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能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

経済安保、企業が主役 サントリーが専門部隊を置く理由 日経ビジネスの特集記事・・・「DIMET」の時代のサバイバル

2025年07月29日 | 本と雑誌

激動する国際情勢・・・ここ数年、地政学や経済安保の話題が頻出しています。

日経ビジネス2025.7.28号の特集記事は「経済安保、企業が主役 サントリーが専門部隊を置く理由」です。

Contents

Part1 DIMETの時代 今こそ富民強国

Part2 復権の好機到来 官民新連携の号砲

Part3 課題は人材とデータ トップダウンで推進

 

同記事では、「守り」のサプライチェーンの強靭化と「攻め」の新技術開発と脆弱な産業復活の重要性を指摘しています。

そのための、経済成長、抑止力向上、ビジネス機会創出が必要であるとしています。

 

今回、はじめて「DIMET」という用語が出来ました。

国力や経済力を高めるためのキーワードの頭文字をとったものです。

D デップロマシー 外交力

I インテリジェンス 情報力

M ミリタリー 防衛力

E エコノミー 経済力

T テクノロジー 技術力

この「DIMET」という用語も「VUCA」と同じように消えて行くかもしれませんね。

サントリーという飲料メーカーが経済安保?

新浪会長の肝入りでインテリジェンス推進本部を立ち上げ、東京と米国ワシントンに10名のスタッフを置き、様々なリスク分析をしているとのこと。

有事や他国への依存する原材料、カントリーリスクやAIによる市場変化を多角的に研究・分析しています。

何が起こるか分からない国際社会でのサバイバルに向けて、シナリオや全体像を明確にしていく経営戦略をとっています。

経済産業省もジギョケイ(事業継続)にチカラを入れています。

この国にも米国や英国、イスラエル並みの情報収集力、情報分析力が求められています。

がんばろう!ニッポン


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書斎は隠れ家であり、秘密基地!たまには引きこもって内省したり思考したり知的活動をしていきたいものです

2025年07月21日 | 本と雑誌

若いころ、渡部昇一先生の「知的生活の方法」を読んで、自分の書斎を夢見ていました。

故渡部昇一先生も80歳を超えて、東京の自宅に図書館のような巨大書斎を新築されました。

まさに、知の巨人です。

書斎・・・男の夢と浪漫です。

東洋思想家の安岡正篤先生は、書斎STUDYは、人間のバイオトープと喝破されています。

書斎を持たない人間は駄目になるとまで言われています。

書籍評論家の紀田順一郎先生は、「書斎生活術」を記し、理想の書斎を提言しました。

齢を重ねた紀田先生が大量の蔵書を手放す日、蔵書の載せられた大型トラックを見送りながら、悲しみのあまり倒れられたことは有名な話です。

たまには引きこもって内省したり思考したり知的活動をしていきたいものです

生ある限り、知的活動を続けていきたいものです。

 

書斎は隠れ家であり、秘密基地だと思います。

まずは、カタチから・・・笑。

生涯現役!

死して後やむ!

最後まで学び続けたいものです。

理想の書斎づくりを追求していきたいと思います。


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人間学を学ぶ月刊誌「到知」・・・日本人としての矜持、良識、コモンセンスを呼び起こしてくれる月刊誌

2025年07月03日 | 本と雑誌

愛読書の一つである月刊「到知」。
日本人としての矜持、良識、コモンセンスを呼び起こしてくれる月刊誌です。

到知とは、性即理の朱子学、心即理の陽明学の「格物致知」に由来しています。


今月の「「到知」の特集は、「読書立国」。
読書の重要性、日本を再び復興させるのは読書だと喝破します。

「到知」は昨年から書店売りを止めて通信販売だけになっています。

到知出版社は、日本の良識。
右とか左ではなく、日本の持つ底力と精神を日本を代表する知識人、権威からの取材で構成されています。

小職の私淑する安岡正篤先生、吉田松陰先生、本田静六先生。
すべて到知出版社の発刊する書籍で知りました。

最近の特集では、ドラッカー博士が取り上げられています。
「マネジメントの父」と言われるマネジメントというコンセプトを発明したピーター・ドラッカー博士。
日本が大好きな先生の金言には、心を動かされます。

いつまでも続けていただきたい月刊誌「到知」です。


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ミーハーのための見栄講座 その戦略と展開・・・ホイチョイ・プロダクションのデビュー作に再会しました 懐かしい!

2025年07月02日 | 本と雑誌

古書店で、昔、読んだことのある本に再会しました。

バブル経済の全盛期にブームとなった一冊です。

懐かしい~。


ミーハーのための見栄講座 その戦略と展開

ホイチョイ・プロダクション作品 馬場康夫作 松田充信・絵

小学館刊

 

奥付を見ると、昭和58年、1983年です。

日本経済がバブルを迎えようとする年です。

この時、誕生したのがホイチョイ・プロダクション。

東京・成蹊学園で小学校から大学まで16年間過ごした同級生11人が、遊びでホイチョイという仮想国家を造り、映画製作を中心に活動を続けていたことが土台となっているとのこと。

育ちの良い都会のお坊ちゃま、お譲さんが、カッコよく日々を暮らすためのノウハウ、テクニックを世に出しました。

見栄テニス、見栄スキー、見栄フランス料理、見栄海外旅行、見栄オートバイ、見栄軽井沢、見栄キャリアウーマン、見栄湘南、見栄シティーボーイなどのウンチクを並べていきます。

イヤな奴らですね(笑)。

今でいうとニセ・セレブに変身するためのノウハウ、テクニックを短時間で習得しようというハウツー本です。

当時、たくさんいた怪しい人たち・・・笑。

今で言う、港区女子でしょうか。

ホイチョイ・プロダクションは、この一冊をベースとして本来の仕事である映画に進出していきます。

私をスキーに連れてって』 (1987年) 

彼女が水着にきがえたら』 (1989年) 

波の数だけ抱きしめて』 (1991年) 

バブル経済時、若者たちのココロを鷲づかみにしました。

スキーやテニス、サーフィンやヨットで遊ばなければ、人にあらず・・・という雰囲気でした。

マル金(金持ち)、マルビ(貧乏人)という言葉も流行りました。

当時、人生で一番ビンボーだった頃・・・涙。

地方から江戸に出てきた身分としてはしょうがないですよネ。

大学の同級生でも、付属高校からエスカレータで上がってきた人たちは、BMWやサーフボードを乗せたマツダの赤いファミリアで通学、遊びに行っていました。

住む世界が違う・・・遊び方か違う・・・お金の使い方が違う・・・。

うらやましいという感情を超えていました・・・これは格差!

持つもの、持たざる者がいるということを体感した次第です。

でも、今にして思うと、あの時のハングリー精神で今があると思っています。

大学生の頃、ビッグコミックスピリットに掲載されていた「気まぐれコンセプト」を読み、なんと広告代理店に入社することになります。

花のお江戸のど真ん中にある広告代理店・・・実に楽しかったです。

実に単純です(笑)。

ホイチョイ・プロダクション作の「気まぐれコンセプト」は、今もスピリッツに連載されています。

もう半世紀に及ぶ超ロングセラー・・・マンガの最長不倒ではないでしょうか?

見栄講座が出版されて、早42年。

その後、日本の経済は急降下・・・国際競争力も低下し、一人あたりのGDPも目をふさぎたくなる下位に低下。

円安は進み、海外旅行にも行けなくなりました。

ビンボーな国、貧しいニッポンになってしまいました。

悔しいですが、足るを知る、清貧の思想で、当面、地道な努力をしていくしかないと思います。

でも、あの頃と比べると少しは大人になった気がします。

ただ、いまだに軽薄短小、ミーハーですが・・・笑。

明るい未来に向けて、まずは行動、行動、行動!です。


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週刊ダイヤモンドの書店売り、コンビニ売りがなくなったようです・・・老舗ビジネス雑誌の大転換?

2025年05月19日 | 本と雑誌

最近、書店のビジネス雑誌コーナーに週刊ダイヤモンドが並んでおらず不思議でした。
ネットで調べてみると、書店売り、コンビニ売りをなくしたとのこと。
毎週、週刊ダイヤモンド、東洋経済に目を通すのが楽しみでした。

ちょっと残念です。

そういえば、同誌のフジテレビの特集に誤りがあり回収されたことがことがありました。
これが契機となったのでしょうか?

これからは、日経ビジネス誌のように郵送での購読となるようです。
最近では日経ビジネスも書店売りしているんですが・・・。
週刊ダイヤモンド・・・老舗ビジネス誌の大転換に驚いた次第です。
書店閉店、出版不況・・・何とか止めたいですね。。
本や雑誌・・・文化のバロメータです。


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ゲッベルス・・・ヒトラーの右腕「宣伝大臣」悪の真相 国家、国民を欺いたナチスの人心掌握術・・・プロパガンダ、宣伝の魔術

2025年05月10日 | 本と雑誌

今年は、戦後80年。
ヒトラーが率いたドイツ第三帝国崩壊80年に当たります。

ヨゼフ・ゲッベルス(1897年~1945年)
ヒトラーの片腕としてプロパガンダ、宣伝の魔術を駆使したナチス(ドイツ労働者党)の宣伝大臣を務めた男です。

最近、映画「ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男」が静かな人気のようです。
書店にも、ゲッベルス本がチラホラ見えるようになってきました。

ゲッベルス 悪の真相
ダイアマガジン ダイアプレス刊 1300円
同書は、ゲッベルスの生涯を一冊にまとめたムック本。
カラーページ入りの迫力ある一冊です。


目次

序章 ナチス・ドイツとゲッベルス
第1章 ゲッベルスの抱いたコンプレックス
第2章 ナチ党の躍進とヒトラーの登場
第3章 ナチ党の総選挙とプロパガンダ
第4章 国民啓蒙・宣伝大臣ゲッベルス
第5章 第二次世界大戦とゲッベルス
第6章 ナチスの落日とゲッベルスの最後

ゲッベルス宣伝大臣は、新聞、ラジオ、映画、音楽、芸術、ポスター、デザインなどを意図的に創り出し、ドイツ国民を魅了し、ヒトラー独裁政権を演出しました。

現代で言えば、広告プロデューサー、クリエイティブディレクター、コピーライターの仕事を兼ね備えた政治家。

国民を洗脳し、ナチス党の目指す事を実現するための仕組み、仕掛けを造り上げました。

 

日本の戦前の「大本営発表」や「勝った、勝った」も同じ匂いがします。

治安維持法や隣組、特高警察などの仕組みを作り、日本国民を悲劇的な絶望的な戦争に巻き込んでいきます。

抵抗する者は、非国民として逮捕され、収監され、殺されました。

大衆操作(マス・マニュピレーション)の恐ろしさです。


半島や大陸の国のマスゲームのようです。
オリンピックさえ、プロパガンダ、宣伝のための道具にしました。

ゲッベルスは、幼少の頃、足に障がいを持ち、これが生涯にわたるコンプレックスになったと言われています。

身長の低い小さく、痩せた男でした。
愛国心溢れる彼は、第一次世界大戦の兵役検査にも落ち落胆。


しかしながら、学業は超優秀で大学に進学、博士の学位も取得します。

文学博士・・・ドイツの浪漫文学が専門です。
が、ドイツの第一次世界大戦の敗戦のため職業につくことが出来ず、苦悩は続きます。

就職できないのはユダヤ人のせいと思い込んでいたようです。


そんな中、ナチス(ドイツ労働者党)と出会い、そしてアドルフ・ヒトラーに惹かれていきます。
最初は左派と右派でヒトラーと考えを異にしていたそうです。
演説力にも高い才能のあったゲッベルスは、ヒトラーが獄中で書いた「わが闘争」に賛同。
反ユダヤ主義、反スラブ主義、反共産主義に染まっていきます。
そして、国民啓蒙・宣伝大臣ゲッベルスが誕生することになります。

ラジオ、新聞、映画、音楽、ポスター、オリンピックなどを自らプロデュースし、ドイツ国民を戦争に巻き込んでいきます。


1945年、ナチス・ドイツの敗戦。

ゲッベルスはヒトラーに続き、ベルリン地下壕で家族とともに自死することになります。
享年48。


ゲッベルスについては、大学時代に興味を持ち、東京・神田神保町の古書店で何冊か本を買って研究していた時期があります。

ゲッベルスの存在は、自分の人生にも大きな影響をあたえました。

宣伝の力で世の中をよりよく出来るかもしれない・・・。

卒業後は、電波媒体(ラジオ、テレビ)に強い大手広告代理店に入社することになります。


今回の映画やムック本で、更にゲッベルス研究を進めることが出来たと思います。

彼の残したプロパガンダ、宣伝のテクニックは、現代の政治宣伝、広告宣伝にも大きな影響を与えていると思います。

二度あることは三度あります。


いつまでも変わらない人間の性。
油断すると、体制に迎合して突っ走るリスクを抱えています。

現代では、インターネットやSNSもあり、大衆操作や政治や選挙に利用されるリスクも多々あります。

当時よりも危険な状況とも言えます。

フェイクに流されず、自ら学び、考え、行動する人間が求められていると思います。

スティーブ・ジョブさんの言葉を思い出します。

Think Different!


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経営教育 人生を変える経営学の道具立て 岩尾俊兵さんの新刊新書・・・価値創造三種の神器で価値無限論を実現するための一冊

2025年05月08日 | 本と雑誌

「世界は経営でできている」がブレークした岩尾俊兵さんの新刊新書が角川新書から刊行されました。
「経営教育」・・・ちょっと???のタイトルです。
著者は、同書の中で閉塞感に包まる日本の経営を元気にするための三種の神器を提唱。
ブレークスルー、イノベーションを惹起する実務家型の学者としての立ち位置を示します。

経営教育 人生を変える経営学の道具立て
岩尾俊兵著  角川新書  990円

著者の岩尾俊兵さんは、慶応大学准教授。
最年少で就任された方です。
ただ、偏差値エリートではなく、中学卒業後、自衛隊の学校に入り、大検を受験。
そこから慶應義塾大学に合格、さらに東大大学院に進み、東大初の博士(経営学)を取得します。
大学院在学中に学費、生活費を得るため、スタートアップ企業を起こし、現在も教員と企業経営の両利きの経営をされています。
すごい人です。

目次
第1章 私たちの苦しさの正体は何なのか?
第2章 奪い合いの世界から脱する方法はあるのか?
第3章 他者と創り合える未来は開けるか?
第4章 どうすれば対立は乗り越えられるのか?
第5章 私たちはどうやって進歩していけるのか?
第6章 人と組織が変わる意味はあるのか?
第7章 これから社会はどう変わっていくのか?
第8章 私たちかせ今日からできることは何か?

同書は、前著「世界は経営でできている」のアンサー本。
どうすれば、理不尽でみんなが苦しんでいるかを解決するための道具立てを提唱します。
多くの人が陥っている価値有限論、奪い合いから脱出するための方法論を提示しています。
MBAホルダーなどの一部のエリートたちに任せるのではなく、QC理論、改善活動などのように全社員が全員参加で実行できるマネジメント理論を打ち立てます。
価値創造三種の神器です。
1.価値創造三種の神器「未来創造の円形」
2.価値創造三種の神器「問題解決の三角形」
3.価値創造三種の神器「七転び八起きの四角形」

同書では、事例や自己の体験経験など具体例を交え、丁寧に価値創造三種の神器の使い方、活用方法を解説していきます。
同書のキモは、「奪う」から「創る」へ、「利己」から「利他」へ、「抽象的な悩み」から「究極の目的」へ、「出来事」への視点変えを具体化するステップを教示します。
QCの七つ道具、新七つ道具を学ぶように習得できます。

1.価値創造三種の神器「未来創造の円形」・・・稲盛和夫さんの京セラフィロソフィーがベース

2.価値創造三種の神器「問題解決の三角形」・・・ゴール制約理論、トヨタ生産方式がベース

3.価値創造三種の神器「七転び八起きの四角形」・・・ドラッカーのマネジメント論がベース

価値有限論から価値無限論を提唱する著者。
実現すれば、奪い合うライバルから、協働する仲間たちの集団に変わっていくと思います。
マイケル・ポーター博士の競争理論やフィリップ・コトラー博士のマーケティング論が、CSVやマーケティング5.0に進化してきたように、ソーシャル、環境といった面からも整合性のある岩尾理論です。
組織で働く人や経営者のみならず、学生や女性に読んでいただきたい一冊。
ダイバーシティ、インクルージョンともマッチし、相性が良い一冊です。

あとは、「未完の書」の同書に書き込みながら、行動に移せば、(たぶん)人生が変わります。

前著を読んでから「経営教育」を読むと、理解がより進みます。

2冊買っても2000円、コスパ、タイパも優れたお薦めの2冊です。


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歩くという哲学・・・世界を動かした小説、詩、哲学は歩行によって生まれた 山と渓谷社から出版された「歩く」ことが大好きな人のための書

2025年04月20日 | 本と雑誌

歩く、歩く、歩く・・・。

歩くこと、散歩すること、ウォーキングすることが楽しくなる一冊を見つけました。

人類がアフリカ大陸で誕生し、7万年前に徒歩でアフリカを出発しました。

中東を経由して、ヨーロッパやアジアへ・・・そして、北米、南米の最南端までたどり着きました。

ホモ・サピエンスは、「歩く」人なのです。

歩くという哲学

フレデリック・グロ著  谷口亜沙子翻訳  山と渓谷社刊 2,640円

 

著者のグロさんは、フランス出身、1965年生まれ。

現在、パリ政治学院政治思想学教授を務められています。

パリ12大学で博士号取得、フランス哲学界のスーパーエリート。

ミシェル・フーコーが専門の哲学者です。

まさに博覧強記・・・欧米の哲学の巨星たちに精通しています。

 

同書は、ランボー、プルースト、ニーチェ、カント、ルソー、ソロー、ガンジーなど「歩く」という共通項の中で「歩く」ことの意味を探求していきます。

哲学者や思想家は、みんな歩いていたんですね。

京の都にも西田幾多郎が歩いたと言われる「哲学の道」があります。

訳者の谷口亜沙子さんの難解な哲学用語を避けて、詩的な表現を多用しているのも素敵で、実に読みやすい一冊になっています。

 

一部を紹介させていだたきます。

 

行こう!帽子に、外套に、両手をポケットに突っ込んで、外へ!

前に進もう!旅立とう!行こう! 

ここでは さよなら、また、どこでなりと。

ぼくは歩行者であって、それ以上の何物でもない。アルチュール・ランボー

 

自由とは、一切れのパン、喉を潤す冷たい水、広々とした風景になる。

 

歩くことによって、わたしたちの身体には、生命という名の芯が真っすぐ通り、自分のすぐ足元から吹き上げるその奔流に運ばれるようになる。

 

「放棄する者」の自由。すべてが与えられるのは、すべてを諦めた時だ。

もう何も欲しがらなくなった時に、すべてがあふれんばかりに与えられる。

 

歩いている時、人はひとりきりではありえない。

 

歩き続けることで生じるのは、他者に対して何も感じなくなる。ルソー

 

健康の度合いは、どのくらい朝が好きかによって、はかられる。ダヴィド・ヘンリー・ソロー

一番感動したのが、アルチュール・ランボーの章。

10代の後半にしか詩を書かず、筆を置き、砂漠の商人として短い生涯を終えました。

徒歩で欧州やアフリカ大陸を歩いた天才詩人。

感動の章でした。

おすすめのユーチューブ(サントリー・ロイヤルのランボーCM)です。

http://www.youtube.com/watch?v=hy-z421FwGQ

同書を出版したのが、山と渓谷社(ヤマケイ)というのも面白いですね。

歩くことが好きな人、必読の一冊です。

同書を読んで、歩きはじめる人が出てくるかもしれません。

読書好きとして、今年一番の収穫でした!


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デザイン経営 各国に学ぶ企業価値を高める戦略・・・「最大の収益源はデザインプロジェクト」と喝破する若手研究者の一冊

2025年04月17日 | 本と雑誌

ロジカルシンキングやクリティカルシンキングでは差異化、差別化をしにくい時代になりました。

米国のIDEO社の成功により、デザインシンキングやクリエイティブシンキングが広がりつつあります。

時代のキーワードは、イノベーションです。

面白い本を読みました。

デザイン経営 各国に学ぶ企業価値を高める戦略

小山太郎著  中公新書  1100円

 

帯には、「最大の収益源はデザインプロジェクト」。

著者は、中部大学の専任講師。

イタリアのデザインが専門だそうです。

 

同書では、主要先進国のデザイン経営について分析、解説しています。

構造化して分かりやすく解説してあるため、面白おかしく読むことが出来ます。

 

イタリア・・・美しいかたちが良い眺めをもたらす

米国・・・IT技術がユーザーに寄り添った問題解決を行う

中国・・・工学的な設計でメイド・イン・チャイナを牽引する

韓国・・・デザイン重視のトップがグローバル競争に乗り出す

日本・・・デザインプロジェクト中心の社風を創造する

北欧・・・自然と共生するエコロジカルな人間中心主義のデザイン

詩的な表現もあり、面白いです。

 

事例も入っており、写真とともに各国のデザイン経営が紹介されています。

イタリア・・・バルクッチーネ社、アルマーニ社、フェラーリ社

米国・・・テスラ社、IBM、アップル

中国・・・ハイアール社、DJI社、奇瑞

韓国・・・サムソン、LG

日本・・・ホンダ、バルミューダ、ファミリア社

北欧・・・エレクトロラックス社、イケア社、ボルボ社

イノベーションは、元祖シュンペータ博士によると「新結合」。

世の中に新しいものはなく、何かと何かの組み合わせが必須であると喝破しています。

そのためには、まずは数を出すことが勝負になります。

その中から、スピード感を持って試し続けて行くことが、いつかはイノベーションの創出に繋がります。

デザイン経営は、その先駆けになると思います。

ニッポン発のイノベーションに期待される昨今です。


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ひろしまブックフェスがゲートパーク広島で開催されていました・・・立ち飲み屋さんも併設 一杯いきますか?

2025年04月10日 | 本と雑誌

仕事帰り、ゲートパーク広島で「ひろしまブックフェス」が開催されていました。

第2回目だそうです。



広島の古書店を中心にワゴンで選りすぐりの古本を販売していました。

ゲートパーク広島は、広島の中心部、旧広島市民球場跡地。

目の前には原爆ドーム、平和公園があります。

古本、古書、大好きです。

紙の匂いを嗅ぐだけで知的好奇心が刺激されます。

学生時代、東京・神田神保町の古書店でアルバイトをしていたことを思い出しました。

店主とセドリのお客さんのやり取り・・・勉強になりました。

このフェスには、立ち飲み屋さんも出店していました。

日本酒を中心に、立ち飲みできます。

なかなか粋な催しです。

地元広島の竹鶴をチョイス。

ぬる燗でいただきました。

飲む、呑む、読む・・・。

お気に入りの一冊を買って、帰路につきました。

楽しいイベントでした!



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