ブレイブ ストーリー

【2006年・日本】試写会で鑑賞（★★★☆☆）

宮部みゆき原作のファンタジー小説をアニメ化。
アニメーションを手掛けるのは「ウィッチブレイド」「トリニティ・ブラッド」「スピードグラファー」などのGONZO。

主人公の三谷亘=ワタル（声：松たか子）は、10歳の小学５年生。ある夜、幽霊が出るという噂の建物で肝試しをしていた。そこでワタルは、謎の少年・芦川美鶴=ミツル（声：ウエンツ瑛士）に出会う。ミツルは言う。『扉の向こうに行けば、運命を変えられる。ひとつだけ願いが叶うんだ』。一見平和に見えた三谷家だが、父親は別の女を作って離婚、母親はショックで倒れてしまう。途方に暮れるワタルはミツルの言葉を思い出し、幽霊ビルに向かう。そこから天空に伸びる階段を昇り、その先にある運命の扉を越えて、ワタルは幻界【ヴィジョン】へ旅立つ。現世から幻界に来た人間は、旅人と呼ばれ、まず【おためしの洞窟】で旅人としての力量を判断される。ワタルの評価は35点の見習い勇者。何でも願いを叶えてくれる運命の女神に出会うためには、５つの宝玉を探し出さなければならない。ワタルは、水人族のキ・キーマ（声：大泉洋）やネ族のミーナ（声：斎藤千和）、幻界の平和を守るハイランダーのカッツ（声：常磐貴子）らと出会いながら、幻界の奥深くへ旅立っていく…。

現代に生きる人間が異世界へ旅立つという、王道のヒロイックファンタジー。
声を担当した松たか子やウエンツ瑛士など、とても良い。
そしてアニメのクオリティも問題なし。

でもかなり不満である。
その原因もハッキリしている。
脚本か監督の力量なのかな？



とにかくブツ切り感が酷い。
ワタルが幻界にやってきて、仲間に出会って…。
曲が１曲流れる間にダイジェストで冒険が表示され、いきなりラストステージ。
仲間との友情を深めていくとか、幻界のいろんな場所を紹介するというのがバッサリ省略されているのである。
まぁ、あの分厚い小説を２時間でまとめると、そうなっちゃうのかもしれないんだけど。
何となく２時間かけた予告編を観ちゃったって感じ？
ブツ切り感が…なぁ。

いろいろと気になる点。
・この幻界には定期的に旅人がやってくる。
・５つ目の闇の宝玉は、幻界を崩壊に導く要素を秘めている。
・ただ、この世界で旅人が幻界を滅ぼす存在と認知されていないのは、過去に誰もそこに辿り着けなかったからである。
・ほとんどの旅人は、デラルベシと呼ばれる氷に被われた岩山で死んで（？）いるらしい。
・このエリアをワタルは、サラッっとクリアしたのか？
・見習い勇者であるワタルの特殊感が把握（理解）できない。



要はこのファンタジー世界のルールが見えてこないのである。
そしてワタルの冒険シーンをバッサリカットしているため、ワタルの勇気に感情移入ができないのである。

ＴＶアニメでやった方が良かった？

監督は千明孝一。


追伸。
試写が終わった後に、主題歌を歌うアクアタイムズが登場。
主題歌の『決意の朝に』と『等身大のラヴソング』の２曲を熱唱。
生のLIVEはやはりいいのである。

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