委員会 殿 FAX:03-5388-1726

東京災害支援ネット(とすねっと)
代表森川 清 (事務局)
東京都豊島区駒込 1- 43- 14 SK90 ビル 302 森川清法律事務所内 (連絡先電話)080-4322-2108

意見書

私たちは、東日本太平洋沖地震の被災者支援に関わる法律家と市民によるネット ワークです。東京都教育庁が平成23年3月17日に発表した「東北地方太平洋沖 地震に伴う被災地域からの生徒の受入れ等について」と題する通知(以下「本件通 知」という)に関し、生徒等の就学機会を確保する観点から、下記のとおり意見を 述べます。

1 意見の趣旨 本件通知は、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に被災し
たことに伴い、現在在籍する高等学校、特別支援学校幼稚部又は高等部に通学す ることが困難となった生徒等から都立学校への転学の希望があった場合、各都立 学校において平成23年度中の転学を受け入れることとした上で、その内容及び 手続等に言及していますが、その対象生徒等について「都内に転居することが確 実な者(保護者のどちらか一方と転居する場合又は都内に身元引受人がおり、転 居して身元引受人と同居する場合を含む。)」としています。これが受入れの対 象を都内に転居することが確実な生徒等に限定する趣旨であれば、被災した生徒等の就学の機会を著しく狭めるものですから、都内に転居することが確実でない 生徒等に対しても、被災した生徒等が都立学校への受入れを希望してきた場合に は、可能な限り弾力的に取り扱い、速やかにこれを受け入れるよう求めます。


2 意見の理由 文部科学省発表の平成23年3月14日付通知「平成23年(2011年)東
北地方太平洋沖地震における被災地域の児童生徒等の就学機会の確保等につい て」(以下「文部科学省通知」という)は、被災した児童生徒等の就学の機会を 確保する等の観点から、当該児童生徒等に係る事務の取扱い等に当たり、被災し た児童生徒等が域内の公立学校への受入れを希望してきた場合には、可能な限り 弾力的に取り扱い、速やかに受け入れること」としております。これは、未曾有 の災害により、多大な困難を抱えた被災地域の児童生徒等の就学の機会を最大限 確保するため、受入れ対象を可能な限り広くした上で、できる限り弾力的な受入 れを行うよう、各都道府県教育委員会等に求めるものです。

現在、被災地の状況の詳細も、今後の復興の目途も、避難先の受け入れ態勢の 今後の推移も分からない状態の中で、被災した生徒等やその家族等の多くは、今 後の生活の目途が立たないまま、予測ができない極めて不安定な状況下での避難 生活を余儀なくされており、かかる状況は、今後も相当期間続くことが予想され ます。当然ながら、今後、どこでどのようにして生活するかは、多くの被災者に とって未だ見通しの立たないことがらです。しかるに、公立学校への受入れの対 象を「都内に転居することが確実な者」に限定すれば、ごく限られた一部の者し か受け入れの対象にならず、避難を続けながら、状況に応じて今後の生活の方法 を模索しなければならない多くの生徒等が受入れの対象から排除されてしまうと いう憂うべき事態を招くことになります。就学の機会を確保する必要性は、都内 への転居が確実でない生徒等、避難生活を続けながら復興後の帰郷を目指す生徒 等にも同様に存在します。受入れの対象を「都内に転居することが確実な者」に 限れば、就学のために都内に止まるという選択を事実上強いられるという不当な事態を招く危険すらあります。そもそも、はたして被災地の受け入れ態勢が整う のか、避難所にいつまでいることができるか、いなければならないのか等の情報 が不足している中で、都内に居住することが「確実」という縛りをかけるのは、 ただでさえ不安な生活を続けている被災者の不安を更に増長する危険がありま す。

以上のように、公立学校への受入れの対象となる生徒等を「都内に転居するこ とが確実な者」に限ることは、文部科学省通知の予定する受入れの対象を不当に 狭め、就学の機会を確保する必要がある生徒等の多くを支援の対象から除外する 危険が大きいとともに、被災者等が今後の生活再建の方法を慎重に検討すること にも支障を生じかねず、不安を増長するおそれすらあります。、よって、文部科 学省の通知に反することのないように、要件を修正されるか、「都内に転居する ことが確実な者」との貴庁通知を、公立学校への受け入れの対象となる生徒等を、 都内に転居することが確実な者に制限する根拠としないよう求めます。かかる制 限を課すことなく、都内に転居することが確実でない生徒等に対しても、被災し た生徒等が都立学校への受入れを希望してきた場合には、可能な限り弾力的に取 り扱い、速やかにこれを受け入れるよう強く求めます。

以上


東京武道館の被災者対応について東京都に要望書を提出しました

2011年03月20日 13時25分22秒 | とすねっとの要望書
とすねっと要望書等第2号
平成23年3月20日

東京都知事 石原慎太郎 様
東京都総務局総合防災部 御中
東京都スポーツ振興局 御中
東京災害支援ネット(仮)
(TOSSNET とすねっと)
代表 森川 清 
連絡先 080-4322-2018


要望書

要望
1 現在貴庁ではこのたび避難している方々を「自立生活が可能なことを前提に受け入れている」との見解ですが、実際には、宮城県など、津波の被害を受け自宅をなくす等援助が必要な方もいます。
また、福島原発30km以内の範囲内から避難している方々の中にも、現に生活保護受給世帯など、援助を必要としている方がいると思われます。
よって、避難されている方々に対する援助がぜひとも必要です。

2 まず、現在避難されている方々は、すぐに金銭が引き出せない、すぐに労働できないなど、現在通常の生活を送れない状況にあります。
 ですので、貴庁において、避難している方々への食事、医療、及び入浴の提供をするよう要請いたします。(社援総発0319第1号「平成23年東北地方太平洋沖地震に係る災害救助法の弾力運用について」通知)なお厚生労働省に対し問い合わせましたところ、上記通知により、避難先の地方公共団体において、食事を提供することは可能であると伺っております。
もし、貴庁で食事の提供ができないということであれば、民間団体が炊き出しをする用意がありますので、民間団体の炊き出しを受け入れるよう強く要請いたします。

3 現在、貴庁では、せっかく多数の市民がボランティアの協力の申し出をしているにもかかわらず、ボランティアの協力の申し出を留保するという形で事実上ボランティアの受け入れを拒否しています。
 このような大規模災害時に、ボランティアの協力の申し出があることは素晴らしいことであり、これを受け入れないということは、災害対応として不当です。
 ですので、早急に、上記炊き出しに限らず、ひろく市民のボランティアの協力の申し出を受けいれるよう強く要請いたします。

4 次に、要保護状態にある方については、すみやかに保護を要請いたします。(社援保発0317号第1号通知「東北地方太平洋沖地震による被害者の生活保護の取り扱いについて」)

5 さらに、多くの方が避難されているさいたまスーパーアリーナでは、すでに何でも相談会を行っており、3月19日には受け入れ作業中でありまだ相談会の周知がされていない段階にもかかわらず、36人の相談がございました。
そして、当団体は、東京武道館において、現在さいたまスーパーアリーナで行われているのと同様の相談会を行う用意がございます。
よって、相談会の開催を受け入れるよう要請いたします。

6 また、現在避難している子供たちは、長い避難生活の中で、不安定な状態になっています。子どもたちが不安定になることで、親も不安を抱えています。ですので、子どもが安心して過ごせる、子どもの専門のスペースの確保がぜひとも必要です。
ですので、東京武道館内に、子ども専用のスペースを設けるよう要請いたします。
また、足立区に対し、近隣の児童館、子ども家庭支援センターなどの開館を要請してください。

7 なお、現在、避難されている方々に対し、施設外で飲酒を厳禁しており、飲酒した場合は世帯ごと退所処分としていると伺っておりますが、避難されている方々に対し不当な生活の制限はすべきではありません。ですので、施設外での飲酒を過度に制限しないよう要請いたします。


【要望書】東京都に避難する被災者の方に関する要望書 その1

2011年03月20日 13時01分42秒 | とすねっとの要望書
とすねっと要望書第1号
平成23年3月20日

東京都知事 石原慎太郎 様
スポーツ振興局 御中
東京災害支援ネット(仮)  
  (TOSSNET とすねっと)
代表 森川 清
 暫定連絡先 090-5211-8260



要望書

要望の趣旨
1.東京都に避難する被災者の方に対して,食事,医療,入浴の場所,提供してください。

2.行政の専門部署を避難所に配置し,必要な援助を実施できるよう相談窓口を開設してください。
a 正確な情報が避難されている方に伝わるよう適切な情報提供をして下さい(特に,今後の見通しについて)。

4.ボランティア,NPOを活用してください。特に,法律,医療,生活,女性,子ども(特に就学),
外国人など専門分野の相談体制を整えて下さい。

5.避難所での生活を長期化させない施策を講じてください

6.被災前のコミュニティが失われないよう他の自治体とも協力して,国に要望してください。

7.何らかの方法で現金が支給できないか検討して下さい。

8.少しでも避難生活が良好に保てるように民間団体との協議の場を設置して下さい。

■要望の理由
1.今回の被災について,避難されている方が抱える不安等,当然の共通認識については,
  記載を省略します。

2.私たちは,これまでに貧困問題等に取り組む弁護士や司法書士を中心とした任意団体
  (仮略称:とすねつと)であり,3月18日から「さいたまスーパーアリーナ」で,避
  難した方のニーズ調査や各種相談に応じている災害支援ネットワーク(SSN)に協力し,
  実際に避難されている方の生の声を聞いています。

3.SSNに寄せられた要望,相談には,この先の不安,被害あった家族や知り合いの安否,
  など被災者であれば当然に感じるであろう不安もさることながら,例えば,①所持金がない,
 ②着替えがない,③震災の影響で不眠に陥った,④持病があるが医療が受けられない,
 ⑤薬がない,⑥障害者であるが障害に対する支援が受けられない,⑦4月からの子供の教育が心配,
 ⑧借金や住宅ローンがどうなるか心配,など,具体的な相談も少なくありません。

4.私たちは,これら被災者の要望が,法律上,あるいは事実上,必ずしも直ちに解決できるとは限らないにしても,
  少なくとも「要望をすること」,「その要望が,責任ある窓口に伝えられること」は,当然だと考えています。
まずは,その環境を整備されなければなりません。
この未曾有の震災は,「あまりにも広域である」,「さらに広域な自治体が避難の受け入れをしている」などの諸事情から,
国,被災した自治体,避難者を受け入れた自治体の分掌が不明確となっている実情を鑑みれば,
施設管理者である東京都がこれら要望の聞き取りをするよりも,埼玉県の支援のように民間が活用されるべきです。

5.他にも,一日早く避難を受け入れた埼玉県での活動を参考とすべきことが,多数ありま す。
①3月19日からは食事が提供されています(別紙「平成23年3月19日付厚生労働省社会・援護局総務課長通知1号」を参照ください。)。
②3月18日から民間の炊き出しが行われています。
③ボランティア医師,弁護士,司法書士などの専門化が避難所に常駐し必要な援助をしています。
④民間ボランティアが物資やそれぞれの得意分野でのサービスを提供しています。などたくさんあります。

6.もっとも,それで十分ではないことは明らかです。その他の要望は,今後の立法を含めての検討課題も含まれていますが,
この未曾有の大災害の被災者が平穏で安定した生活を取り戻せるように,活用できる資源が官民問わず活用すべきです。

7.残念ではありますが,被災者に対する東京都の現在の対応は決して十分とは言えません。
食事の提供がなく(厚労省通知が3月19日であるのでしかたないのですが),医療・入浴施設など必要最小限の生活サービスも
十分提供されていないのが現状です。被災前に暮らしていた地域や親族とのつながりが失われている方もいらっしゃいます。
受け入れ自治体からの情報の提供も不足しているようです。そのうえ,このような不便な避難生活が長期化するのではないか
という懸念もあります。
子どもを抱える被災者にとっては,4月から新学期が始まるとどうなるのかも不安です。
こうした被災者の不安や不便を解消するには,法律相談,医療相談,生活相談,心のケア,女,性・子ども・外国人に対する支援,
心のこもった温かい食事の提供などを進める必要があります。
しかし,こうした支援活動について都の職員には十分なノウハウがあるとはいえませんし,
実際に現状の相談・支援体制は貧弱であるといわざるをえません。民間のボランティア・NPOを活用しなければ,
被災者に対する上記の支援活動は十分に行うことができないはずです。

8.今後各地で同様に自治体が被災者を受け入れることになるでしょう。東京都の対応は国民が注目するところになります。
東京都は,受け入れ自治体としての模範を示さなければなりません。私たちは,そのために,必要な協力を惜しみません。
相互に協力して被災者に対する万全の支援をすすめるよう強く要望する次第です。


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