ともやの映画大好きっ!

鑑賞した映画の感想やサウンドトラックなどの紹介、懸賞や日々の戯れ言などをのほほんと綴っていこうと思っています。

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2006年01月08日 | 映画(あ行)
【2002年・日本】TVで鑑賞(ともや評価:★★★★☆)

1997年に発表された桐野夏生原作の同名小説を題材にしたサスペンス映画。

東京郊外にある弁当工場。ここで働いている深夜パートの主婦たち4人は、それぞれに悩みを抱えていた。香取雅子(原田美枝子)は、家庭崩壊。吾妻ヨシエ(倍賞美津子)は、老人介護。城之内邦子(室井滋)は、借金問題。身重の山本弥生(西田尚美)は、ドメスティック・バイオレンス。ある日弥生は、家の貯金をギャンブルで食いつぶし、お腹の子供に対してまで暴力を振るう夫(大森南朋)を絞め殺してしまった。困り果てた弥生は、頼りになる雅子に電話をし、身重を理由に死体の処理を押しつけてしまう。雅子は仕方なく師匠と慕うヨシエと共に、死体をバラバラにし始めるが、そこへ邦子が金を無心にやってくる…。

映画公開当時、何かの感想で『もうコンビニ弁当が食べられなくなりました』というような書き込みを見たことがあり、てっきり主婦4人が殺した夫の死体をお弁当工場の機械で加工し、完全犯罪を目論む…という物語だとずっと思っていましたが、全然違うお話でした(ひょっとしたら原作はそういうストーリーなのかしらん?)。

途中、まだそんな遅くない夜に死体を剥き出しで車まで運んだり、昼間から駐車場の車から死体を家に運ぶ込む場面では、『そんな堂々と運んでたら絶対目撃されてるから、奥さん!』とか思ったりしたけれど、この作品は犯罪そのものを描いているわけではないからいいのである。



人生の崖っぷちに立たされた女たちが、絶対絶命の状況を乗り越えて、新たな人生に踏み出していく【脱出=OUT】の物語。



ベテランの女優さんしか出ていないので、もの凄く安心して観ることができました。
こういう風に演技がどうこうとか気にしないで観られる映画って久し振りかも…。
最初は普通の主婦にしか見えなかった原田美枝子が、最後は格好良く見えて仕方がありませんでした。
そして、こういう演技をさせたらピカイチの室井滋。
いいキャスティングです。



家庭で弱い者もしか暴力を振るえないクズ夫を絞め殺す弥生。
でもその後の行動は、人に任せて知らんぷりの似たり寄ったりな嫁。
そんな演技も西田尚美はそつなくこなしています。



糸ノコなどを使わずに包丁だけで死体をバラバラにしていく主婦たち。
人の脂で包丁の刃などはすぐにダメになるって聞いたことあるけど、
そんなツッコミも主婦の包丁さばきが上手いから…ということで(笑)。

TVドラマ版って観たことないけど、どんなキャスティングになってるんだろう?
どこかで再放送しないかなぁ。

監督は平山秀幸。


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