能率技師のメモ帳

マネジメント理論を世のため人のために役立てるために・・・
中小企業診断士・特定社会保険労務士のソーシャル備忘録

ガンバレ!大阪のビジネスパースン いい子になった大阪人?関西のノリを復活させてください!

2012年08月29日 | 日記・エッセイ・コラム

今日は、朝一の新幹線で大阪へ出張。

とにかく暑い!

新大阪から在来線に乗り換え大阪駅で電車のドアが開いた瞬間、ドッと熱風が・・・。

でも、地元の方曰く・・・「今日は、まだ涼しいです。」


阪神タイガースはちょっと元気がありませんが、橋下市長や大阪維新の会は元気一杯!

でも、大阪のビジネスマン・ビジネスウーマンは一時期のような元気、パワーがないように感じました。

「景気が悪いでんな」という会話に代表されるように、

なぜか今までのようなアグレッシィブな会話、行動が薄れつつあるように感じた次第です。

暑い!という要因もあるのでしょうが、なぜか優等生的な振る舞い、いい子になった大阪人がいるように感じ。


これは、関西圏がメジャーになる前触れなのでしょうか?

突っ込みや笑いで入る大阪のノリが懐かしく思われる一日でした・・・。


韓国ビジネスパースン 対 日本ビジネスパースン・・・がんばれ!ニッポンの若きビジネスパースン!

2012年08月28日 | 社会・経済

先月の日経新聞に、サムソンやLG電子の社員の記事がで出ていました。


サムソンやLG電子の日本法人にいる若手ビジネスパースン。

早朝から目いっぱい働き、午前様まで働く・・・帰宅後は社内のeラーニングでマネジメントや語学を学ぶ・・・そういった記事でした。

昭和30~40年代の日本のエリート商社マンのような生活を送っています。

韓国では、「スペック」というらしいのですが、学歴、留学歴、語学力などによりビジネスパースンの価値が決まるとのこと。

激烈な受験戦争に勝ち抜き、サムソンやLG電子に入社。

選び抜かれたエリートたちが命をかけて仕事に打ち込む・・・本当にスゴい世界だと思います。


ひるがえって日本の若者。

勉強はテキトー、慣れない海外には行きたくない、ワークライフバランスのとれたゆとりある生活が第一、リスクは絶対とらない・・・。


この両者がガチンコで戦った場合の結果は、語らずもがなです。


経済成長著しい韓国、中国・・・。

そこの選ばれし若者はハングリーで、リスクを取ってでもチャレンジしていく気質、育ててもらった両親に孝行するために必死で仕事に取り組んでいるようです。

もちろん成功する者だけではなく、脱落し悲嘆にくれる人たちも多数いるようで、自殺数は日本の比ではないそうです。


年を重ねると「今の若いのは・・・」「昔は違った」といったフレーズは、古代ギリシャの時代から変わらないようですが、それにしても国際競争という観点からするとニッポンがアドバンテージをとれない主因が若者のパワーにあると思います。


もちろん仕事だけが人生の幸福を約束するものではありません。


しかしながら、仕事で勝ち抜くという努力は、その人の持つ能力、ポテンシャルを最大限に引き出す力があると思います。


アジアの中の日本・・・その環境や情勢を意識して学び、働く姿勢を10代のうちから体得しなければならない時代に入ったのではないかと思う、今日この頃です。

がんばれ!ニッポンの若きビジネスパースン!


北極の氷が半減している・・・異常気象と食糧危機 エネルギー問題、食糧問題をどうするかという人類の課題

2012年08月26日 | 社会・経済

宇宙航空研究開発機構の調査によると、北極海の氷が最小となり、1980年と比較して半分になっているとのこと。

毎日10万平方キロの氷がなくなってきているとのことです。

地球温暖化が進んでいるとはいえ、そのスピードには驚きました。


今日の新聞では、過去最大級の台風が沖縄に近づいている、米国の干ばつにより農作物が2割減となっているという記事。

異常気象と一言で片付けるわけにはいかないような危機意識を感じました。


事実、トウモロコシは4割高、大豆は2割高とのことで、わたしの大好きな豆腐や納豆が高くなることは少し悲しいです。


今週号の日経ビジネスの特集は「食糧非常事態宣言-爆食と凶作の時代を生き抜く-」。

まさに旬なテーマだと思います。

日本の3年分の大豆を米国で買い付ける中国の政治家ではじまるこの記事は、今までのようにお金さえあれば世界から何でも買えるという日本人の非常識を覆す力を持っています。

中国、インド、アジア・アフリカ諸国の人口爆発、気象変動による凶作、各国の食糧保護政策などがかさなれば、食糧危機の発生もリアルさを増してきます。


前世紀に「人口論」を著したロバート・マルサス。

「食糧は等差級数的にしか増えないが、人口は等比級数的に増加する」と喝破した古典としての経済論が再び脚光を浴びる日も近いような感じがします。

計画停電のように電気がこない、ガスが使えないということは何とかしのぐことが思いますが、食べ物がない・・・

これは社会的にもパニックになると思います。


エネルギーとともに食糧をどうするかという課題が、この十年間の世界的テーマになるような気がします。


ビジネス寓話50選 物語で読み解く、企業と仕事のこれから・・・広告マンのプライドと思い上がり

2012年08月25日 | 本と雑誌

「ビジネス寓話50選 物語で読み解く、企業と仕事のこれから」

博報堂ブランドデザイン編 

アスキー・メディアワークス発行 781円+税


出張の新幹線に乗り込む前に購入した一冊。

古今東西の寓話から教訓を飲み取り、ビジネスに活かしていこうという一冊です。

「はたらく」「売る」「つくる」「動かす」「つながる」という5つの章から構成され、古今東西の寓話、エピソードを取り上げ解説していきます。

時間つぶしには役立つ一冊でしたが、寓話自体が手垢のついたものが多く、「それ、知ってる!」という野暮な反応しか出来ない私がいました・・・。

一時期、イソップ童話をはまり、それを読み込み、先人の知恵を学ぼうとしたこともありましたが、現代のスピード感の中ではなかなか活用することができませんでした。

寓話の限界というものもあると思います。


若き日、わたしが広告代理店に入ったころ、仕事が終わると同期とともに喫茶店へ通っていました。

今だとカフェでコーヒー一杯で何時間も討論するという感じでしょうか?

今の広告業界は・・・がおかしい、わが社のトップの言うナニナニは違うのではないか・・・、といった広告会社がらみのテーマをエラソーに熱心に語り合っていました。

今思うと、社会人になった喜びと今から始まるであろう広告業界での活躍に胸躍らせていたのだと思います。


そうです。

メディアとクリエイティブとマーケティングを駆使すれば、どんなものでも売れる、われわれは広告業界にいる特権階級なのだ・・・といった変な自意識を持っていたものでした(笑)。

パンとサーカス(見世物)さえ大衆に提供すれば、世の中は動かせるものとさえ思っていました。

今回、出版された同書の著述者にも同様な空気が読み取れ、自分自身少し赤面した次第です。


今回取り上げた書籍も、「われわれは違う」という基本スタンスを持った広告マンの集団。

自信と特権意識を持った押し出しが感じられます。


でも、それでは今の世の中、モノやコトは売れません。


上から目線になっただけで消費者(博報堂さん流にいえば生活者)は、それを購入しませんし、説教くさいと感じただけで人々はソッポを向いてしまいます。

教養や知識知恵ではモノが売れない時代に入っているのです。


寓話やエピソードで社内の風土や仕組みを変えようという理想は十分に理解でききますし、また、マネジメント上十分に機能するものだと思います。

でも何かが足りない・・・。


やはり広告会社は、黒子として、知識とセンスと野心と行動力を持って、会社と社会に働きかけを行っていくことが必要だと思います。

黒幕の美学というのが必須のスピリッツだと考えます。

そして、そのほうがカッコいいと思います。

トム・ピータースではありませんが、そのブランドや商品を見た途端に言葉を失うもの、キッチンにいる主婦がオタマを落とすもの・・・を追及していくことが、これからますます必要だと思います。


野村監督も、いいこと言うなあ・・・人生を勝利に導く金言 野村克也著  「夢や目標が人を敏感にする」

2012年08月24日 | 本と雑誌

ノムさんの金言集、到知出版社からの発刊。

プロ野球、大好き・・・思わず購入した一冊です。


全12章からなる本書は、野村前監督の経験、体験から導き出された泥臭い知恵の集大成。

1ページ1金言というスタイルで好きなところから読むことが出来ます。


南海ホークスのテスト生から出発し、60年以上に渡ってプロ野球界の最前線で活躍されたノムさんの人生訓です。

野球に命をかけている息子たち(しかもキャッチャー)に読ませたいと思っています。


「思想が二流の人間は伸びない」

「信頼のもとに愛情がある」

「恥をかけ!」

「メリットのある失敗をせよ」

「不満がなければ成長しない」


「夢や目標が人を敏感にする」

「24時間の使い方」

「すべて自分次第」

「毎日やることが大事」

「限界の先に一流の道がある」


「原点は気」

「プロに間違いは許されない」

「自分の頭で考える」

「持論が信念になる」

「ツキも実力のうち」


「勝利の三原則」

「負け試合は反省のチャンス」

「8つほめて、2つ叱る」

「努力に即効性なし」


簡単なフレーズですが、そこにはノムさんの経験に裏打ちされた確固たる真理があるような気持ちにさせる文章です。

悩み多き管理職の方に読んでいただきたい一冊です。


観光ビジネス未来白書 統計に見る実態・分析から見える未来戦略・・・企業診断ニュースの書評

2012年08月19日 | 本と雑誌

最近、やっと脚光をあびはじめた観光ビジネス。

政府のビジットジャパン・キャンペーンや外国人観光客の獲得のための各種施策も3.11以降、少し後退気味でしたが、ここに来て盛り返してきました。

今回の一冊は、価値あるコントパフォーマンスの高い一冊。

観光ビジネスやエンターテイメントビジネス、サービス業に興味を持たれている方には必読の一冊です。

今回は、「企業診断ニュース」2012年7月号に掲載された小生の稚拙な書評文書で紹介させていただきます。

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「観光ビジネス未来白書

統計に見る実態・分析から見える未来戦略 2012年版」

加藤弘治編著 同友館

 

海外からの旅行客が、東日本大震災前に近づきつつあるという新聞報道。本書2011年版は昨年4月に刊行されたが、原稿がまとめられたのは3.11前であった。今回の2012年版では、最新のデータに更新するとともに、新たなジャンルや項目を盛り込み充実させた内容となっている。2011年版の書評も担当させていただいたが、2012年版ではカテゴリーも8分野増加、ページ数で14ページ増となっている。観光ビジネスによる「復興」についても、復興支援ツアー、市民ファンドサポーター、三陸鉄道復興事業を解説するとともに、東北と全国を結ぶLCC(格安航空会社)運行、被災地ナマ情報発信等の提言をしている。

 本書は、16名の中小企業診断士が観光ビジネスについて78のカテゴリーから官公庁やシンクタンクの統計・データをベースとして未来戦略を提唱している一冊である。見開きページで各ジャンルの「現状」と「未来戦略」で構成。未来戦略での提言は診断士らしいクリエイティブなアイデアが散りばめられており興味深い。12年版では、新たにエコツーリズム、グリーンツーリズム、メディカルツーリズムや地域イベントビジネス等が取り上げられ、最終節では「注目の観光ビジネス」としてロケ地誘致ビジネス、カジノビジネス、ペットホテル、町家ビジネス等を取り上げている。

 観光立国を目指すわが国にとって、ソフトパワーは極めて重要である。観光ビジネスを体系的に整理した本書の存在は、明日の観光ビジネスを考えていく上でのプラットホームになりうる。この本をベースにして観光ビジネスに関する勉強会や研究会を実施すれば、さまざまなアイデアや多様な意見を引き出すことが出来るものと考える。以上 


もういちど読む山川倫理 山川出版社 デカルト カント ショーペハウエル・・・でかんしょ!

2012年08月18日 | 本と雑誌

もういちど読む山川倫理

 

1500円+税 山川出版社


山川と聞いただけで、暗くなる人も多いと思います(笑)。

暗記科目だった日本史、世界史、地理、倫理などの社会科科目の教科書を出している出版社です。

欄外の小さな文字から出題、別冊のカラーの参考書など、山川の世界は深いものです。


昨年出された「山川倫理」。

購入後、積読となっていましたが、改めて読むとなかなか味わいのある高校教科書です。

これが、社会人向けに編集されたものなのか、高校で使用されているものをそのまま転用しているのかは?ですが、たいへん読みやすく、ニュートラルな視座から編集されているので好感がもてます。


目次

第一章 思索の源流

第二章 西洋の近代思想

第三章 日本の思想

第四章 現代の倫理的課題

序章を含めて、五つの章から構成されています。


腰帯のキャッチコピーが「さあ哲学をはじめよう!ニーチェもブッダもプラトンも・・・」。

古代から近現代までをカバーする同書は、バラバラになっている知識を体系的に整理するには、もってこいの一冊だと思います。


デカルト、カント、ヘーゲルまで、哲学の基礎知識がなくとも理解できる分かりやすい解説が加えられています。

もう一度、哲学にチャレンジしようという人には、良きガイドになると思います。


小学生低学年の頃、なぜ歌謡曲は男と女の話しか出ないのか?と真面目に考えていたことがあります。

自然の偉大さや宇宙の広さを歌った歌謡曲があってもいいと思っていたのです(今はJポップと言うそうですが・・・)。

そして、母親の女性雑誌を盗み読みで、これまた何故惚れたハレた話しかないのか?と不思議に思っていました。

しかしながら、年ごろになると、アタマの中はその手の妄想ばかり・・・。

成長とともに認識が変化していくのです。


高校の教科書も同様です。

高校の時に、こんなことを知っていたって社会じゃ役に立たないよな、と思っていたことが、世間様で何十年も過ごす中で知識の価値が変化していくのです。

社会人がよく口にする「学生時代に、もっと勉強しておけば良かったなあ」というフレーズも同根だと思います。


必要なときの「学び」は、まさにプラグマティズム。

親から学費を出してもらって、いやいや行っていた学校や塾。


今では、自腹を切って、時間を捻出して、大学院やセミナーに行ったり、山のような本を買う自分。

時間の経過を、山川倫理を読みながら考えずにおれない夏の一日でした。


リベラルアーツを学ぶとマネジメントが進化していきます・・・哲学三昧の夏休み 教養とフロネシス

2012年08月16日 | 本と雑誌

夏休みは、クーラーのきいた部屋で、好きな音楽を聴きながらする読書が最高の贅沢。

省エネに気配りをしながら、書斎にこもっている昨今です。


というわけで、今週のテーマである西洋哲学史。


以前読んだ哲学史の書籍、放送大学の印刷教材等を引っ張り出しての読書です。

個人的には、大学の教養課程の時から哲学が好きで、難解で分からないことが少しずつ理解できていくプロセスを楽しんでいました。

古代ギリシャから始まって、神学論争、英国経験主義哲学、大陸合理論、カント哲学、実存主義哲学、言語ゲームまで、哲学は「知」のアーカイブということが出来ます。

最近では、実存主義哲学に共感をもっていて、キルケゴール、ハイデカー、サルトルなどの思考をなぞって密かな喜びを感じています。

哲学史は、過去の賢人がアタマをフル回転させた「問い」と「答え」の地層のようなもの。

この時も、こんなことで悩んでいたんだと興味深さと知的喜びを刺激されます。


自分自身は、実務家として「マネジメント」に携わっているのですが、そこで使われる思考の枠組みは、ほぼ先達の哲人、賢者によって築かれたものといえます。

「あるべき姿」や「ビジョン」などはプラトン哲学の二項対立そのものですし、

目標管理はルネ・デカルトの主観・客観論、

サルトルの実存主義哲学は働くビジネスパースンの精神的支柱となりうるものです。


ドラッカーのマネジメント論も、博覧強記なリベラルアーツを土台に持つことで、重厚さ、普遍性を担保していると考えています。

欧州の哲学、文学、神学などがドラッカーマネジメントのバックボーンとして鎮座しているのです。


小職のように、経営学や法学からマネジメントの世界に入った人間にとって、このリベラルアーツ、人文科学の知識や知恵がプアなため、どうしても薄っぺらになりがちです。

この反省も踏まえ、この十年くらいリベラルアーツの基礎学習を継続しているところです。

放送大学の印刷教材は、体系的に整備されており、ゼロベースからの学習に最適です。


野中郁次郎先生も、最近、経営やCSRを語る場合、フロネシスというコンセプトを多用されています。

これは、たしかアリストテレスの道徳論です。

法律や厳格な内部統制で行動を縛り上げるよりも人間の持つ理性、知恵で経営行動をより良いものにしていくということなのだと理解しています。


哲学の夏を楽しみます。


能率学者上野陽一の生涯 日本最初の経営コンサルタント(能率技師) 日本の産業能率を基礎づけます

2012年08月15日 | マネジメント

米国のテーラーが生み出した「科学的管理法」を日本に帰化させた人物が、上野陽一(1883~1957)。

科学的管理法を、そのまま翻訳して日本国内に普及したのではなく、日本人として東洋人としての創意工夫、意訳を用いながら、日本産業の近代化を目指した個性ある人物でした。

上野陽一を語る場合、さまざまな顔を持っています。


「心理学者」

「ベストセラー作家」

「翻訳者」

「能率技師今でいう経営コンサルタントです)

「教育者・大学教授」

「学校創設者」

「人事院人事官」

「平和主義者・リベラリスト」


今でいうマルチタレントです。

もし、現在上野が生きていれば、テレビのワイドショーや新聞雑誌で引っ張りだこだったように思います。


1983年、東京に生まれた上野は、父の関係で長崎に転居。

長崎で幼少期、学生を過ごし、大学進学を目指し再び東京へ。

予備門など、苦学を重ねながら、1908年東京帝国大学文学部を卒業。

専攻は、当時隆盛しつつあった心理学。

卒業から2年後「心理学通儀」を出版、これがベストセラーになります。

学校の先生の資格試験に必須の読本ということもあり、当時裕福ではなかった上野にとって大きな経済的な後ろ盾になったものと思われます。


36歳で早稲田大学にて広告心理学を教授。

「能率の心理」を出版。

これをきっかけにしてライオン歯磨きの広告部長と知り合います。

ここが、上野の人生の転機となります。

同社の工場での改善を要請されたのです。

上野の伝記を読むと、当時の米国で興隆しつつあった科学的管理法の机上の方法論は研究していたものの、実際に適用したことがなかったため、不安で夜も眠れなかったとのこと。

努力家の上野は、このライオン歯磨き(当時、小林商店)での能率指導で産出量20%アップ、工場面積3割圧縮という成果をもたらします。

この時、上野は能率で生み出した業績を、消費者や従業員にも還元するよう提案をしています。

その後、内容量の増量や休憩時間の増加といったカタチが実現するようになります。

その後、化粧品大手の中山太陽堂、福助足袋、大阪造幣局などでの能率指導を実施。全国での講演活動や著作活動を積極的に進めていきます。

1925年には、日本産業能率研究所を創設。

初代所長に就任します。

白木屋では日本初といわれる商業コンサルティングを実施。

大著「能率ハンドブック」を出版。

1942年には日本能率学校を設立します。

上野は、書籍、講演、教授活動といった多様なメディアを活かした「能率」の普及を行うとともに、能率研究所、能率学校という枠組みを活用した「能率」普及を担う人材の輩出を目指したのです。

戦後は、人事院人事官として官職につき、新しい公務員制度を基礎づけます。

74歳で死去。

上野陽一の波乱に満ちた人生は、日本の産業界の近代化に大きく貢献するとともに、「能率」の普及というライフワークに貫かれたものでした。


科学的管理法を日本に帰化させた能率学者「上野陽一研究」 日本最初の経営コンサルタント(能率技師)

2012年08月14日 | マネジメント

科学的管理法は、今から一世紀前にアメリカ合衆国で生まれたマネジメント思想。

それまで、経験・勘・度胸で進められていた製造の仕事に「標準」を持ち込み生産性を高めるために「科学」を持ち込み、標準となる時間や動作を研究し、実践に持ち込むという思想であり、方法論ということができます。

これを考えついたのが、フレデリック・ウィンスロー・テーラー(1856~1915)という人物。

彼の文献を読めば読むほど、時代を先駆け、新しいジャンルを切り開いていったフロンティアスピリットを感じさせます。


・ペンシルバニアの裕福な家庭に生まれる。父は弁護士。

・父の勧めもあり、ハーバード大学法科に入学。

・受験勉強のため目を悪くする。大学中退。

・肉体労働者として鋳型工、機械工として働く。

・22歳で鉄鋼会社に入社。32歳で技師長に。

・勤務しながら大学夜間部へ通学。工学修士を取得。

・47歳で著作「工場管理」を発表。

・59歳で死去。


テーラーの人生は、まさに波乱万丈。


実務家として生き、実務家として生涯を閉じました。

彼の主著「科学的管理法」は、四天王と呼ばれる弟子たちによってまとめられ発表されました。

ギルブレスやガントといった愛弟子たちです。

サーブリック記号で有名なギルブレス、ガントチャートで知られるヘンリー・ガント等、テーラーは後輩とも言える人材を多数育て上げたのです。


「科学的管理法」は、産業能率大学出版部から刊行されていますし、最近では2009年ダイヤモンド社から新訳が出ています。

今読んでも新鮮さを失わない同著は、仕事をする人にとっては必須です。

この「科学的管理法」を日本に持ち込んだのが、上野陽一や池田藤四郎といった「能率技師」と呼ばれる人たちでした。

現在で言う、経営コンサルタント、つまり、民間の実務家だったのです。

いまから100年前の彼らの活動が、近代日本産業の礎になったといっても決して過言ではないと思います。


わたしが大学院で研究していたのが、上野陽一(1983~1957)。

日本における能率運動において、官僚の山下興家、軍人の伍堂卓雄、民間人の上野陽一は、「日本能率界の3先達」と呼ばれています。

上野陽一の人生も、テーラーと同様に波乱万丈。

独自の能率コンセプトを信念とし、昭和の時代を駆け抜けていきました。

修士論文の要旨を少しだけ紹介させていただきます。

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近代的なマネジメント思想及び方法論が日本産業界に導入され約一世紀を迎える。20世紀初頭、米国から科学的管理法が日本に伝わったが、その中心人物の一人が心理学者上野陽一(1883年~1957)であった。上野は、テーラーが産み出した科学的管理法を、そのまま翻訳・輸入するだけではなく、①自ら工場や会社組織の中で実践し成果を出し国内に普及させるとともに、②東洋思想、日本人としての価値観を加味した「能率」の思想、方法論に結実、さらに③能率の普及と日本の産業界の発展のための学校を設立、人材育成を行った。

 

 本研究は、上野と上野が提唱した能率について考察し、日本産業界に残した事績、貢献を再評価する場とする。

 

上野陽一は、日本において「能率の父」と称されている。日本の産業・工業の勃興期に、心理学研究からスタートし、産業心理学、科学的管理法、そして能率研究の道を歩んだ。ただし、純粋に経営学のアカデミックな学術研究に留まったということではなく、そこには常に実践・現場・実証がともなう「能率学者」であった。

 

上野の産業界における実践面を見た場合、大きく5つの点にまとめることができる。

 

第1は、米国発の科学的管理法を、日本国内ではじめて実際の製造業現場において能率指導を行ったことである。

 

第2は、心理学研究を書籍出版に結びつけ普及させたベストセラー作家としての位置づけである。上野は、その生涯の中で87冊の書籍を出版している。特に、50歳代には年間23冊というハイペースでの執筆がなされている。

 

第3は、米国からの翻訳もののマネジメント理論(科学的管理法)を導入、実践の中で普及したことである。当時、経営理論は、ドイツ系の経営経済学が主流であったが、上野のフレデリック・ウィンスロー・テーラーの翻訳を契機として、大陸系経営学から米国経営学へのシフトが起こった。

 

第4は、学校の設立である。上野は、能率の普及のため1942(昭和17)に日本能率学校を設立している。自分の分身たる能率技師(経営コンサルタント)を育成し日本の産業近代化に貢献しようとした。

 

第5は、戦後初の人事院人事官として公務員制度を確立したことである。太平洋戦争後、GHQの要請を受け、人事院人事官とて活動した。

 

さまざまな側面を持つ上野については、その個性的で多面的な行動・実践のため、日本経営学会をはじめとするアカデミックな世界での評価が高いとはいえない。一方、欧米では東洋を代表するマネジメントの権威の一人としての位置付けをする研究者も存在している。上野は、20世紀初頭、欧米を周遊し当時最先端のマネジメント理論を吸収するとともに自らの理論を発表するという国際経営学者としての側面も有していたのである。

 

上野の最大の功績は、マネジメントの主流がヨーロッパ大陸から米国大陸へシフトする流れをいち早く察知し、米国の科学的管理法を日本の現場に導入、「能率」というコンセブトに乗せて普及を図ったことである。理論から実践、翻訳から応用という、いわばマネジメントの本質を自らの能率普及によって体現したと言えるのである。まさに日本にマネジメントを帰化させた能率学者と位置付けられるのである。上野没後すぐ日本的経営から産み出された日本製品(自動車、家電等)は、世界の市場を席巻し21世紀を迎えるまで、そのパワーを発揮した。さらに、KAIZENに代表される日本的マネジメントは再び海を越えて米国に再上陸することになるのである。

 上野の提唱した能率コンセプトは、日本におけるマネジメントの端緒に位置づけられる。当初、科学的管理法に基づいた徹底した分析、定量化、解析に基づく改善を展開したが、上野の晩年は、その思想・方法論に東洋思想が持ち込まれた。包括的、ヒューリスティック、コンセプチュアルな「能率」に昇華させていったのである。欧米流のマネジメント手法が画期的な革新、改革がなしえなくなった今、自信を喪失し停滞ムード漂う日本の産業界にとって、不易・原理原則に立脚した能率コンセプトの活用が、再生の可能性を伺わせる。

 

 目的・手段のバランス化、強みを活かすマネジメントは、「目的の手段化」が見られる企業組織再生に向けての第一歩になるものと考える。

以上