書棚の奥から一冊の本が出てきました。
奥付は、昭和59年。
若き日に買った一冊・・・。
改めて読んでみました。
一冊の同じ本でも、年を重ねて読むと別の解釈や発見が出来ることが多々あります。
今回も新たな発見がありました。
さまざまな経験や体験が一冊の本の理解を増してくれるのでしょうね。
文明人の生活作法
玉村豊男著 新潮文庫 定価280円
著者の玉村さんは、世界を旅して、各地の衣食住を楽しみとともに、物凄い読書量を持つ博覧強記の作家です。
同書は、文明人に求められるであろうエチケットやマナーについて面白おかしく解説していく一冊です。
目次
Part1 食卓の作法
Part2 つきあいの作法
Part3 装いの作法
西洋のテーブルマナーは、数種類のナイフ、フォーク、スプーンなどを使い分けて食するという、なかなかメンドーな作法、エチケット、マナーであると指摘します。
ナイフやフォークを外側から使っていく、フィンガーボーウルを上品に使う(これは長年、手づかみで食べていたなごりだそうです)・・・18世紀ころから作法が形成されてきました。
しかしながら、この仕組みができて、まだ200年ほどしかたっていないそうです。
それに対してシンプルに一膳の箸しか使わない日本のハシ文化は、1000年以上。
そういえば、森にすむ山賊(!?)ロビン・フッドが矢でリンゴを射抜いていた頃、海賊バイキングが海を支配していた頃、日本では紫式部や清少納言が高貴な文学を書いていました。
和の文化も、なかなか素敵です。
同書では、世界のトイレやサウナ、レディファーストの由来、背広やファッション、モードの歴史が出てきます。
長ズボン、背広は、フランス革命を起点として普及したとのこと。
フランスの市民が、王侯貴族を打倒したフランス革命。
燕尾服のような長い上着に下は半ズボンにタイツを着用する王侯貴族に対して、短い上着、動きやすく働きやすい長ズボンを着る一般市民・・・。
王侯貴族に反旗を翻した革命を起こした市民の反発心、レジスタンスバワーのシンボルである背広と長ズボン・・・。
ここから、背広が生まれたそうです。
半パン大好きな小職は、もしかしたら王侯貴族の末裔なのかもしれません(爆笑)。
作法、エチケット、マナー・・・最近では、あまりこだわらない人が増えてきました。
ダイバーシティ、多様性・・・。
でも、冠婚葬祭などのオフィシャルな場ではシッカリ型にはまって、恥をかかないようにしなければなりません。
おすすめの一冊です。