能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

アンデルセンはデンマークフェアを開催中です・・・広島の街の小さなパン屋さんが起こした奇跡 ヒュッゲ(hygge)のライフスタイルが生活を豊かにします

2024年06月25日 | マーケティング

今月、広島アンデルセンではデンマークフェアが開催されています。

欧州デンマークのライフスタイル「ヒュッゲ」をコンセプトにした素敵な空間になっています。

ヒュッゲ(hygge)とは、デンマーク語で、居心地の良い空間に満足感を感じることや、小さなことに幸せを感じることなど、デンマーク人の心の持ち方を指す言葉。

いち早くこのコンセプト取り入れた創業者のアイデアには脱帽です。

半世紀前に、創業者が欧州を視察・・・その中でデンマークのパンやデンマークの文化、ライフスタイルに惹きつけられたとのことです。

どこかの国の政治家のような単なる観光旅行、慰安旅行ではなく、視察旅行、研究の旅。

大きく花を咲かせました。

アンデルセンは、1948年に高木俊介さんが広島市南区で創業。

1967年にはデンマーク・コンセプトのパン屋さんとレストランを融合させた店舗アンデルセンを開業しました。

日本で初めてパンのセルフサービス販売を開始。

1970年には東京・青山に店舗進出。

1972年には冷凍パン生地製法の特許を無料開放し、これが日本におけるパンの普及拡大に大きく貢献しました。

さらには、リトルマーメイド、タカキベーカリーなどの業態進出して多角化していきます。

この建物は、旧三井銀行、旧帝国銀行が使用していたルネサンス様式の建物。

1945年、米軍により投下された1発の原子爆弾で壊滅・・・被爆建物です。

1967年にアンデルセンがこの建物を買い取り改修しました。

広島アンデルセンは、1階はパンや総菜を販売。

2階のレストランでは、洋食を楽しむことが出来ます。

SDGsやESG、ソーシャルやサステナビリティ・・・資本主義の限界が見えてきた今こそ、「ヒュッゲ」のライフスタイル、思想が活きてくるのだと思います。

がんばれ!アンデルセン


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スタートアップとは何か 経済活性化への処方箋・・・起業家、アントレプレナーの輩出は元気のある経済社会には不可欠です

2024年06月25日 | 本と雑誌

以前、「ベンチャー」と呼ばれていた新規の起業は、現在では「スタートアップ」と呼ばれるようになりました。

戦後、4回目と言われる起業ブームの中で、会社を興すアントレプレナーが増えています。

そんな状況をアカデミックな立場から解説した新書が岩波書店から出版されました。

スタートアップとは何か 経済活性化への処方箋

加藤雅俊著  岩波新書  1120円+税

 

著者は、関西学院大学経済学部教授で、今まで15年間にわたりスタートアップについて研究されているそうです。

米国ではスタートアップ研究者の顔ぶれが次々と変わるのに対し、日本のスタートアップ研究者の顔ぶれはあまり変わらないと嘆かれています。

日本のスタートアップ企業数が少ないのも頷けます。

 

目次

第1部 スタートアップを知る

第2部 スタートアップの登場・成功を探る

第3部 日本のスタートアップを考える

 

同書では、スタートアップの光と影の解説から始まり、日本のスタートアップの状況についてアカデミックな解説を加えていきます。

日本政策金融公庫や経済センサスなどの統計資料を交えながら、分かりやすい口語体で説明が進んでいきます。

スタートアップの創業時に苦労したことは、「資金繰り」「販路開拓」「税務法務知識不足」がベスト3。

また、経営やマネジメントのノウハウがない「新規性の不利益」、経営資源が少ない「小規模性の不利益」という二重の不利益の中で、起業者は必死で働きます。

 

また、同書では、起業家の分類をしています。

機会追求型起業家 と 生計確立型起業家

革新型起業家 と 模倣的起業家

連続起業家

社会起業家

ライフスタイル起業家 と ハイブリッド起業家

起業家にもいろいろなタイプがいる・・・今までにない視点で興味深く読むことが出来ました。

 

同書で、驚いたのが、ユニコーン企業の数。

ユニコーン企業とは、起業して株式時価総額が10億ドルに達した企業群のことです。

米国402社、中国147社、インド36社、ドイツ20社・・・これに対して日本は、わずか5社。

元気のない日本経済を象徴しています。

経営者の学歴については、欧米では修士、Ph.Dなどの大学院レベルが多いのに対して、日本では学部卒が大半を占めています。研究者についても博士号ホルダーが圧倒的に少ないです。

 

少子高齢化、人口減少、円安進展、国際競争力の低下、物価高・・・。

日本の国力が低下トレンドにあります。

同書では、スタートアップによる経済活性化について明快な結論は出していませんが、起業家、アントレプレナーの輩出は元気のある社会には不可欠だと思います。

中小企業庁のデータによると、長年、廃業率が開業率を上回っていましたが、それが反転しつつあります。

それでも、起業して5年目には半分の企業が退出します。

起業して、順調に成長していく企業は5%程度ではないかと思います。

なかなか厳しい世界です。

現在、診断士として、3社のスタートアップ企業の支援しています。

次々現れてくる壁、壁、壁・・・。

資金繰り、販路開拓、労務管理、商品開発・・・。

ただ、知っていれば回避できることも多々あります。

伴走しながら、知恵と汗を出し、何とか乗り越えて行きたいと思います。


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