ぼくの友人に猫好きの男がいた。彼はそこそこ男前で明るく人当たりも柔らかい人気者だ。やつがある女と知り合いになり、話が弾んだ。女は猫を飼っているのと言った。やつは君の猫が見たいな、と言った。女はやつを自分の部屋に招待した。ひそかな期待を持って……。
やつが部屋にきた。しかし、ほんとうに、ずっと猫と遊んでいたそうだ。
後日、その哀れな女に話を聞くと、一番悲しかったのは、猫が帰るやつといっしょに、玄関から出ようとしたことだった、という。
やつが部屋にきた。しかし、ほんとうに、ずっと猫と遊んでいたそうだ。
後日、その哀れな女に話を聞くと、一番悲しかったのは、猫が帰るやつといっしょに、玄関から出ようとしたことだった、という。